ビルボーディング (Direct3D 9)
3D シーンを作成するとき、2D オブジェクトを 3D オブジェクトであるかのように表示することによってパフォーマンスを向上できることがあります。この考え方が、ビルボーディング テクニックの基になっています。
通常の意味でのビルボードは、道路沿いの広告のことです。Microsoft Direct3D アプリケーションでは、矩形ソリッドを定義してテクスチャーを適用することで、このようなビルボードを簡単に作成およびレンダリングできます。3D グラフィックスでの特殊な意味でのビルボードは、これを拡張したものです。この意味でのビルボーディングの目的は、2D オブジェクトを 3D オブジェクトのように見せることです。この手法では、オブジェクトのイメージを保持するテクスチャーを矩形プリミティブに適用します。このプリミティブは、正面が常にユーザーの方を向くように回転されます。このオブジェクトの画像は矩形でなくても問題ありません。ビルボードの部分を透明にして、表示したくないビルボード画像の部分を不可視にすることができます。
多くのゲームでは、アニメーションしたスプライトにビルボーディングを行っています。たとえば、ユーザーが 3D の迷路を移動するとき、収集できる武器や褒美が表示されることがあります。これらは、矩形プリミティブにテクスチャーを適用した典型的な 2D 画像です。ビルボーディングは、ゲームで木、茂み、雲の画像をレンダリングするために使われることがよくあります。
ビルボードに画像を適用するときは、最初に、正面がユーザーの方を向くように矩形プリミティブを回転しなければなりません。次に、このプリミティブを配置場所に平行移動しなければなりません。その後、このプリミティブにテクスチャーを適用できます。
ビルボーディングは、対称的なオブジェクト、特に垂直軸に対して対称的なオブジェクトの処理に最適です。また、ビルボーディングには、視点の高さがあまり上がらないことが必要です。ユーザーがビルボードを上から見ることが許されている場合、そのオブジェクトが 3D ではなく 2D であることがすぐにわかってしまいます。