Live Smooth Streaming for IIS 7.0 - 公開ポイントの作成と管理
作成者 :John Bocharov
発行日 : 2009 年 3 月 20 日 (作業者 : jboch(英語))
更新日 : 2009 年 5 月 12 日 (作業者 : jboch(英語))
このチュートリアルでは、さまざまな Live Smooth Streaming シナリオ用に公開ポイントを構成する方法を説明します。
- 要件
- Live Smooth Streaming シナリオ
- 公開ポイントの作成
- 公開ポイントのオプションについて
- 公開ポイントの状態について
- 公開ポイントの状態の表示
要件
- このチュートリアルでは、インターネット インフォメーション サービス (IIS) 7.0 (英語) を実行している Web サーバー上に、IIS Live Smooth Streaming - Beta をインストール済みであり、サンプル ファイルとサンプル コンテンツを展開済みであることを前提としています。この構成のセットアップに関する詳細については、「Live Smooth Streaming for IIS 7.0 - はじめに」を参照してください。
- このチュートリアルでは、サンプル ファイルの推奨インストール ディレクトリとして C:\inetpub\wwwroot\Big Buck Bunny を使用します。異なるディレクトリにコンポーネントをインストールする場合、このチュートリアルの各例では、そのディレクトリ パスを代わりに使用してください。
- Web ブラウザーでコンテンツを再生するには、Microsoft Silverlight (英語) が必要です。
Live Smooth Streaming シナリオ
IIS マネージャーで Live Smooth Streaming 公開ポイントを作成する際には、次のライブ メディア配信シナリオをサポートするさまざまなオプションから選択できます。
- ライブ プレゼンテーションを顧客に直接配信する。
- ライブ プレゼンテーションを別の Web サーバーにシンジケート配信する。
- ライブ プレゼンテーションを顧客に直接配信すると同時に、別の Web サーバーにもシンジケート配信する。
- 別の Web サーバーからシンジケート配信されたプレゼンテーションを顧客に配信する。
公開ポイントの作成
IIS マネージャーで Live Smooth Streaming 公開ポインを作成するには、次の手順を実行します。
- [接続] ウィンドウで、Web サイトまたは仮想ディレクトリを選択します。
- ホーム ページで、[Media Services] の下の [Live Smooth Streaming Publishing Points] をダブルクリックします。
- [操作]ウィンドウで、[追加] をクリックして [公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスを開きます。
[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで使用できるオプションの詳細については、「公開ポイントのオプションについて」を参照してください。選択可能な公開ポイント オプションの組み合わせは、Live Smooth Streaming シナリオによって異なります。
メモ : Live Smooth Streaming 用のアプリケーション プールがワーカー プロセスのリサイクルを使用するように構成されている場合は、機能を開いたときに [操作] ウィンドウの上に次の警告が表示されることがあります。
Live Smooth Streaming でライブ プレゼンテーションを途切れなく再生することを保証するためには、ワーカー プロセスのリサイクルを無効にしておく必要があります。同じアプリケーション プールで実行されている他のアプリケーションが、正しく機能するためにワーカー プロセスのリサイクルを必要としている場合は、公開ポイントを作成する前に、Live Smooth Streaming で使用する Web サイトまたは仮想ディレクトリ用に別のアプリケーション プールを作成することを強くお勧めします。
現在のアプリケーション プールでワーカー プロセスのリサイクルを無効にするには、警告文をクリックしてから、次のメッセージで [OK] をクリックします。
公開ポイントのオプションについて
公開ポイントのオプションの構成内容は、実装しようとしている Live Smooth Streaming シナリオによって異なります。このセクションでは、[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで使用できるオプションについて説明します。また、以降のセクションでは、各シナリオで選択する必要のあるオプションについて説明します。
[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックス
コントロールの説明
- ファイル名 : 公開ポイントの希望の名前を入力します。
- Title : 公開ポイントの表示名を入力します。
- Estimated duration : イベントの推定の継続時間を「時間:分:秒」という形式で入力します。ライブ ストリームの継続時間がわかっている場合は、この値を入力することで、クライアントは [Seek] バーのサイズをコンテンツの長さに合わせて調整できます。
- Live source type : ライブ ストリームのソースを選択します。プッシュ エンコーダーは、エンコードされたライブ ストリーム データを Web サーバーに送信します。Web サーバーは、エンコードされたライブ ストリーム データをプル エンコーダーに対して要求することで、このデータを取得します。
