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Microsoft Office 2003 Editions のリサーチ機能

トピック

重要な概念と定義
リサーチ機能の概要
リサーチのアーキテクチャ
組み込みのリサーチ サービス
カスタム リサーチ サービス
サービスの展開
セキュリティ
まとめ
よく寄せられる質問
追加情報

最新情報については、https://www.microsoft.com/japan/office/ を参照してください。

重要な概念と定義

サービス / ソース [リサーチ] 作業ウィンドウに表示されるリサーチ データのコレクションは、サービスまたはソースと呼ばれます。このドキュメントでは、"サービス" という用語をこの意味で使用します。

プロバイダ プロバイダとは、リサーチ コンテンツのソースを意味します。一般に、プロバイダへのアクセスは、外部 URL または内部サーバー アドレスを経由します。1 つのプロバイダが 1 つまたは複数のリサーチ ソースを提供します。

クエリ クエリは、リサーチ検索を意味する一般的な用語です。

XML XML (eXtensible Markup Language) は、構造化された開放型の記述形式でデータを記述するためのメタデータ定義言語です。

SOAP SOAP (Simple Object Access Protocol) は、プラットフォームに依存せずにサービス、オブジェクト、およびサーバーにアクセスするための XML/HTTP ベースのプロトコルです。

リサーチ機能の概要

Microsoft Office 2003 Editions には、インフォメーション ワーカーが現在のアプリケーションで作業を続けながら、必要な情報をすばやく検索して使用できるようにするリサーチ機能が搭載されています。Microsoft Office XP には、Office XP アプリケーション内から Microsoft Internet Explorer ベースの統合型検索を可能にする検索機能が実装されていましたが、それをさらに拡張したのがリサーチ機能です。強力で広範な検索を実現するリサーチ機能は、Web 上のリサーチ サイトの代わりに使用でき、それらを超える高い利便性をインフォメーション ワーカーにもたらします。

Office 2003 Editions の登場を待つまでの間、インフォメーション ワーカーがリサーチやクイック リファレンスを行う際には、アプリケーションを交互に切り替えながら、ほぼ同じ手順での作業を何度も繰り返す必要がありました。リサーチ時には、ブラウザを開き、目的の情報を検索し、Office アプリケーションに戻って、その情報を取り込む、というのが典型的な手順でした。また、用語の意味を調べるなどのクイック リファレンス時には、ブラウザ ベースの辞書サービスや Microsoft Bookshelf 2000 などを使用するのが典型的でした。Microsoft では、既存のツールを組み合わせてこのプロセスを大幅に効率化することを設計上の最優先事項として、Office 2003 Editions にリサーチ機能を組み込みました。リサーチ機能には、以下の大きな特長があります。

  1. 情報の集約 インフォメーション ワーカーが複数のサービスを同時に検索することが可能になっています。複数の情報ソースから検索結果が収集されます。ソースの数に制限はなく、ソースを必要なだけ追加することによって検索を拡張できます。

  2. 統合型のモードレス ユーザー インターフェイス Office 2003 Editions アプリケーションと緊密に統合されたインターフェイスにより、アプリケーションからコンテキストを収集したり、コンテンツをアプリケーションに挿入できるなど、柔軟な操作が可能になっています。たとえば、Alt キーを押しながら語句をクリックすると、その語句が自動的に検索されます。Office 2003 Editions アプリケーション ウィンドウ内でドキュメントの横に作業ウィンドウが表示され、その中に検索結果が示されます。検索結果の表示には、プロバイダによって指定されている書式が正確に反映され、アクションを指定するスマート タグも正しく反映されます。これにより、インフォメーション ワーカーが検索結果を通じて対話操作を実行することが可能になっています。

Office 2003 Editions には、Dictionary、Thesaurus、MSN Search、Microsoft Encarta Encyclopedia、いくつかのサード パーティ サービスなど、リサーチのソースが豊富に用意されており、これらをすぐに使用することができます。リサーチは、組織で独自のリサーチ サービスを構築したり、サード パーティ リサーチ プロバイダがサブスクリプション サービスを構築するためのプラットフォームともなります。

このホワイト ペーパーでは、アーキテクチャおよびインフラストラクチャに関する必要条件を含めて、リサーチ機能を詳細に解説します。さらに、組織やサード パーティによるカスタム サービスの作成方法についても述べ、組み込みサービスとカスタム サービスの両方を使用できるようにクライアントを構成する際のオプションについても説明します。

