about_path_syntax
トピック
about_Path_Syntax
簡易説明
Windows PowerShell における完全パス名形式と相対パス名形式について説明します。
詳細説明
Windows PowerShell プロバイダーを介してアクセスできるデータ ストア内の
すべての項目は、そのパス名によって一意に識別できます。パス名は、項目名、
項目が配置されているコンテナーとサブコンテナー、およびコンテナーに
アクセスするための Windows PowerShell ドライブを組み合わせたものです。
Windows PowerShell では、パス名は、完全修飾パス名と相対パス名のいずれかに
分けられます。完全修飾パス名は、パスを形成するすべての要素で構成されます。
次の構文は、完全修飾パス名の構成要素を示しています。
[<provider>::]<drive>:[\<container>[\<subcontainer>...]]\<item>
<provider> プレースホルダーには、データ ストアにアクセスするための
Windows PowerShell プロバイダーを指定します。たとえば、FileSystem
プロバイダーを使用すると、コンピューター上のファイルとディレクトリに
アクセスできます。ドライブ名はすべてのプロバイダーを通じて一意なので、
この構文要素は省略可能であり、必須ではありません。
<drive> プレースホルダーには、特定の Windows PowerShell プロバイダーで
サポートされている Windows PowerShell ドライブを指定します。FileSystem
プロバイダーの場合、Windows PowerShell ドライブは、システム上に構成されている
Windows ドライブにマップされます。たとえば、システムに A: ドライブと
C: ドライブがある場合、FileSystem プロバイダーによって Windows PowerShell
に同じドライブが作成されます。
ドライブを指定した後、項目を含むすべてのコンテナーとサブコンテナーを指定
する必要があります。コンテナーは、データ ストア内での階層順に指定する必要
があります。つまり、最初に親コンテナーを指定し、その後で、その親に含まれる
子コンテナーを指定します。さらに、各コンテナーの前にバックスラッシュを付ける必要
があります (Windows PowerShell では、他の PowerShell との互換性を保つために
スラッシュを使用できます)。
コンテナーとサブコンテナーを指定したら、バックスラッシュで始まる項目名を指定します。
たとえば、C:\Windows\System32 ディレクトリにある Shell.dll の完全修飾パス名は次の
ようになります。
C:\Windows\System32\Shell.dll
この場合、コンテナーにアクセスするためのドライブが C: ドライブ、トップレベル
コンテナーが Windows、サブコンテナーが System32 (Windows コンテナー内部に配置
されています) であり、項目が Shell.dll となります。
場合によっては、完全修飾パス名を指定する代わりに、相対パス名を使用できます。
相対パス名は、現在の作業場所を基準にします。Windows PowerShell では、現在の
作業場所を基準とする相対的な場所を使用して、項目を特定できます。相対パス名は、
特殊文字を使用して指定できます。次の表に、特殊文字の説明、および相対パス名と
完全修飾パス名の例を示します。表に挙げる例は、現在の作業ディレクトリ
(C:\Windows) を基準にしています。
記号 説明 相対パス 完全修飾パス
------ -------------------------- ---------------- ------------------
. 現在の作業場所 .\System c:\Windows\System
.. 現在の作業場所の親 ..\Program Files c:\Program Files
\ 現在の作業場所の \Program Files c:\Program Files
ドライブ ルート
[none]特殊文字なしSystemc:\Windows\System
コマンド内でパス名を使用する場合は、完全修飾パス名または相対パス名を使用
する場合と同様にその名前を入力します。たとえば、現在の作業ディレクトリが
C:\Windows であるとします。次の Get-ChildItem コマンドは、C:\Techdocs
ディレクトリ内のすべての項目を取得します。
Get-ChildItem \techdocs
バックスラッシュは、現在の作業場所のドライブ ルートを使用することを示しています。
作業ディレクトリは C:\Windows なので、ドライブ ルートは C: ドライブです。techdocs
ディレクトリはルートの直下に配置されているので、バックスラッシュを指定するだけで済みます。
次のコマンドを使用しても同じ結果が得られます。
Get-ChildItem c:\techdocs
完全修飾パス名と相対パス名のどちらを使用している場合でも、パス名は重要です。
これは、パス名によって、項目を特定できるだけでなく、項目が別のコンテナー内の
項目と同じ名前を共有している場合でも、その項目を一意に識別できるためです。
たとえば、Results.txt という名前のファイルが 2 つ存在するとします。最初のファイルは
C:\Techdocs\Jan という名前のディレクトリにあり、2 番目のファイルは C:\Techdocs\Feb
という名前のディレクトリにあります。最初のファイルのパス名 (C:\Techdocs\Jan\Results.txt)
と 2 番目のファイルのパス名 (C:\Techdocs\Feb\Results.txt) によって、この 2 つのファイルを
明確に区別できます。
関連項目
about_Locations