UE-V 2.x の展開の準備
適用対象: User Experience Virtualization 2.0, User Experience Virtualization 2.1
社内でユーザーがアクセスするデバイス間の同期設定ソリューションとして Microsoft User Experience Virtualization (UE-V) 2.0 または 2.1 を展開する前に、いくつかの計画および準備を行う必要があります。このトピックは、実施する展開の種類、および展開を成功させるために行うことができる事前準備を決定するのに役立ちます。
最初に、UE-V を展開するために行うタスクについて説明します。
Plan your UE-V Deployment
展開を行う前に、展開する UE-V の機能を決定できるように、少し計画を行っておくことが推奨されます。したがって、他のページに進む前に、計画に関する以下の情報を読んでおいてください。
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UE-V のすべての展開には以下のアクティビティが必要です。
設定を同期する必要があるすべてのコンピューターに UE-V Agent をインストールする
カスタム アプリケーション用の UE-V 2.x の展開 (必要に応じて可能)
計画を行うことにより、UE-V でカスタム アプリケーション (サードパーティまたは基幹業務) の設定の同期をサポートするかどうかを判断できます。そのためには UE-V の次のような機能が必要です。
カスタム アプリケーションの設定を同期するために必要なカスタム設定場所テンプレートを作成、編集、検証できるように UEV Generator をインストールする
UE-V Generator を使用してカスタム設定場所テンプレートを作成する
カスタム設定場所テンプレートを保存するために使用する UE-V 設定テンプレート カタログを展開する
次のワークフローの図を見ると、UE-V の展開の概要および社内への UE-V の展開方法に関する決定がわかります。
**UE-V の展開の計画:**最初に、展開する UE-V のコンポーネントを決定できるように計画を行います。UE-V の展開の計画には次のような作業が含まれます。
カスタム アプリケーションの設定を同期するかどうかを決定する
これにより、展開の間に UE-V Generator をインストールするかどうかが決まります。これを使用すると、カスタム設定場所テンプレートを作成できます。次の作業が含まれます。
UE-V の展開で自動的に同期される設定を検討します。
他のアプリケーションの設定を同期する必要があるかどうかを決定する.
UE-V の展開を準備するときの他の考慮事項を検討する (高可用性、容量計画など)。
UE-V の前提条件およびサポート対象構成の確認
カスタム アプリケーションの設定を同期するかどうかを決定する
UE-V の展開では、多くの設定が自動的に同期されます。ただし、UE-V をカスタマイズして、基幹業務アプリケーションやサード パーティ アプリケーションなどの他のアプリケーションの設定を同期することもできます。
UE-V でカスタム アプリケーションの設定を同期するかどうかの決定はおそらく、UE-V の展開の計画で最も重要な部分です。このセクションのトピックは、その判断を下すのに役立ちます。
UE-V の展開で自動的に同期される設定
このセクションでは、UE-V で既定で同期される設定に関する情報を提供します。これには次が含まれます。
設定が既定で同期されるデスクトップ アプリケーション
既定で同期される Windows デスクトップの設定
Windows アプリ同期設定のサポートのステートメント
UE-V で同期される特定の Microsoft Office 2013、Microsoft Office 2010、および Microsoft Office 2007 の設定の完全な一覧をダウンロードするには、「Microsoft Office 向けの User Experience Virtualization (UE-V) の設定テンプレート」をご覧ください。
UE-V 2.1 および UE-V 2.1 SP1 で既定で同期されるデスクトップ アプリケーション
UE-V 2.1 または 2.1 SP1 Agent をインストールすると、Agent は次のような Microsoft の共通のアプリケーション設定値をキャプチャする設定場所テンプレートの既定のグループを登録します。
ヒント
Microsoft Office 2007 の設定の同期 – UE-V 2.1 および 2.1 SP1 では、Office 2007 アプリケーションの設定場所テンプレートは既定では含まれなくなっています。ただし、UE-V 2.0 以前の Office 2007 テンプレートを使用したり、UE-V テンプレート ギャラリーからテンプレートを入手したりすることはできます。
アプリケーションのカテゴリ | 説明 |
---|---|
Microsoft Office 2010 アプリケーション |
Microsoft Word 2010 Microsoft Excel 2010 Microsoft Outlook 2010 Microsoft Access 2010 Microsoft Project 2010 Microsoft PowerPoint 2010 Microsoft Publisher 2010 Microsoft Visio 2010 Microsoft SharePoint Workspace 2010 Microsoft InfoPath 2010 Microsoft Lync 2010 Microsoft OneNote 2010 Microsoft SharePoint Designer 2010 |
Microsoft Office 2013 アプリケーション |
