タイムライン モデル
"タイムライン" は、Microsof® DirectShow® 編集サービス (DES) がビデオ編集プロジェクトを表現するために使うオブジェクトである。ビデオ プロジェクトは、ビデオ ファイル、サウンド ファイル、静止画などのソース ファイルのコレクションから始まる。クリップのリニアなシーケンスが "トラック" となる。DirectShow 編集サービス (DES) では、オーディオとビデオは別々のトラックに配置される。
トラックは、レイヤー化もできる。複数のオーディオ トラックがミキシングされ、フェードや残響などのオーディオ エフェクトを含めることもある。複数のビデオ トラックを使って、トランジションを作成する。たとえば、あるクリップから別のクリップへのワイプを作成できる。他の例には、あるクリップの背景がキー アウトされ、別のトラックによって置き換わるクロマ キー処理がある。クロマ キー処理の例には、衛星写真の前面に配置された天気予報のキャスターがある。
DES は、次のようにツリー構造を使って編集を表現する。
- オーディオ クリップとビデオ クリップがリーフ ノード、すなわち "ソース" オブジェクトとなる。
- 同一のメディア タイプ (オーディオまたはビデオ) のソースのコレクションが "トラック" である。
- トラックのコレクションが "コンポジション" である。コンポジションは、含まれるすべてのトラックのコンポジションとしてレンダリングされる。コンポジションには他のコンポジションを入れることもでき、トラックの複雑な配置が可能である。
- (同じメディア タイプを表す) コンポジションとトラックの最上位レベルのコレクションが グループ" である。
- 1 つまたは複数の一連のグループが "タイムライン" となる。タイムラインは、ツリーのルート ノードである。
タイムラインには、少なくとも 1 つのグループが含まれていなければならない。各グループは、最終プロダクションにおける単一のストリームを表す。代表的なプロジェクトには、ビデオ グループとオーディオ グループが 1 つずつ含まれる。コンポジションはオプションであり、必要な場合にさらに構造を提供するものである。
次の図は、タイムラインを構成する親子関係を示したものである。
次の図は、タイムラインを一時的なシーケンスとして示したものである。
先頭の矢印は、ゼロから始まるタイムラインの方向を表している。ビデオ グループ内では、トラック 1 はトラック 0 より優先順位が高い。トラック 1 にあるソース オブジェクトは、トラック 0 の内容を隠蔽する。トラック 1 が空の場合は、トラック 0 が "透けて" 見える。前に説明したように、オーディオ トラックはミキシングされるだけである。
参照