リサーチ サービスの使用

すべての Office 2003 Editions アプリケーションに同じ [リサーチ] 作業ウィンドウが用意されています。図 1 では、キーワード検索の結果が Microsoft Office Word 2003 の作業ウィンドウに表示されています。検索は数とおりの方法で開始できますが、図 1 は、文書内で「remedy」という単語を右クリックし、[リサーチ] をクリックした場合の例を示しています。

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図 1: 作業ウィンドウ

この図では、Thesaurus の検索結果にスマート タグが埋め込まれていることに注目してください。インフォメーション ワーカーはこのスマート タグを通じて、単語をコピーする、単語を文書に挿入する (現在の選択内容を置き換えて、適切な書式設定を適用する)、その単語を検索する、のいずれかの操作を選択できます。開発者は、スマート タグ機能が統合されたリサーチ サービスを柔軟に作成できます。Office 2003 Editions ではスマート タグ技術が大幅に改良されているので、スマート タグの統合はリサーチ機能をさらに強力なものにします。

リサーチ機能を使用するときには、どのサービスを検索するかをプルダウン メニュー経由で指定します。この例では、[すべての辞書類] が選択されています。代わりに [すべてのリサーチ サイト] を選択すると、内部ホストと外部ホストの両方を含めて、インストールされているすべてのリサーチ サービスから結果が返されます。その場合も、折りたたみ可能なセクションで構造化された結果が表示され、スマート タグが用意されている場合は、その機能が上記のように反映されます。

図 2 は、「Blood Pressure (血圧)」という用語を単純なクエリで検索したときの例です。eLibrary、MSN Search、Factiva News Search、および Encarta Encyclopedia から検索結果が返されています。

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図 2: 単純なリサーチ検索

リサーチのアーキテクチャ

リサーチでは、あらゆる通信に XML を使用し、検索結果の表示と操作にも XML を使用します。開発者は、XML とスマート タグを使用して豊富な書式、折りたたみ可能なリスト、コンテンツに基づくインテリジェント アクションなどを実装できるので、検索結果のレイアウトを非常に柔軟に設計できます。

リサーチ機能は Office 2003 Editions に組み込まれているので、特別なカスタマイズを行わなくても、そのまま使用できます。ネットワークに関しては、すべての通信が XML (より具体的には SOAP) を介して HTTP 上で行われるので、特別なファイアウォール構成は不要です。リサーチ サービスは、内部でも外部でもホストできます。

以下の節では、リサーチが既存の IT インフラストラクチャ内でどのように機能するかに主眼を置き、リサーチのアーキテクチャを IT 技術者向けに解説します。

  1. 「クライアント / プロバイダ通信」 ここでは、クライアントがサービスを追加するための単純なプロセスについて説明します。

  2. 「クライアント / サービス通信」 ここでは、リサーチにおける XML ベースのクライアント クエリとプロバイダ サービスの応答に関して、特に重要な点を述べます。

  3. 「結果のレイアウトに関して開発者が選択できるオプション」 ここでは、作業ウィンドウに最も利便性の高い方法で結果が表示されるように XML 結果のデータ ストリームを開発者がカスタマイズするときに使用できるプラットフォームに関して、特に重要な点を述べます。

クライアント/プロバイダ通信

リサーチ サービスは、プロバイダを通じて提供されます。1 つのプロバイダが複数のサービスをホストすることができます。Office 2003 Editions アプリケーションは、プロバイダの URL を経由してプロバイダに接続し、使用可能なサービスのリストをプロバイダから受け取ります。どの Office 2003 Editions クライアントも、既定の設定では、Microsoft のプロバイダに接続してリストを取得し、新しい Microsoft サービスとサード パーティ サービスの有無をチェックするように構成されます。組織で独自のプロバイダを作成し、そのプロバイダから必要なサービスを提供することもできます。

すべてのクライアント/プロバイダ通信は、クライアント/サービス通信と同様に、HTTP 上で行われます。したがって、クライアントにとっては、プロバイダがファイアウォールの内側にあっても、インターネット上にあっても違いはありません (図 3 参照)。

リサーチ サービスの使用には、イントラネット内での使用、インターネットを通じた使用、クライアント コンピュータ上での使用の 3 とおりの基本的なシナリオがあります (ただし、サービスをコンピュータ上でローカルに実行することに関しては、SDK に記載されているような制限があります)。社内ファイアウォールの内側にいるインフォメーション ワーカーは、Word 2003 や Excel 2003 などのクライアント アプリケーションからインターネット上のサービスに直接アクセスすることもできれば、社内イントラネット上のサーバーを通じて間接的にリサーチ サービスにアクセスすることもできます。

