宣言の一致
同じスコープ内で同じ名前の 2 つの関数宣言は、同じ関数またはオーバーロードされる 2 種類の関数を参照できます。 宣言の引数リストに (前のセクションで説明したように) 型が同じ引数が含まれている場合、関数宣言は同じ関数を参照しています。 それ以外の場合は、オーバーロードを使用して選択された 2 つの異なる関数を参照します。
クラス スコープは、厳密に遵守されます。このため、基底クラスで宣言された関数は、派生クラスで宣言された関数と同じスコープ内にありません。 派生クラスの関数が基底クラスの関数と同じ名前で宣言されると、オーバーロードが発生するのではなく、派生クラスの関数で基底クラスの関数が非表示になります。
ブロック スコープは、厳密に遵守されます。このため、ファイル スコープで宣言された関数は、ローカルで宣言された関数と同じスコープ内にありません。 ローカルで宣言された関数の名前がファイル スコープで宣言された関数と同じ場合、ローカルで宣言された関数では、オーバーロードが発生する代わりに、ファイル スコープ関数を非表示にします。 次に例を示します。
// declaration_matching1.cpp
// compile with: /EHsc
#include <iostream>
using namespace std;
void func( int i )
{
cout << "Called file-scoped func : " << i << endl;
}
void func( char *sz )
{
cout << "Called locally declared func : " << sz << endl;
}
int main()
{
// Declare func local to main.
extern void func( char *sz );
func( 3 ); // C2664 Error. func( int ) is hidden.
func( "s" );
}
前のコードは、関数 func からの 2 つの定義を示します。 char * 型の引数を受け受ける定義は、extern ステートメントのため、main にローカルです。 したがって、型 int の引数を受け取る定義は表示されず、func への最初の呼び出しはエラーになります。
オーバーロードされたメンバー関数の場合は、関数の各バージョンにそれぞれ異なるアクセス権限を与えることができます。 これらは、依然として外側のクラスのスコープ内にあると見なされます。このため、オーバーロードされた関数です。 Deposit メンバー関数をオーバーロードしている次のコードを考えます。1 つのバージョンはパブリック、もう 1 つのバージョンはプライベートです。
このサンプルの目的は、預金を実行するために正しいパスワードが必要となる Account クラスを提供することです。 これは、オーバーロードを使用して行われます。
Account::Deposit 内の Deposit への呼び出しで、プライベート メンバー関数が呼び出されることに注意してください。 Account::Deposit はメンバー関数であり、クラスのプライベート メンバーにアクセスできるため、この呼び出しは適切です。
// declaration_matching2.cpp
class Account
{
public:
Account()
{
}
double Deposit( double dAmount, char *szPassword );
private:
double Deposit( double dAmount )
{
return 0.0;
}
int Validate( char *szPassword )
{
return 0;
}
};
int main()
{
// Allocate a new object of type Account.
Account *pAcct = new Account;
// Deposit $57.22. Error: calls a private function.
// pAcct->Deposit( 57.22 );
// Deposit $57.22 and supply a password. OK: calls a
// public function.
pAcct->Deposit( 52.77, "pswd" );
}
double Account::Deposit( double dAmount, char *szPassword )
{
if ( Validate( szPassword ) )
return Deposit( dAmount );
else
return 0.0;
}