Connection.Execute メソッド (DAO)

適用先: Access 2013、Office 2013

指定されたオブジェクトに対してアクション クエリを実行するか、SQL ステートメントを実行します。

構文

式 。Execute(Query, Options)

式Connection オブジェクトを表す変数です。

パラメーター

名前	必須かどうか	データ型	説明
Query	必須	String	SQL ステートメントまたは QueryDef オブジェクトの Name プロパティの値を示す文字列型 (String) の値。
オプション	省略可能	バリアント型 (Variant)	[設定] で指定された、クエリのデータ整合性の特性を表す定数 (または定数の組み合わせ)。

注釈

Options には、次の RecordsetOptionEnum 定数を使用できます。

定数	説明
dbDenyWrite	他のユーザーに対して書き込み権限を許可しません (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbInconsistent	(既定値) 矛盾した更新を実行します (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbConsistent	一貫性のある更新を実行します (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbSQLPassThrough	SQL パススルー クエリを実行します。 このオプションを設定すると、SQL ステートメントが ODBC データベースに渡されて処理されます (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbFailOnError	エラーが発生した場合、更新をロールバックします (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbSeeChanges	編集中のデータが他のユーザーによって変更されている場合、実行時エラーを生成します (Microsoft Access ワークスペースのみ)。
dbRunAsync	クエリを非同期に実行します (ODBCDirect の Connection オブジェクトと QueryDef オブジェクトのみ)。
dbExecDirect	最初に SQLPrepare ODBC API 関数を呼び出さずにステートメントを実行します (ODBCDirect Connection および QueryDef オブジェクトのみ)。

注:

[!メモ] Microsoft Access 2013 では、ODBCDirect ワークスペースはサポートされていません。 Microsoft Access データベース エンジンを使用せずに外部データ ソースにアクセスする場合は、ADO を使用してください。

注:

[!メモ] 定数 dbConsistent と dbInconsistent は互いに排他的です。 1 つの OpenRecordset のインスタンスにおいては、どちらか一方を使用できますが、両方を使用することはできません。 dbConsistent と dbInconsistent の両方を使用すると、エラーが発生します。

Execute メソッドはアクション クエリでのみ有効です。 別の種類のクエリで Execute を使用すると、エラーが発生します。 アクション クエリはレコードを返さないので、 Execute は Recordset を返しません。 Recordset が返されない場合は、ODBCDirect ワークスペースで SQL パススルー クエリを実行してもエラーは返されません。

Connection 、 Database 、または QueryDef のオブジェクトの RecordsAffected プロパティを使用して、最後に使用された Execute メソッドによって影響を受けたレコードの数を取得できます。 たとえば、アクション クエリの実行時に削除、更新、または挿入されたレコードの数が RecordsAffected に格納されます。 Execute メソッドを使用してクエリを実行すると、 QueryDef オブジェクトの RecordsAffected プロパティは、影響を受けたレコードの数に設定されます。

Microsoft Access ワークスペースでは、指定した SQL ステートメントの構文が正しく、ユーザーが適切な権限を持っている場合、1 行も変更または削除できなくても、 Execute メソッドが失敗することはありません。 したがって、 Execute メソッドを使って更新または削除のクエリを実行するときは、必ず dbFailOnError オプションを指定してください。 このオプションを使用すると、影響を受けるレコードの一部がロックされているために更新または削除できない場合、実行時エラーが生成され、既に成功している変更もすべてロールバックされます。

以前のバージョンの Microsoft Jet データベース エンジンでは、暗黙のトランザクション内に自動的に SQL ステートメントが埋め込まれていました。 dbFailOnError を指定して実行したステートメントの一部が失敗した場合は、ステートメント全体がロールバックされました。 パフォーマンスを向上するために、バージョン 3.5 以降では、この暗黙のトランザクションが取り除かれました。 古いバージョンの DAO コードを更新する場合は、 Execute ステートメントの前後で明示的なトランザクションを使用することを検討してください。

Microsoft Access ワークスペースでのパフォーマンスを最適にする (特にマルチユーザー環境の場合) には、トランザクション内部に Execute メソッドをネストします。 現在の Workspace オブジェクトの BeginTrans メソッドを使用し、次に Execute メソッドを使用し、最後に Workspace の CommitTrans メソッドを使用してトランザクションを完了します。 これにより、変更がディスクに保存され、クエリ実行中に適用されていたロックがすべて解除されます。