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図 3: クライアント/プロバイダの配置例

サービスのインストール
サービスの基本的なインストール手順は、以下のとおりです。

  1. クライアントが URL でプロバイダにアクセスします (クライアントが URL を取得する方法については下記参照)。

  2. プロバイダが使用可能なサービスのリストをクライアントに送信します。

  3. インフォメーション ワーカーが使用可能なサービスのリストからサービスを選択します。

  4. プロバイダがクライアントにサービスをインストールします。このインストールは、サービスを指すユーザー別のレジストリ エントリを書き込むことによって行われます。HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\11.0\Common\Research\Sources\<servicename> にキーが書き込まれます。これらのキーは、図 4 (MSN Search Service の場合) に示すようなエントリから成ります。

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図 4: サービスに対応するレジストリ エントリ

スマート タグを統合する場合は、[リサーチ] 作業ウィンドウに表示された検索結果の中からセットアップを行う別のプロセスをサービス プロバイダが提供します。

リサーチ機能サービスのインストールは、会社の展開戦略に含めることができます。詳細については、「サービスの展開」を参照してください。

クライアント/サービス通信

サービスの登録が完了すると、インフォメーション ワーカーがそのサービスに対して検索を開始できるようになります。検索時には、Office 2003 Editions からサービスにクエリ パケットが送信され、検索結果を含む応答パケットがサービスから返されます。すべての通信は、XML 形式のパケットを通じて行われます。通信の各セグメントには、決められたスキーマが厳密に適用されます。図 5 は、クライアントとサービスの間でやり取りされる XML スキーマ パケットの順序を示しています。

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図 5: クライアント/サービス通信

Office 2003 Editions アプリケーションは、検索結果を含む応答をサービスから受信すると、[リサーチ] 作業ウィンドウに検索結果を表示します。

結果のレイアウトに関して開発者が選択できるオプション

リサーチ サービス プロバイダでは、クライアントに返すコンテンツに対してカスタム アクションを指定できます。これらのアクションは、挿入やコピーなどの組み込みコンテンツ アクションを提供するのと同じメカニズムを通じて、インフォメーション ワーカーに提供されます。

アクション自体は、サービス プロバイダが用意したスマート タグを介して実行されます。このため、スマート タグに関する情報をリサーチ フレームワーク側で維持する必要はありません。リサーチ サービスの応答には、たとえば、追加コンテンツの取得や応答テキストの変換などのアクションをインフォメーション ワーカーに提供するスマート タグを含めることができます。挿入アクションによって Word 2003 文書または Excel 2003 ドキュメントにコンテンツを挿入した後、たとえば、追加のイントラネット ドキュメント用アクションを提供することなどが可能です。

組み込みのリサーチ サービス

Office 2003 Editions には、そのまま使用できるリサーチ サービスが豊富に用意されています。これらの組み込みサービスには、Microsoft が作成したサービスのほか、パートナーによって提供されているサード パーティ サービスもあります。図 6 は、[リサーチのオプション] ダイアログを示しています。このペインには、インストール済みのサービスの一覧が表示されます。現在オフになっているサービスをオンにすることもできます。

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図 6: インストール済みのリサーチ サービス

既定の設定でインストールされるサービスは、以下のとおりです。

  • Microsoft サービス Thesaurus、Translation、Dictionary、Encyclopedia、MSN Search、MSN Money Stock Quotes

  • 付加的なリサーチ サービス Factiva News Search、eLibrary、Gale Company Profiles、WordLingo Translation

上の図で [辞書類] カテゴリに含まれている類義語辞典サービスと翻訳サービスは、ローカルにインストールされているため、オフライン検索が可能です。その他の既定のサービスはローカルにはインストールされていないので、オフライン検索はできません。

カスタム リサーチ サービス

上記の組み込みサービスを使用すると、強力で範囲が広く、統合性の高い検索が実現されますが、リサーチは、組織で独自のリサーチ サービスを構築したり、サード パーティ リサーチ プロバイダがサブスクリプション サービスを構築するためのプラットフォームともなります。