- Archive media : ユーザー向けの DVR 機能を有効にします。
- Publish media fragments : ユーザー公開を有効にします。
- Publish media streams : シンジケート配信を有効にします。
メモ : IIS Live Smooth Streaming - Beta の既知の問題のために、サンプル クライアントは [Estimated duration] に入力された値を無視します。
ユーザーへの直接配信
作成する公開ポイントの目的が、ライブ プレゼンテーションをユーザーに直接配信することである場合は、[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで次のオプションの値を選択または指定してください。
- ファイル名
- Title
- Estimated duration
- Live source type : [Push Encoder] を選択します。
- Archive media
- Publish media fragments
別の Web サーバーへのシンジケート配信
作成する公開ポイントの目的が、ライブ プレゼンテーションを別の Web サーバーにシンジケート配信することである場合は、[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで次のオプションの値を選択または指定してください。
- ファイル名
- Title
- Estimated duration
- Live source type : [Push Encoder] を選択します。
- Archive media
- Publish media streams
ユーザーへの直接配信と別の Web サーバーへのシンジケート配信
作成する公開ポイントの目的が、ライブ プレゼンテーションをユーザーに直接配信し、同時に別の Web サーバーにシンジケート配信することである場合は、[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで次のオプションの値を選択または指定してください。
- ファイル名
- Title
- Estimated duration
- Live source type : [Push Encoder] を選択します。
- Archive media
- Publish media fragments
- Publish media streams
別の Web サーバーからシンジケート配信されたプレゼンテーションの配信
メモ : このリリースの Live Smooth Streaming では、再シンジケート配信はサポートされていません。Live Smooth Streaming - Beta で "再シンジケート配信用の公開ポイント" を構成する場合は、テストのみを目的にしてください。
作成する公開ポイントの目的が、別の Web サーバーから提供されたライブ プレゼンテーションをシンジケート配信し、それをユーザーに直接配信することである場合は、[公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスで次のオプションの値を選択または指定してください。
ファイル名
Title
Estimated duration : 既定値の「00:00:00」のままにしてください。
Live source type : [Pull Encoder] を選択します。このライブ ソース タイプの構成の詳細については、後述の「プル エンコーダーの URL の指定」を参照してください。
Publish media fragments
プル エンコーダーの URL の指定
[Live source type] オプションで [Pull encoder] を選択すると、次の図のように、プル エンコーダーの URL (このサーバーがコンテンツを要求する対象となる Web サーバーの URL) を指定するための追加のコントロールが [公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスに表示されます。
プル エンコーダーの URL を指定するには、次の手順を実行します。
- [追加] をクリックします。
- [Add Pull Encoder URLs] ダイアログ ボックスで、[Title] にシンジケート配信元の Web サーバーを識別しやすいタイトルを入力し (次に示す例では「Origin」というタイトルを使用しています)、[Primary encoder URL] にコンテンツの取得先となるシンジケート配信元の Web サーバー上の公開ポイントの URL を入力します。
- [OK] をクリックします。指定したプル エンコーダーの URL が [公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスに追加されます。
- [OK] をクリックします。再シンジケート配信用の公開ポイントが [Live Smooth Streaming Publishing Points] ページに追加されます。
公開ポイントの状態について
すべての公開ポイントは、作成されたときにはシャットダウン状態です。存続期間中には一連の共通する状態に移行してから、シャットダウン状態に戻ります。公開ポイントは、存続期間中に次の状態に順番に移行します。
- シャットダウン : この公開ポイントはデータを送受信できません。
- 開始中 : この公開ポイントはデータの受信を開始する準備ができています。
