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UML モデルの標準ステレオタイプ

Visual Studio Ultimate では、UML モデル要素にステレオタイプを追加することにより、ユーザーまたはコンピューターが参照できる補足的な情報を提供できます。ステレオタイプはプロファイルで定義され、プロファイルごとに一連のステレオタイプがあります。Visual Studio Ultimate にはいくつかのプロファイルが用意されています。

独自のステレオタイプを格納する独自のプロファイルを定義することもできます。 詳細については、「方法: プロファイルを定義して UML を拡張する」を参照してください。

標準プロファイル

次のプロファイルは、Visual Studio Ultimate をインストールするとすぐに使用できます。

Profile

目的

UML 標準プロファイル L2

要素または関係に関する補足的な情報を追加するときに使用する標準的なステレオタイプが含まれています。

UML 標準プロファイル L3

要素または関係に関する補足的な情報を追加するときに使用する標準的なステレオタイプが含まれています。

C# プロファイル

必要に応じて、C# プロファイルのいずれかのステレオタイプを適用することによって、UML モデル内のクラスまたはその他の要素がプログラム コードであることを表すことができます。

また、これらのステレオタイプによって、モデル要素にプロパティが追加されます。

新しい UML モデルを生成すると、そのモデルには、UML 標準プロファイル L2 および L3 がリンクされます (リンクを削除しない限り)。

これらのプロファイルのいずれかに含まれるステレオタイプを使用するには、まず、ステレオタイプを適用する要素が含まれているパッケージまたはモデルに目的のプロファイルをリンクする必要があります。

プロファイルをモデルまたはパッケージにリンクするには

  1. UML モデル エクスプローラーを開きます。 [アーキテクチャ] メニューの [ウィンドウ] をポイントし、[UML モデル エクスプローラー] をクリックします。

  2. プロファイル内のステレオタイプを適用するすべての要素が含まれているパッケージまたはモデルを探します。

  3. そのパッケージまたはモデルを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. プロパティ ウィンドウの [プロファイル] プロパティを目的のプロファイルに設定します。

プロファイルとモデルの間またはプロファイルとパッケージの間のリンクを削除するには

  1. UML モデル エクスプローラーで、モデルまたはパッケージを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  2. プロパティ ウィンドウで、[プロファイル] プロパティを空に設定します。

    注意

    プロファイルのリンクを解除できるのは、そのプロファイルのステレオタイプがモデルまたはパッケージ内のいずれの要素にも使用されていない場合だけです。

ステレオタイプをモデル要素に適用するには

  1. 図または UML モデル エクスプローラーで、モデル要素を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  2. [ステレオタイプ] プロパティをクリックし、適用するステレオタイプを選択します。

    選択したステレオタイプが << >> に囲まれてモデル要素内に表示されます (要素の種類によっては例外もあります)。

    注意

    [ステレオタイプ] プロパティが表示されない場合、または必要なステレオタイプが表示されない場合には、適切なプロファイルとリンクされているパッケージまたはモデルの中にモデル要素が置かれていることを確認してください。

  3. 一部のステレオタイプでは、モデル要素のその他のプロパティの値も設定できます。 そのようなプロパティを表示するには、[ステレオタイプ] プロパティを展開してください。

UML 標準プロファイル L2

プロファイルとモデルの間のリンクが削除されていない限り、以下のステレオタイプを使用して、UML モデル要素に特殊な意味を持たせることができます。

これらのステレオタイプの厳密な意味は、各自のローカルな規則、およびモデルに使用するツールによって決まります。

ステレオタイプ

対象

説明

auxiliary

Class

別のクラスを (通常は追加のロジックを実装することによって) サポートするクラスです。 他方のクラスには «focus» というステレオタイプを割り当てることもできます。

