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Application Virtualization Server ベースのシナリオ概要

適用対象: Application Virtualization

Microsoft Application Virtualization 環境でサーバー ベースの展開シナリオの使用を計画している場合、Application Virtualization Management ServerApplication Virtualization Streaming Server の違いをよく理解することが重要です。ここでは、それらの違いについて説明し、展開を行う上で検討すべき、パッケージ配布方法、伝送プロトコル、外部コンポーネントを紹介します。

Application Virtualization Management Server

Application Virtualization Management Server は、公開とストリーミングの両方の機能を実行します。アプリケーション アイコンとショートカット、およびファイルの種類の関連付けを、認証されているユーザーの App-V Client に公開します。ユーザーからアプリケーションの要求を受け取ると、RTSP プロトコルまたは RTSPS プロトコルを使用して、認証されているユーザーにそのデータをオンデマンドでストリーム配信します。このサーバーを使用するほとんどの構成では、1 つ以上の Management Server が、構成情報とパッケージ情報に共通データ ストアを共有します。

Application Virtualization Management Server は、ユーザー認証に Active Directory のグループを使用します。Active Directory ドメイン サービスのほかに、これらのサーバーには SQL Server がインストールされており、これでデータベースとデータ ストアを管理します。Management Server は、Application Virtualization Management Console で制御します。このコンソールは、Microsoft 管理コンソールのスナップインです。

Application Virtualization Management Server は、アプリケーションからエンドユーザーにオンデマンドでストリームを行います。そのため、Application Virtualization Management Server は、信頼性に富み帯域幅の広い LAN を備えたシステム構成に最適です。

Application Virtualization Streaming Server

Application Virtualization Streaming Server には、Management Server と同じストリーミングとパッケージの更新機能が搭載されていますが、Active Directory や SQL Server は必要ありません。しかし、Streaming Server は公開サービスを行わず、ライセンスの付与や使用状況の計測機能も備わっていません。したがって、App-V Streaming Server と共に、別の App-V Management Server の公開サービスを使用する必要があります。App-V Streaming Server は、複数の場所で Application Virtualization のストリーミング機能を従来のサーバー構成のように使用したいけれども、すべての場所が必ずしも App-V Management Server をサポートするインフラストラクチャではない場合に適しています。

また、Application Virtualization Streaming Server は、既に電子ソフトウェア配布システム (ESD) を設置している環境で使用することもできます。ESD は、ストリーミング アプリケーションの管理に使用します。Application Virtualization Management Server と異なり、Streaming Server は SQL や Management Console を使用しません。Streaming Server は、アクセス制御リスト (ACL) でユーザー承認を割り当てます。

パッケージ配布方法

公開配布方法として Application Virtualization Server の使用を予定している場合、シナリオで使用するパッケージ配布方法として以下のどちらかを選択する必要があります。

  • 動的パッケージ配布

  • ファイル パッケージからの読み込み配布

動的パッケージ配布

動的パッケージ配布では、サーバー (Application Virtualization Management Server、Application Virtualization Streaming Server、または IIS サーバー) は、仮想化されたアプリケーションを、オンデマンド展開でエンド ユーザーに配布します。サーバーは、ユーザーが最初にアプリケーションの起動を試みたときに初めて仮想化アプリケーションとパッケージをクライアント コンピュータに配布します (オン デマンド)。サーバーは、アプリケーションの開始に必要なブロックだけをストリームします (プライマリ機能ブロック)。クライアントに対してプライマリ機能ブロックの配布が終了すると、アプリケーションが動作します。ただし、プライマリ機能ブロックに含まれていないアプリケーションの構成要素にアクセスする必要がクライアントに生じない限り、クライアントが完全なアプリケーションを受け取ることはありません (増分展開)。プライマリ機能ブロックに含まれていないアプリケーションの構成要素にアクセスが必要になると、クライアントはシーケンス外の要求を実行し、セカンダリ機能ブロックがクライアントにストリームされます。動的パフォーマンス配布では、アプリケーションの起動時間を短縮できます。

