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Differential SFT ファイルを使用する方法

アプリケーションをシーケンス処理するとき、Microsoft Application Virtualization (App-V) Sequencer が、すべての仮想アプリケーションのファイル コンテンツおよび構成情報を格納するために SFT ファイル (.sft) を作成します。App-V のバージョン 4.5 では、Differential SFT (.dsft) ファイルが導入されています。Sequencer を使用して既存のパッケージにアップグレードを作成後、このファイルの生成を選択して、元のシーケンスされたアプリケーション パッケージと新しいバージョンの差分のみを格納できます。したがって、新しいバージョンのアプリケーション用には完全な SFT ファイルよりも容量が非常に小さくなり、低帯域幅のネットワーク接続経由でパッケージの更新を送信する場合の影響が小さくて済みます。しかしこの使用がサポートされるのは、特定の限定された状況に限られます。この機能は、ローカル ファイル サーバーを使用して低帯域幅接続経由でユーザーグループを管理するために電子ソフトウェア配布 (ESD) システムを使用し、App-V ストリーミング サーバーを使用しない状況での利用を特に想定しています。

Configuration Manager 2007 を使用してユーザーを管理している場合には Differential SFT ファイルを使用する必要はありません。なぜなら、Configuration Manager には低帯域幅による展開のサポートがすでに組み込まれているためです。アクティブ アップグレードを伴う Application Virtualization (App-V) Management Server または Streaming Server を使用している場合も、クライアントが新旧パッケージ バージョンの差分のみを読み込むため、Differential SFT ファイルは必要ありません。

次の手順は、仮想アプリケーション パッケージのアップグレード後に、Sequencer のインストールに含まれている mkdiffpkg.exe を使用して Differential SFT ファイルを作成し、Differential SFT ファイルを展開する方法を説明します。この手順を完了することで、何らかの理由でパッケージがクライアント コンピュータからアンロードされた場合、次回ユーザーがアプリケーションの実行を試みたときに、ローカルのファイル共有から完全パッケージの V2.sft をストリームするように設定された上書き URL にクライアントを確実にフォールバックさせることができます。これにより、ユーザーがアプリケーションを起動するときの失敗を防ぐことができます。クライアント全体が破損またはアンインストールされた場合、アップグレードされたパッケージ V2.sft の完全バージョンがクライアントに展開されるように、ESD システムを構成することをお勧めします。

パッケージのアップグレードの詳細については、App-V 4.5 操作ガイドの「既存の仮想アプリケーションをアップグレードする方法」をhttps://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=133129で参照してください。

注意

前提条件として、ESD の対象となっているすべてのユーザー コンピューターでローカル キャッシュに V1.sft が完全に読み込みされており、すべてのコンピュータでファイルのストリーミングが有効にされている必要があります。

Differential SFT ファイルを使用するには

  1. 管理者権限のあるアカウントを使用して Sequencer コンピュータにログオンします。 Sequencer でアップグレードする元のパッケージ (V1) を開き、パッケージを新しいバージョン (V2) にアップグレードして、新しい V2.sft として保存します。

  2. App-V 4.5 Sequencer インストール フォルダでコマンド ウィンドウを開いて、次のコマンドを実行します。

    “mkdiffpkg.exe V2.sft V2.dsft”

  3. ESD システムまたは他のファイル コピー方法で、接続状態の良いネットワーク上のユーザー コンピュータでアクセス可能なローカルのファイル共有へ、完全な V2 パッケージ コンテンツ ファイル V2.sft をコピーします。

  4. ESD システムを使用して、Differential SFT ファイル V2.dsft のコピーを各ユーザー コンピュータに配置します。

  5. V2.dsft ファイルをインポートするには、各ユーザー コンピュータで次の SFTMIME コマンドを実行します。

    “SFTMIME load package:<パッケージ名> /SFTPATH <V2.dsft へのパス>”

  6. 各ユーザー コンピュータで次の SFTMIME コマンドを実行して、上書き URL を V2.sft ファイルにポイントするように設定します。

    “SFTMIME configure package:<パッケージ名> /OverrideURL FILE://<V2.sft へのネットワーク パス>”

注意

  • Differential SFT ファイルは正しい順序でクライアントに適用する必要があります。たとえば、V3.dsft よりも前に V2.dsft を V1 アプリケーションに適用しなければなりません。

  • Sequencer のMicrosoft Windows インストーラ (MSI) パッケージを生成する機能は、 Differential SFT ファイルと一緒には使用できません。

参照:

その他のリソース

App-V Sequencer を使用して仮想アプリケーションを作成またはアップグレードする方法

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