XML での埋め込み式 (Visual Basic)

埋め込み式を使用すると、実行時に評価される式を含む XML リテラルを作成できます。 埋め込み式の構文は <%= expression %> であり、これは ASP.NET で使用される構文と同じです。

たとえば、XML 要素リテラルを作成し、埋め込み式とリテラル テキストの内容を結合できます。

Dim isbnNumber As String = "12345" 
Dim modifiedDate As String = "3/5/2006" 
Dim book As XElement = 
    <book category="fiction" isbn=<%= isbnNumber %>>
        <modifiedDate><%= modifiedDate %></modifiedDate>
    </book>

isbnNumber に整数 12345 が含まれ、modifiedDate に日付 3/5/2006 が含まれる場合、このコードを実行すると、book の値は次のようになります。

<book category="fiction" isbn="12345">
  <modifiedDate>3/5/2006</modifiedDate>
</book>

埋め込み式の位置と検証

XML リテラル式の中で埋め込み式を使用できる位置は決まっています。 式の位置により、式が返すことのできる型と、Nothing の処理方法が決まります。 埋め込み式を使用できる位置と式の型を次の表に示します。

リテラルでの位置

式の型

Nothing の処理

XML 要素名

XName

エラー

XML 要素の内容

Object または Object の配列

無視

XML 要素の属性名

XName

属性値も Nothing である場合以外はエラー

XML 要素の属性値

Object

属性宣言は無視されます

XML 要素の属性

XAttribute または XAttribute のコレクション

無視

XML ドキュメントのルート要素

XElement または 1 つの XElement オブジェクトのコレクションと、任意の数の XProcessingInstruction オブジェクトおよび XComment オブジェクト

無視

  • XML 要素名での埋め込み式の例:

    Dim elementName As String = "contact" 
    Dim contact1 As XElement = <<%= elementName %>/>
    
  • XML 要素の内容での埋め込み式の例:

    Dim contactName As String = "Patrick Hines" 
    Dim contact2 As XElement = 
      <contact><%= contactName %></contact>
    
  • XML 要素の属性名での埋め込み式の例:

    Dim phoneType As String = "home" 
    Dim contact3 As XElement = 
      <contact <%= phoneType %>="206-555-0144"/>
    
  • XML 要素の属性値での埋め込み式の例:

    Dim phoneNumber As String = "206-555-0144" 
    Dim contact4 As XElement = 
      <contact home=<%= phoneNumber %>/>
    
  • XML 要素の属性での埋め込み式の例:

    Dim phoneAttribute As XAttribute = 
      New XAttribute(XName.Get(phoneType), phoneNumber)
    Dim contact5 As XElement = 
      <contact <%= phoneAttribute %>/>
    
  • XML のドキュメント ルート要素での埋め込み式の例:

    Dim document As XDocument = 
      <?xml version="1.0"?><%= contact1 %>
    

Option Strict を有効にすると、コンパイラは、必要な型に拡大された各埋め込み式の型をチェックします。 唯一の例外は XML ドキュメントのルート要素の場合で、コードの実行時に検証されます。 Option Strict を指定しないでコンパイルする場合は、Object 型の式を埋め込むことができ、型は実行時に検証されます。

内容が省略可能な位置では、Nothing を含む埋め込み式は無視されます。 つまり、XML リテラルを使用する前に、要素の内容、属性値、および配列要素が Nothing でないことをチェックする必要はありません。 要素名や属性名などの必須の値には、Nothing を指定できません。

特定の型のリテラルにおける埋め込み式の使用の詳細については、「XML ドキュメント リテラル (Visual Basic)」および「XML 要素リテラル (Visual Basic)」を参照してください。

スコープ規則

コンパイラは、各 XML リテラルを、適切なリテラル型に対するコンストラクター呼び出しに変換します。 XML リテラルのリテラル内容と埋め込み式が、引数としてコンストラクターに渡されます。 つまり、XML リテラルに使用できるすべての Visual Basic プログラミング要素を、埋め込み式にも使用できます。

XML リテラル内では、Imports ステートメントで宣言されている XML 名前空間プレフィックスにアクセスできます。 xmlns 属性を使用して、要素内で、新しい XML 名前空間プレフィックスを宣言したり、既存の XML 名前空間プレフィックスをシャドウしたりできます。 新しい名前空間は、その要素の子ノードには使用できますが、埋め込み式内の XML リテラルには使用できません。

注意

xmlns 名前空間属性を使用して XML 名前空間プレフィックスを宣言する場合、属性値を文字列定数にする必要があります。この点について、xmlns 属性を使用することは、Imports ステートメントを使用して XML 名前空間を宣言することと似ています。埋め込み式を使用して、XML 名前空間の値を指定することはできません。

参照

関連項目

XML ドキュメント リテラル (Visual Basic)

XML 要素リテラル (Visual Basic)

Option Strict ステートメント

Imports ステートメント (.NET 名前空間および型)

概念

XML リテラルの概要 (Visual Basic)

その他の技術情報

Visual Basic での XML の作成