管理者用の配信レポート
製品: Exchange Server 2013
管理者用の配信レポートを使用すると、組織の特定のメールボックスで送受信されたメッセージに関する配信情報を確認できます。 管理者用の配信レポートは、実際には Exchange 管理センター (EAC) を使用してメッセージ追跡ログから目的の情報を検索します。 検索は常に特定のメールボックスを対象として行われます。 特定のメールボックスによって送信または受信されたメッセージを検索し、メッセージの件名で結果をフィルタリングできます。
配信レポートにはメッセージ本文の内容は記載されませんが、件名は結果に表示されます。 組織のメールボックスからメッセージの内容に基づいて電子メールを検索する場合は、「インプレース電子情報開示 (eDiscovery)」を参照してください。
配信レポートの検索は、次のような場面で役立ちます。
期限までに課題を提出しなかったとして、上司が研修中の社員に低い評価を与えた。 しかし、社員は課題を添付した電子メールを確かに送信したと主張した。 そこで、メッセージの状態がどうなっているか確認して欲しいと上司が依頼してきた場合。
速やかな返信を求めるセキュリティ情報をユーザーに送信したのに、だれからも返事が来ない場合。 ユーザーがメッセージを無視しているのか、単にメッセージが届いていないのかを明らかにする必要があります。
複数のユーザーから送信先にメールが届いていないという苦情が寄せられた場合。 ユーザーはメールの配信状況を確認しましたが、状況をつかめていません。 この場合、組織レベルでメッセージに適用されているルールが原因である可能性があります。
配信レポート検索を作成すると、結果の配信レポートに、メッセージの送信元と送信先、件名、メッセージがいつ送信されたかという情報が表示されます。 配信レポートには、メッセージ配信の状態と、配信が遅延または失敗する理由も表示されます。
配信レポートの詳細
新しい配信レポートの作成方法は以下のとおりです。配信レポートでメッセージを追跡する.
社内 Exchange 組織の場合、Exchange 管理シェルを使用してメッセージ追跡ログを直接検索できます。 詳細については、「メッセージ追跡ログを検索する」を参照してください。
組織内に以前のバージョンの Exchange がある場合は、Exchange 2013 の配信レポート機能が他のバージョンの Exchange に対してどのように動作するかを考慮する必要があります。
同じ Active Directory サイトにある Exchange 2010 サーバーのメッセージは、Exchange 2013 の配信レポートで追跡できます。
ただし、同じ Active Directory サイトにある Exchange 2007 サーバーのメッセージは、Exchange 2013 の配信レポートでは追跡できません。 これは、配信レポート機能が Exchange 2007 には存在しないリモート プロシージャ コールと Web サービス インターフェイスを使用しているためです。