about_Commonparameters
トピック
about_CommonParameters
簡易説明
すべてのコマンドレットで使用できるパラメーターについて説明します。
詳細説明
共通パラメーターは、すべてのコマンドレットで使用することができるコマンドレット パラメーター
のセットです。共通パラメーターは、コマンドレットの開発者が実装するのではなく、Windows
PowerShell によって実装され、自動的にすべてのコマンドレットで使用できるようになります。
共通パラメーターはどのコマンドレットでも使用できますが、一部のコマンドレットに対しては効力がない
場合があります。たとえば、コマンドレットが詳細出力を生成しない場合、Verbose 共通パラメーターを
使用しても効力はありません。
いくつかの共通パラメーターは、Windows PowerShell のユーザー設定変数を使用して設定するシステ
ムの既定値またはユーザー設定をオーバーライドします。ユーザー設定変数とは異なり、共通パラメー
ターは、共通パラメーターが使用されているコマンドにのみ影響します。
共通パラメーターに加えて、多くのコマンドレットでは WhatIf と Confirm というリスク軽減パラメ
ーターを使用できます。システムまたはユーザー データのリスクに関連するコマンドレットでは、通
常これらのパラメーターを使用できます。
共通パラメーターには、以下のものがあります。
-Verbose
-Debug
-WarningAction
-WarningVariable
-ErrorAction
-ErrorVariable
-OutVariable
-OutBuffer
リスク軽減パラメーターには、次のものがあります。
-WhatIf
-Confirm
ユーザー設定変数の詳細については、次のように入力してください。
help about_preference_variables
共通パラメーターの説明
-Verbose[:{$true | $false}]
コマンドによって実行される操作の詳細情報を表示します。この情報は、トレースやトランザク
ション ログの情報に似ています。このパラメーターは、コマンドが詳細メッセージを生成する場
合にのみ有効です。たとえば、このパラメーターはコマンドに Write-Verbose コマンドレットが
含まれている場合に有効になります。
Verbose パラメーターは、現在のコマンドの $VerbosePreference 変数の値をオーバーライドし
ます。$VerbosePreference 変数の既定値が SilentlyContinue であるため、既定では詳細メッセ
ージは表示されません。
有効な値は次のとおりです。
$true (-Verbose:$true) の場合は、-Verbose と同じ結果になります。
$false (-Verbose:$false) の場合は、詳細メッセージの表示が抑止されます。
$VerbosePreference の値が SilentlyContinue (既定値) ではない場合に、このパラメー
ターを使用します。
-Debug[:{$true | $false}]
コマンドによって実行される操作のプログラマ レベルの詳細情報を表示します。このパラメー
ターは、コマンドがデバッグ メッセージを生成する場合にのみ有効です。たとえば、このパラメ
ーターはコマンドに Write-Debug コマンドレットが含まれている場合に有効になります。
Debug パラメーターは、現在のコマンドの $DebugPreference 変数の値をオーバーライドしま
す。$DebugPreference 変数の既定値が SilentlyContinue であるため、既定ではデバッグ
メッセージは表示されません。
有効な値は次のとおりです。
$true (-Debug:$true)。-Debug と同じ結果になります。
$false (-Debug:$false)。$DebugPreference の値が
SilentlyContinue (既定値) でない場合に、デバッグ メッセージの表示を抑止します。
-WarningAction[:{SilentlyContinue | Continue | Inquire | Stop}]
コマンドレットがコマンドからの警告に応答する方法を決定します。
既定値は "Continue" です。このパラメーターは、コマンドが警告メッセージを生成する場合
にのみ有効です。たとえば、このパラメーターはコマンドに Write-Warning コマンドレットが含
まれている場合に有効になります。
WarningAction パラメーターは、現在のコマンドの $WarningPreference 変数の値をオ
ーバーライドします。$WarningPreference 変数の既定値が Continue であるため、警告が
表示され、WarningAction パラメーターを使用しない限り実行が継続されます。
有効な値は次のとおりです。
SilentlyContinue。警告メッセージが表示されないようにし、コマンドの実行を継続します。
Continue。警告メッセージを表示し、コマンドの実行を継続します。既定値は
"Continue" です。
Inquire。警告メッセージを表示し、実行を継続する前に確認メッセージを表示します。この値を使用するのはまれです。
Stop。警告メッセージを表示し、コマンドの実行を停止します。
-WarningVariable [+]<variable-name>
指定された変数のコマンドに関する警告を格納します。
変数の内容に警告を追加するには、既に格納されている警告があっても置き換えず、変数名の前
にプラス記号 (+) を入力します。
たとえば、次のコマンドは変数 $a を作成し、その変数に任意の警告を格納します。
get-process -id 6 -WarningVariable a
次のコマンドは、任意の警告を変数 $a に追加します。
get-process -id 2 -WarningVariable +a
次のコマンドは $a の内容を表示します。
$a
このパラメーターを使用して、特定のコマンドからの警告のみを格納する変数を作成できます。
$a[0] や $warning[1,2] などの配列表記を使用して、変数に格納されている特定の警告を参
照できます。
-ErrorAction[:{SilentlyContinue | Continue | Inquire | Stop)]
コマンドレットがコマンドからの未終了エラーに応答する方法を決定します。このパラメーター
は、コマンドがデバッグ メッセージを生成する場合にのみ有効です。たとえば、このパラメータ
ーはコマンドに Write-Error コマンドレットが含まれている場合に有効になります。
ErrorAction パラメーターは、現在のコマンドの $ErrorActionPreference 変数の値を