call

依存関係

クライアント クラスがサプライヤーの操作を呼び出します。

create

依存関係

クライアント クラスがサプライヤーのインスタンスを生成します。

create

Message

送信者が受信者を生成します。

create

演算

この操作はコンストラクターです。

derive

依存関係

クライアント要素の全体または一部がサプライヤーから計算されます。

destroy

演算

操作がそのインスタンスを破棄します。

document

成果物

«file» はソースでも実行可能ファイルでもありません。

entity

コンポーネント

コンポーネントがビジネスの概念を表します。

実行可能ファイル

成果物

実行可能な «file» です。

file

成果物

物理ファイルです。

focus

Class

複数の «auxiliary» クラスによってサポートされているコアのビジネス ロジックを定義するクラスです。

framework

Package

このパッケージが再利用可能な設計パターンを定義します。

implement

コンポーネント

«specification» の実装です。

implementationClass

Class

クラスは実装を表し、実行時のインスタンスにはそれぞれ決まった実装クラスが 1 つあります。 «type» とは対照的なステレオタイプです。

instantiate

依存関係

クライアントがサプライヤーのインスタンスを生成します。

library

成果物

ライブラリの «file» です。

metaclass

Class

このクラスのインスタンスもクラスです。

modelLibrary

Package

インポートするパッケージにより再利用されることを目的としたモデル要素を含んでいます。 通常は、プロファイルの一部として定義され、プロファイルのアプリケーションによって自動的にインポートされます。

process

コンポーネント

トランザクション ベースのコンポーネントまたはスレッドを持つコンポーネントです。

realization

Class、Interface、Component

実装について説明します。

refine

依存関係

クライアント クラス、コンポーネント、またはパッケージが仕様または設計についてサプライヤーよりも多くの情報を提供します。

responsibility

依存関係

Dependency のサプライヤー側の Comment がクライアント クラスまたはコンポーネントの役割を定義します。

script

成果物

インタープリターが解釈できる «file» です。

send

依存関係

ソースの Operation がターゲットの Signal を送信します。

service

コンポーネント

ステートレスのコンポーネントです。

source

成果物

コンパイルできる «file» です。

specification

Class、Interface、Component

コンポーネントまたはオブジェクトが内部でどのように機能するかを定義せずにその振る舞いを定義します。

subsystem

コンポーネント

大規模なシステムのパートです。 ユース ケース図のサブシステムは、subsystem ステレオタイプを持つコンポーネントです。

trace

依存関係

クライアント要素がサプライヤーを実現する設計の一部を形成します。 通常、この依存関係の両端はそれぞれ異なるモデルです。 一方のモデルがもう一方のモデルの実現 (realization) になります。

type

Class

オブジェクトがどのように実装されるかは明示せずにその振る舞いのみを指定します。 その仕様に準拠しているオブジェクトは型のメンバーです。

utility

Class

静的関数のコレクションです。 このクラスのインスタンスはありません。

UML 標準プロファイル L3

プロファイルとモデルの間のリンクが解除されていない限り、以下のステレオタイプを使用して、UML モデル要素に特殊な意味を持たせることができます。

これらのステレオタイプの厳密な意味は、各自のローカルな規則、およびモデルに使用するツールによって決まります。

ステレオタイプ

対象

Description

buildComponent

コンポーネント

ビルドの定義に使用される要素のコレクションです。

metaModel

モデル

モデリング言語 (UML のバリアントなど) またはドメイン固有言語を定義します。

systemModel

モデル

同じシステムに適用されるモデルのコレクションであるモデルを表します (仕様、実現、モデル間の関係の追跡など)。

C# プロファイル

このプロファイルで定義されているステレオタイプを使用すると、モデル要素がプログラム コードへの変換に使用されることを目的としていることを指定できます。 それぞれのステレオタイプは、対象のモデル要素に設定できる追加のプロパティを定義します。

これらのステレオタイプを利用できるようにするには、モデルまたはパッケージを C# プロファイルにリンクします。 次に、そのモデルまたはパッケージ内のモデル要素にステレオタイプを適用します。

利用できるステレオタイプ、それを適用する要素、およびそれによって利用できるようになる追加のプロパティの概要を次の表に示します。

ステレオタイプ

対象

プロパティ

C# Class

UML Class

コンポーネント

ClrAttributes

Is Partial

Is Sealed

Is Static

Is Unsafe

Package Visibility

C# struct

UML Class

コンポーネント

ClrAttributes

Is Partial

Is Unsafe

Package Visibility

C# global members

UML Class

コンポーネント

ClrAttributes

C# Interface

UML Interface

ClrAttributes

Is Partial

Package Visibility

C# enum

UML Enumeration

ClrAttributes

Base Type

C# namespace

UML Package

ClrAttributes

Base Name

Using Namespaces

参照

処理手順

方法: モデル要素にステレオタイプを追加する

概念

方法: プロファイルを定義して UML を拡張する

その他の技術情報

プロファイルとステレオタイプを使用したモデルのカスタマイズ