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IRegisterServiceProvider::RegisterService

RegisterService メソッドは、オブジェクトをサービスとして登録する。

構文

  HRESULT RegisterService(
  REFGUID guidService,
  IUnknown *pUnkObject
);

パラメータ

guidService

[in] サービスのサービス識別子 (SID)。

pUnkObject

[in] サービス オブジェクトの IUnknown インターフェイスへのポインタ。サービスの登録を解除する場合は NULL。

戻り値

HRESULT 値を返す。

注意

サービスとは、クライアントが通常の IUnknown::QueryInterface メソッドではなく、COM の IServiceProvider::QueryService メソッドを通じて発見するインターフェイスのことである。これら 2 つのメソッドの相違点は、QueryInterface が元のオブジェクトのインターフェイスを返すのに対し、QueryService は別のオブジェクトのインターフェイスを返す場合があるという点である。より正確にいうと、QueryInterface の場合は元のインターフェイスおよび IUnknown の返されたインターフェイスを照会でき、同じポインタに戻ることが保証されている。QueryService には、この保証はない。

RegisterService メソッドを使うと、フィルタ グラフ マネージャにサービスを登録できる。他のオブジェクトは、IServiceProvider インターフェイスを使って登録したオブジェクトを取得できる。こうして、フィルタ グラフ マネージャを集中通信ポイントとして使った、個々の COM オブジェクト間の通信が促進される。

サービスは、サービス識別子 (SID) という GUID によって識別される。1 つのサービスが複数のインターフェイスをサポートできる。サービスを登録するには、次のコードに示すように RegisterService を呼び出す。

DEFINE_GUID(SID_MyService, ....);
IRegisterServiceProvider *pRSP;
hr = pGraph->QueryInterface(IID_IRegisterServiceProvider, (void**)&pRSP);
if (SUCCEEDED(hr))
{
    IUnknown pServiceObj;
    MyCreateServiceHelper(SID_MyService, &pServiceObj);
    pRSP->RegisterService(SID_MyService, pServiceObj);
    pRSP->Release();
    pServiceObj->Release();
}

この例では、MyCreateServiceHelper がサービス オブジェクトを作成するヘルパー関数であることを前提としている。クライアントは、次のように IServiceProvider::QueryService を呼び出して、サービス オブジェクトへのポインタを取得できる。

IServiceProvider *pSP;
hr = pGraph->QueryInterface(IID_IServiceProvider, (void**)&pSP);
if (SUCCEEDED(hr))
{
    ISomeInterface *pService;
    hr = pSP->QueryService(SID_MyService, IID_ISomeInterface, (void**)&pService);
    pSP->Release();
    if (SUCCEEDED(hr))
    {
        pService->SomeMethod();
        pService->Release();
    }
};

サービスの登録を解除するには、第 2 引数に NULL ポインタを指定して RegisterService を呼び出す。

pRSP->RegisterService(SID_MyService, NULL);

フィルタ グラフ マネージャを解放すると、すべてのサービスの登録が解除される。

フィルタ グラフ マネージャは、サービスの登録が解除されるまでサービス オブジェクトの参照カウントを保持する。参照カウントの循環を避けるには、サービス オブジェクトがフィルタ グラフ マネージャの参照カウントを保持してはならない。たとえば、サービスがフィルタ グラフ マネージャの参照カウントを保持している限り、デストラクタは決して呼び出されないので、サービス オブジェクトのデストラクタ メソッドを使ってサービスの登録を解除できない。1 つの解決策としては、サービスを登録するオブジェクトと登録を解除するオブジェクトを別々に作成するという方法がある。または、サービス オブジェクトを登録した後でそのサービス オブジェクトを単に解放すれば、フィルタ グラフ マネージャにその有効期間を制御させることができる。

参照