オーバーライドします。$ErrorActionPreference 変数の既定値は Continue であるため、
エラー メッセージが表示され、ErrorAction パラメーターを使用しない限り実行が継続さ
れます。
ErrorAction パラメーターは、コマンドの正常な完了を妨げるような終了エラー (データが
見つからない、パラメーターが無効である、十分なアクセス許可がないなど) には効力があり
ません。
有効な値は次のとおりです。
SilentlyContinue。エラー メッセージが表示されないようにし、コマンドの実行を継
続します。
Continue。エラー メッセージを表示し、コマンドの実行を継続します。既定値は
"Continue" です。
Inquire。エラー メッセージを表示し、実行を継続する前に確認メッセージを表示しま
す。この値を使用するのはまれです。
Stop。エラー メッセージを表示し、コマンドの実行を停止します。
-ErrorVariable [+]<variable-name>
コマンドに関するエラー メッセージを指定された変数および $Error 自動変数に格納しま
す。詳細については、次のコマンドを入力してください。
get-help about_automatic_variables
既定では、変数に既に格納されているエラー メッセージが新しいエラー メッセージに上書きさ
れます。変数の内容にエラー メッセージを追加するには、変数名の前にプラス記号 (+) を入力
します。
たとえば、次のコマンドは変数 $a を作成し、その変数に任意のエラーを格納します。
get-process -id 6 -ErrorVariable a
次のコマンドは、任意のエラー メッセージを変数 $a に追加します。
get-process -id 2 -ErrorVariable +a
次のコマンドは $a の内容を表示します。
$a
このパラメーターを使用して、特定のコマンドからのエラー メッセージのみを格納する変数を
作成できます。$Error 自動変数には、セッション内のすべてのコマンドによるエラー メッセー
ジが格納されます。
$a[0] や $error [1,2] などの配列表記を使用して、変数に格納されている特定のエラーを
参照できます。
-OutVariable [+]<variable-name>
コマンドからの出力オブジェクトを指定された変数に格納し、コマンド ラインに表示します。
変数に出力を追加するには、既に保存されている出力があっても置き換えず、変数名の前にプラ
ス記号 (+) を入力します。
たとえば、次のコマンドは変数 $out を作成し、その変数にプロセス オブジェクトを格納します。
get-process powershell -OutVariable out
次のコマンドは、プロセス オブジェクトを変数 $out に追加します。
get-process iexplore -OutVariable +out
次のコマンドは、変数 $out の内容を表示します。
$out
-OutBuffer <Int32>
パイプライン経由でオブジェクトが送信されるまでにバッファーに蓄積するオブジェクト数を決定します。
このパラメーターを省略した場合、オブジェクトは生成されると同時に送信されます。
このリソース管理パラメーターは、詳しい知識のあるユーザー向けに設計されています。
このパラメーターを使用すると、Windows PowerShell で、生成されるオブジェクト数が
OutBuffer で指定した数より 1 つ多くなるまでパイプラインにある次のコマンドレットは呼び出さ
れません。したがって、すべてのオブジェクトが生成されてから同時に送信されます。
リスク管理パラメーターの説明
-WhatIf[:{$true | $false}]
コマンドを実行する代わりに、コマンドの結果を説明するメッセージを表示します。
WhatIf パラメーターは、現在のコマンドの $WhatIfPreference 変数の値をオーバーライドしま
す。$WhatIfPreference 変数の既定値は 0 (無効) であるため、WhatIf の動作は WhatIf パラ
メーターなしでは実行されません。詳細については、次のコマンドを入力してください。
get-help about_preference_variables
有効な値は次のとおりです。
$true (-WhatIf:$true)。-WhatIf と同じ結果になります。
$false (-WhatIf:$false)。$WhatIfPreference 変数の値が 1
であった場合に発生する自動的な WhatIf の動作を抑止します。
たとえば、次のコマンドは Remove-Item コマンドの WhatIf パラメーターを使用します。
PS> remove-item date.csv -whatif
項目を削除する代わりに、Windows PowerShell は実行する操作および影響を受ける項目を一覧表
示します。このコマンドの出力は次のようになります。
WhatIf: 対象 "C:\ps-test\date.csv" に対して操作 "ファイルの削除" を実行してい
ます。
-Confirm[:{$true | $false}]
コマンドを実行する前に確認メッセージを表示します。
Confirm パラメーターは、現在のコマンドの $ConfirmPreference 変数の値をオーバーライドしま
す。既定値は High です。詳細については、次のコマンドを入力してください。
get-help about_preference_variables
有効な値は次のとおりです。
$true (-WhatIf:$true)。-Confirm と同じ結果になります。
$false(-Confirm:$false)。$ConfirmPreference の値がコマンドレット
の推定リスク以下であった場合に表示される自動確認メッセージを抑止します。
たとえば、次のコマンドは Remove-Item コマンドで Confirm パラメーターを使用していま
す。Windows PowerShell は、項目を削除する前に、実行する操作および影響を受ける項目を一覧
表示し、承認するよう求めます。
PS C:\ps-test> remove-item tmp*.txt -confirm
このコマンドの出力は次のようになります。
確認
この操作を実行しますか?
対象 "C:\ps-test\tmp1.txt" に対して操作 "ファイルの削除" を実行しています。
[Y] はい [A] すべて続行 [N] いいえ [L] すべて無視 [S] 中断[?] ヘルプ (既定値は "Y"):
関連項目
about_Preference_Variables
Write-Debug
Write-Warning
Write-Error
Write-Verbose