たとえば、製品情報 (R&D 情報、保険情報、販売情報など) を 1 つまたは複数の社内データベースで維持している製薬会社があるとします。この製薬会社では、担当のインフォメーション ワーカーが Office 2003 Editions アプリケーションで作業しながら、それらの情報すべてにアクセスできるようにするサービスを作成しました。このサービスでは、たとえば、"Query" という名前の SOAP 関数を通じて、クライアントのクエリを処理し、データ ソースから情報を取得し、情報をクライアントに返します。カスタム サービスの構築方法は、Research and Reference Solution Developers Kit で詳細に解説されています。

この製薬会社 (前掲の図 2 に示されているように社名は Contoso Pharmaceuticals) では、自社製品に関する情報を提供するカスタム リサーチ サービスを作成しました。図 7 に示すように、インフォメーション ワーカーは、[リサーチのオプション] ダイアログの [サービスの追加] をクリックし、URL を入力することにより、このサービスを追加することができます。この製薬会社が使用する展開方法は、次の「サービスの展開」で述べる展開方法のいずれかとなります。

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図 7: サービスを手動で追加する

新しいサービスを追加した後、インフォメーション ワーカーが「Blood Pressure (血圧)」を検索すると、図 8 に示すような結果が返されます。このように、インフォメーション ワーカーが必要な社内データに簡単にアクセスすることが可能になりました。

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図 8: カスタム サービスから返された検索結果

サービスの展開

前掲の図 4 では MSN Search Service に対応するレジストリ エントリを示しましたが、このように、どのサービスもレジストリ エントリによって定義されます。したがって、これらのレジストリ エントリをクライアント コンピュータに適用することによって、サービスを展開することができます。サービスの展開には、以下の方法があります。

  1. 上記の製薬会社の例のように、インフォメーション ワーカーに URL を手動で入力させます。管理者が介入する必要はありません。

  2. レジストリ エントリが含まれているデスクトップ イメージをデスクトップ ロールアウト時に配布します。

  3. サービスを Microsoft のディスカバリ サービスに登録します。管理者が介入する必要はありません。この方法は、サード パーティ サービス プロバイダがすべての Office 2003 Editions ユーザーにサービスを提供するときに使用します。Office 2003 Editions クライアント アプリケーションは、Microsoft のディスカバリ サービスを通じて使用可能なサービスを検索します。

  4. 内部のディスカバリ サーバー上でサービスをホストします。組織内でクライアントに特定の URL を提供したり、新しいサービスが使用可能になったときにインフォメーション ワーカーに通知する任意ディスカバリ サーバーを構成することができます。

    1 つのクライアント コンピュータ上で、任意ディスカバリ サーバー ポインタを 5 つまで構成できます。これらのポインタを構成しておくと、Office 2003 Editions が新しいサービスの有無を頻繁にチェックし、管理者によってクライアントがどのように構成されているかに応じて、ユーザーに通知するか、または新しいサービスを自動的にインストールするようになります。詳細については、次の「サービスのインストール オプションの制御」を参照してください。

どのサービスをインストールするかをインフォメーション ワーカー自身に管理させるのであれば、管理者がこれ以上の構成を行う必要はありません。

サービスのインストール オプションの制御

管理者は、どのサービスを既定の設定でインストールするか、インフォメーション ワーカーがサービスを手動で追加できるようにするかどうか、内部の任意ディスカバリ サーバーへの接続を自動で行うかどうかを必要に応じて制御することができます。

まず、どのサービスを既定の設定でインストールするかを指定するには、サービスを定義する一連のキーを HKEY_LOCAL_MACHINE の下に作成します。HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\Common\Research\Sources\

には、初期状態ではキーが定義されていません。図 9 に示すように、それぞれが 1 つのサービスに対応する一連のキーを作成すると、Office 2003 Editions が最初にサービスをインストールするときの通常の手順がバイパスされます。具体的には、Office クライアントは、Microsoft のディスカバリ サーバーを参照して既定のサービスをインストールする代わりに、HKEY_LOCAL_MACHINE に書き込まれたこれらのキーを検出し、HKEY_CURRENT_USER にコピーします。その結果、管理者が指定したサービスがユーザーのコンピュータにインストールされます。このプロセスは、"プロパゲーション" と呼ばれます。

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図 9: ユーザーに対する HKEY_LOCAL_MACHINE キーのプロパゲーション

管理者がユーザー オプションをさらに制御するための付加的なレジストリ エントリがいくつかあります。既定の設定では存在しませんが、以下の 3 つのキーを使用できます。

