次の方法で共有


DP8Sim ユーティリティ

DP8Sim ユーティリティ

DP8Sim ユーティリティは、IDP8SimControl のメソッドを使って、さまざまなネットワーク条件下でアプリケーションをテストできる実行ファイルである。また、DP8Sim サービス プロバイダと IDP8SimControl インターフェイスを使って、独自のテスト環境を作成することもできる。詳細については、「ネットワーク パフォーマンスのテスト」を参照すること。

  DP8Sim は、既存の DirectPlay8 TCP/IP サービス プロバイダの上位に実装される。この設定も、既存のネットワーク特性の上位に適用される。そのため、通常の遅延時間およびパケット ロスを無視できる、高速ローカル エリア ネットワーク (LAN) で使うことを前提としている。

パス

実行可能ファイル :(SDK ルート)\bin\dp8simui.exe

DLL:(SDK ルート)\bin\dp8sim.dll

ユーザーズ ガイド

構成ユーティリティ Dp8simui.exe は、Dp8sim.dll を制御するためのユーザー インターフェイスである。両方のファイルは、同じディレクトリにある。この構成ユーティリティを起動すると、自動的に dp8sim.dll コンポーネント オブジェクト モデル (COM) オブジェクトが登録される。また、Microsoft® MS-DOS® プロンプトで次のコマンドを入力して、手動でダイナミックリンク ライブラリ (DLL) を登録することもできる。

regsvr32.exe dp8sim.dll

Dp8sim.dll を登録すると、DP8Sim サービス プロバイダを利用できるようになる。IDirectPlay8Peer::EnumServiceProvidersIDirectPlay8Client::EnumServiceProviders、および IDirectPlay8Server::EnumServiceProviders の各メソッドが返すサービス プロバイダから、"DirectPlay8 TCP/IP Service Provider (Network Simulator)" プロバイダを選択する。Microsoft DirectPlay® セッションでは、ネットワーク シミュレータを実行する前に DirectPlay インターフェイスが作成されていると、ネットワーク シミュレータを使えない。

シミュレータを実行すると、さまざまなネットワーク オプションを制御できるようになる。有益な、定義済みのネットワーク設定もある。

送信 (受信) のオプションには、次のものがある。

  • Bandwidth (バイト/秒)。すべてのプレーヤが利用可能な合計送信 (受信) 帯域幅 (バイト/秒単位)。すべてのパケットは、この値に従って、サイズに応じて遅延時間を増やす。アプリケーションがこの量よりも多くを送信 (受信) する場合、以降のパケットは以前のパケットよりもキューの後に配置される。帯域幅を無制限とする場合は 0 (ゼロ) を使い、最大値は基になる実際のネットワーク帯域幅とする。
  • Drop percentage (0 ~ 100 パーセント)。個別の送信 (受信) パケットをドロップするパーセンテージとする、ランダムな間隔。各パケットは、他のパケットにかかわらず、同じようにドロップされる可能性がある。これは、必ずしもすべてのネットワークの動作をモデルとしているわけではない。たとえば、インターネットでのパケット損失は不規則な傾向にあり、パケット損失が高いときもあれば、低いときもある。値が 1 の場合、100 パケットの平均 1 つがドロップされる。値が 100 の場合、すべてのパケットがドロップされる。基になる実際のネットワークが原因であるものを除き、いずれのパケット損失もドロップされたくない場合は、0 を使う。
  • Minimum latency (ミリ秒)。送信 (受信) パケットの最小遅延時間 (ミリ秒単位)。個別のパケットの実際の遅延時間は、この最小値と最大遅延時間の値の間でランダムに選択される。遅延時間は、帯域幅の制約による遅延の上に適用されることに注意する。基になる実際のネットワークを超える人為的な遅延時間に下限を設定しない場合は、0 を使う。
  • Maximum latency (ミリ秒)。送信 (受信) パケットの最大遅延時間 (ミリ秒単位)。個別のパケットの実際の遅延時間は、最小遅延時間の値と最大遅延時間の値の間でランダムに選択される。この値が最大遅延時間の値より低い場合、最小値と等しくなるように自動的に設定される。遅延時間は、帯域幅の制約による遅延の上に適用されることに注意する。基になる実際のネットワークを超える人為的な遅延時間に上限を設定しない場合は、0 を使う。

  これらのオプションは、ゲーム内のデータのみに適用される。ホストの列挙と応答は、このシミュレーションの対象外である。

変更を行うには、[Apply] ボタンおよび [Revert] ボタンを使う。設定を変更するには [Apply] をクリックし、前の設定を復元するには [Revert] をクリックする。設定を保存するには、[名前を付けて保存] をクリックする。設定に名前を付けることを要求するメッセージが表示される。

構成ユーティリティ ウィンドウの下部には、影響を受けるすべての DirectPlay インターフェイスの送信と受信の統計情報が表示される。[Refresh] ボタンを使うと統計情報が更新され、[Clear] ボタンを使うと統計情報が 0 にリセットされる。

Dp8sim.dll の登録を解除するには、MS-DOS コマンド プロンプトで次のように入力する。

regsvr32.exe /u dp8sim.dll

  Microsoft DirectX® 8.1 に用意されている DP8Sim ユーティリティは、DirectX 9.0 DLL を使うアプリケーションに対しては動作しない。

ネットワーク パフォーマンスの詳細については、「ネットワーク使用量の最適化」を参照すること。