- ライブ : この公開ポイントはライブ ストリームを取得および配信しています。
- DVR のみ : この公開ポイントはライブ データを受信していませんが、DVR 要求の処理は継続しています。
- シャットダウン : この公開ポイントは上記のサイクルを繰り返す準備ができています。
ここでは、公開ポイントの状態、各状態で許可されている移行先、および状態の移行がどのように生じるかを説明します。一部の移行は、エンコーダー接続の確立や切断などの外部イベントが原因で発生します。
シャットダウン
この状態の公開ポイントは、エンコーダーからデータを受信できません。この状態の公開ポイントを開始するには、その公開ポイントを選択してから、[操作] ウィンドウで [公開ポイントの開始] リンクをクリックします。
公開ポイントは [開始中] 状態に移行します。
開始中
この状態の公開ポイントは、エンコーダーからコンテンツを受信する準備ができています。エンコーダーがこの公開ポイントに接続すると、この公開ポイントは [ライブ] 状態に自動的に移行します。IIS Live Smooth Streaming - Beta のスターター キット (英語)に 含まれる pushencoder32.exe (32 ビット版 Windows 用) または pushencoder64.exe (64 ビット版 Windows 用) というシミュレーション ツールを使用して、既存のオンデマンド Smooth Streaming アセット (これもスターター キットに含まれます) に基づいたエンコーダー接続をシミュレートできます。
プッシュ目的で使用する pushencoder コマンドの一般的な構文は次のとおりです。
pushencoder32 <公開ポイントの URL> <ism ファイル>
-または-
pushencoder64 <公開ポイントの URL> <ism ファイル>
上 記の <公開ポイントの URL> には、Web サーバー上の .isml 公開ポイント ファイルの完全修飾 URL を指定し、<ism ファイル> には、サンプル Smooth Streaming ビデオの使用可能なビット レートを記述しているマニフェストの相対 URL を指定します。
したがって、既定の場所にある Big Buck Bunny について、サンプル .isml ファイルへのエンコーダー接続をシミュレートするには、次のコマンドをコマンド プロンプトで実行します (現在のディレクトリが pushencoder32.exe の格納場所である場合)。
pushencoder32 https://localhost/sample.isml "Big Buck Bunny.ism"
公開ポイントは [ライブ] 状態に移行します。
メモ : [DVR のみ] または [シャットダウン] 状態に移行させるには、それぞれ [Stop Live Source] または [Shut Down Publishing Point] を [操作] ウィンドウでクリックします。
ライブ
この状態の公開ポイントは、コンテンツを受信およびアーカイブしていると共に、コンテンツをユーザーに配信しているか他の Web サーバーにシンジケート配信しています (その公開ポイントの構成の設定内容によって異なります)。プレゼンテーションが終了すると、提供元ポイント (エンコーダーまたは別の Web サーバー) はデータの提供を停止して、公開ポイントを自動的に [ライブ] 状態から次の状態に移行させます。
公開ポイントは [DVR のみ] 状態に移行します。
メモ : [DVR のみ] または [シャットダウン] 状態に移行させるには、それぞれ [Stop Live Source] または [Shut Down Publishing Point] を [操作] ウィンドウでクリックします。
DVR のみ
この状態の公開ポイントは、[ライブ] 状態時にアーカイブされたコンテンツの Network Digital Video Recoder (DVR) 再生に対する要求を処理するために、フラグメントをクライアントに配信します (この公開ポイントの [Publish media fragments] オプションが有効になっている場合)。ライブ コンテンツは取得も配信もされません。準備ができたときにこの公開ポイントをシャットダウンするには、[操作] ウィンドウで [Shut Down Publishing Point] をクリックします。
公開ポイントは [シャットダウン] 状態に移行します。
公開ポイントの状態の表示
[Live Smooth Streaming Publishing Points] 機能ページを開くと、公開ポイントの状態を表示できます。
公開ポイントは 4 つの動作をサポートしており、各動作の現在の状態を表示します。これらの動作は次のとおりです。
- ソース : エンコーダーまたはサーバーからコンテンツを取得しています。
- アーカイブ : コンテンツをディスクにアーカイブしています。
- フラグメント : クライアントで再生するためのフラグメントを配信しています。
- ストリーム : シンジケート配信のために他の Web サーバーにストリームを配信しています。
各動作の状態は次のいずれかになります。
- 無効 : この動作は公開ポイントに対して有効化されていません。
- 不明 : この動作は有効化されていますが、公開ポイントはシャットダウン状態です。
- 開始中 : 公開ポイントは (プッシュ エンコーダーなどからの) 外部データを待っています。
- 開始済み : この動作は現在実行中です。
- 停止済み : この動作は有効化されていますが、現在は実行されていません。