  • NoAdd HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\common\Research\Options\NoAdd に作成できるキーです。

    このキーは、ブール値として機能する DWORD 値をとりますが、他の値も受け付けます。NoAdd の値を 1 に設定すると、以下の方法によるサービス追加だけが許可され、他の方法によるサービス追加はすべてブロックされるようになります。

    • HKLM から HKCU へのプロパゲーション

    • regedit を使った手作業による HKCU へのソース追加

    NoDiscovery HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\Common\Research\Options\NoDiscovery に作成できるキーです。

    このキーは、DWORD 値をとります。NoDiscovery の値を 1 に設定すると、Microsoft のディスカバリ サーバーも任意ディスカバリ サーバーも Office アプリケーションから参照されなくなります。

  • Discovery HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\11.0\Common\Research\Discovery に作成できるキーです。

    このキーにアドレスを指定すると、Office 2003 Editions アプリケーションが使用可能なサービスをそのアドレスに照会するようになります。前に述べたように、5 つまでのエントリを定義できます。構文は、以下のとおりです。

    • "DiscoveryPath1"="http://server1:82/discovery/discovery.asmx"

    • "DiscoveryPath2"="http://server2:82/discovery/discovery.asmx"

図 10 では、これらのキーが追加されており、NoAdd はオン、NoDiscovery はオフになっています。

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図 10: 追加されたキー

管理者は、これらのレジストリ設定を Office リソース キットで展開できるほか、手動またはバッチ ファイル経由でインストールすることもできます。

セキュリティ

リサーチの使用に関しては、特別なセキュリティ上の考慮事項は本質的にありません。登録されたサービスは、リサーチ スキーマが厳密に適用されたデータだけを転送するので、作業ウィンドウに表示される XML ストリームに悪意のあるコンテンツが含まれる危険性はほとんどありません。ただし、統合されたスマート タグの機能のインストール プログラムを応答に含めることが可能なので、署名付きのコードだけを許可することをお勧めします。

サービスによっては、認証が必要になることがあります。リサーチには、以下の認証モデルが用意されています。

  • Windows 認証 上記の例では、Contoso Pharmaceuticals 社内のサービスにインフォメーション ワーカーが接続しますが、そのような場合に Windows 認証を使用するとサービスへのアクセスを制御できます。

  • cookie のサポート

    • ブラウザから書き込まれた cookie を読み取ることができます。

    • ブラウザによって認識される cookie を書き込むことができます。

    • 永続的な cookie を Internet Explorer と共有します。

    • セッション cookie と永続的な cookie を共にサポートします。

「リサーチのアーキテクチャ」で述べたように通信は HTTP 上で行われますが、開発者が HTTPS を使用して接続をセキュリティ保護することも可能です。開発者は、すべての通信に HTTPS を使用するか、または、特定のアクション (フォームの送信など) にのみ HTTPS を使用するように指定できます。

まとめ

リサーチは、強力で拡張性に優れた情報収集用統合ソリューションです。今後、独自の社内サービスを構築する企業が増え、サブスクリプション サービスを構築するサード パーティが増えるにつれて、リサーチの威力がますます高まっていきます。

よく寄せられる質問

Office 2003 Editions のスマート ドキュメント機能とリサーチ機能の違いは

スマート ドキュメントは、Office 2003 Editions に搭載されている別の機能です。どちらの機能も、XML を使用してインフォメーション ワーカーに情報を提供します。機能上の大きな違いの 1 つとして、スマート ドキュメントはデータの操作 (データベースなどに対するデータの読み取りと保存の両方) により適しているのに対し、リサーチは情報収集により適していることが挙げられます。また、スマート ドキュメント ソリューションは特定のドキュメントに添付されますが、リサーチはどのドキュメントからも独立して動作します。

インターネットに接続されていない場合は
組み込みサービスのうち、Thesaurus サービスおよび Translation サービスの情報はクライアント上に保存されるので、インターネットに接続されていなくても使用できます。その他の組み込みサービスは、オフラインでは使用できません。サード パーティ サービスには、インターネットに接続されていない場合にデータをローカルに保存することが可能になっているものもあります。

組織全体に Office 2003 Editions を展開するときにサービスを既定のサービスだけに制限できますか
はい、できます。管理者がユーザーによるサービスの追加を禁止し、Office のサーバー側ソース (サード パーティ ソースを含む) を構成することが可能です。

追加情報

詳細については、https://www.microsoft.com/japan/office/ を参照してください。