ファイル パッケージからの読み込み配布

ファイル パッケージからの読み込み配布の場合、ユーザーがアプリケーションを起動する前に、サーバーは仮想化アプリケーション パッケージをすべてクライアント コンピュータに読み込みます。このシナリオの場合、仮想化アプリケーションは動的配布モデルで使用する動的な増分的方式ではなく、フル パッケージとして配布されます。

注意

どちらの配布方法でも、最初の仮想アプリケーション配布プロセスと仮想アプリケーション アップデート プロセスは同じです。オリジナル アプリケーション パッケージは、アップデートした仮想アプリケーション パッケージに差し替えられます。

次の表は、各パッケージ配布方法の長所と短所を比較したものです。

方法 長所 短所 コメント

動的パッケージ配布

アプリケーションがオンデマンドで配布され、アップデートされる。

起動時間を最適化するためアプリケーションの配信とアップデートが増分的に行われる。

アップデートがクライアント デスクトップに自動的に配布される。

サーバーの要件により、エンタープライズ トポロジにおけるフットプリントが大きくなりがちである。

アプリケーション ストリーミングは LAN で行う。WAN による展開シナリオや、サーバーとクライアント間で低信頼性の接続や断続的な接続を使用する展開シナリオは適用できない可能性がある。

ストリーミング インフラストラクチャが必要である。

Application Virtualization Desktop Client ソフトウェアをエンド ユーザー コンピュータに展開するための Windows Installer

企業規模が大きい場合は、Application Virtualization Streaming Server を配布ポイントに使用してください。

ファイル パッケージからの読み込み配布

一般的な企業管理慣習と整合がとれている。

スタンドアロン構成シナリオをサポートしている。

ごく小規模のブランチ オフィスにおける問題の細かな問題に対応できるソリューションを提供できる。

オンデマンドでは、アプリケーションの配布とアップデートができない。

アプリケーションの配布とアップデートが増分的には行われない。動的配布と比較してリソースの消費量が多くなる。

IT 組織には往々にして、アプリケーション ライセンス、ユーザーの承認、認証を管理する責務がある。

サーバー関連プロトコルと外部コンポーネント

次の表は、Application Virtualization Server ベースのシナリオに使用できるサーバーの種類と、それに対応する伝送プロトコル、および個々のサーバー構成のサポートの必要な外部コンポーネントの一覧です。表では、また報告メカニズムと、サーバーの種類別のアクティブ アップグレード メカニズムも紹介します。これらのシナリオでは、Application Virtualization Management Server も使用するため、システム組み込みの内部報告機能も利用できます。Application Virtualization Management や Application Virtualization Streaming Server で、パッケージをクライアントに配布する場合、サーバー上のパッケージは、ユーザーがクライアントにログインすると自動的にアップグレードされます。IIS サーバーやファイルでパッケージをクライアントに配布する場合、クライアントのパッケージは手動でアップグレードします。

サービスの種類 プロトコル 必要な外部コンポーネント 報告 アクティブ アップグレード

Application Virtualization Management Server

RTSP

RTSPS

HTTP を使用するときは、IIS サーバーで ICO ファイルと OSD ファイルをダウンロードし、インターネットへの露出からファイアウォールでサーバーを保護します。

内部

サポートしています。

Application Virtualization Streaming Server

RTSP

RTSPS

Management Server と Streaming Server 間でコンテンツを同期するメカニズムを使用します。HTTPS を使用するときは、IIS サーバーで ICO ファイルと OSD ファイルをダウンロードし、インターネットへの露出からファイアウォールでサーバーを保護します。

内部

サポートしています。

IIS サーバー

HTTP

HTTPS

Management Server と Streaming Server 間でコンテンツを同期するメカニズムを使用します。HTTP または HTTPS を使用するときは、IIS サーバーで ICO ファイルと OSD ファイルをダウンロードし、インターネットに対する露出からファイアウォールでサーバーを保護します。

内部

サポートしていません。

ファイル

SMB

Management Server と Streaming Server 間でコンテンツを同期する手段が必要です。ファイル共有機能とストリーミング機能を備えたクライアント コンピュータが必要です。

内部

サポートしていません。

参照:

その他のリソース

電子ソフトウェア配布ベースのシナリオ
サーバー ベースの展開用にサーバーを構成する方法
サーバーおよびシステム コンポーネントをインストールする方法

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