Microsoft Word 2013 Microsoft Excel 2013 Microsoft Outlook 2013 Microsoft Access 2013 Microsoft Project 2013 Microsoft PowerPoint 2013 Microsoft Publisher 2013 Microsoft Visio 2013 Microsoft InfoPath 2013 Microsoft Lync 2013 Microsoft OneNote 2013 Microsoft SharePoint Designer 2013 Microsoft Office 2013 Upload Center Microsoft OneDrive for Business 2013 UE-V 2.1 および 2.1 SP1 の Microsoft Office 2013 設定場所テンプレートには、向上した Outlook の署名サポートが含まれます。新規、返信、転送の電子メールについて既定の署名設定を同期する機能が追加されました。 注意 ユーザーは、Outlook の署名を同期する必要があるデバイスに対して、Outlook プロファイルを作成する必要があります。プロファイルがまだ作成されていない場合、ユーザーはプロファイルを作成してから、そのデバイスで Outlook を再起動して署名の同期を有効にできます。 |
ブラウザーのオプション: Internet Explorer 8、Internet Explorer 9、Internet Explorer 10、Internet Explorer 11 |
お気に入り、ホーム ページ、タブ、およびツールバー。 注意 UE-V は、Internet Explorer の cookie の設定をローミングしません。 |
Windows アクセサリ |
Microsoft 電卓、メモ帳、ワードパッド。 |
注意
UE-V 2.1 SP1 では、Windows 10 の Microsoft 電卓と以前のオペレーティング システムの Microsoft 電卓との間で設定は同期されません。
UE-V 2.0 において既定で同期されるデスクトップ アプリケーション
UE-V 2.0 Agent をインストールすると、Agent は次のような Microsoft の共通のアプリケーション設定値をキャプチャする設定場所テンプレートの既定のグループを登録します。
ヒント
Microsoft Office 2013 の設定の同期 – UE-V 2.0 では、Office 2013 アプリケーション用の設定場所テンプレートは既定では含まれませんが、UE-V テンプレート ギャラリーからダウンロードできます。Office 2013 の設定を同期するサポート対象テンプレートの詳細については、「UE-V 2.0 での Office 2013 の同期」を参照してください。
アプリケーションのカテゴリ | 説明 |
---|---|
Microsoft Office 2007 アプリケーション |
Microsoft Access 2007 Microsoft Communicator 2007 Microsoft Excel 2007 Microsoft InfoPath 2007 Microsoft OneNote 2007 Microsoft Outlook 2007 Microsoft PowerPoint 2007 Microsoft Project 2007 Microsoft Publisher 2007 Microsoft SharePoint Designer 2007 Microsoft Visio 2007 Microsoft Word 2007 |
Microsoft Office 2010 アプリケーション |
Microsoft Word 2010 Microsoft Excel 2010 Microsoft Outlook 2010 Microsoft Access 2010 Microsoft Project 2010 Microsoft PowerPoint 2010 Microsoft Publisher 2010 Microsoft Visio 2010 Microsoft SharePoint Workspace 2010 Microsoft InfoPath 2010 Microsoft Lync 2010 Microsoft OneNote 2010 Microsoft SharePoint Designer 2010 |
ブラウザーのオプション: Internet Explorer 8、Internet Explorer 9、Internet Explorer 10 |
お気に入り、ホーム ページ、タブ、およびツールバー。 注意 UE-V は、Internet Explorer の cookie の設定をローミングしません。 |
Windows アクセサリ |
Microsoft 電卓、メモ帳、ワードパッド。 |
既定で同期される Windows の設定
UE-V には、次の Windows 設定の値をキャプチャする設定場所テンプレートが含まれます。
Windows の設定 | 説明 | 適用されるタイミング | エクスポートされるタイミング | 既定の状態 |
---|---|---|---|---|
デスクトップの背景 |
現在アクティブなデスクトップの背景または壁紙。 |
ログオン、ロック解除、リモート接続、スケジュールされたタスク イベント。 |
ログオフ、ロック、リモート接続解除、会社設定センターで [今すぐ同期] をクリックしたユーザー、スケジュールされたタスク間隔 |
有効 |
簡単操作 |
ユーザー補助設定、入力設定、Microsoft 拡大鏡、ナレーター、スクリーン キーボード。 |
ログオン時のみ。 |
ログオフ、会社設定センターで [今すぐ同期] をクリックしたユーザー、スケジュールされたタスク間隔 |
有効 |
デスクトップの設定 |
スタート メニュー設定、タスク バー設定、フォルダー オプション、既定のデスクトップ アイコン、追加の時計、地域と言語の設定。 |
ログオン時のみ。 |
ログオフ、会社設定センターで [今すぐ同期] をクリックしたユーザー、スケジュールされたタスク |
有効 |
注意
Windows 8 以降では、UE-V はスタート画面で、アイテムや場所などに関連する設定をローミングしません。さらに、UE-V はピンで固定されたタスク バーの項目または Windows ファイルのショートカットの同期をサポートしていません。
重要
UE-V 2.1 SP1 は、Windows 10 デバイス間でタスク バーの設定をローミングします。ただし、UE-V は Windows 10 デバイスと以前のオペレーティング システムのデバイスの間では、タスク バーの設定を同期しません。
設定グループ | カテゴリ | キャプチャ | 適用 |
---|---|---|---|
アプリケーション設定 |
Windows アプリ |
アプリケーションを閉じる Windows アプリの設定の変更イベント |
起動時の UE-V アプリ モニター開始 アプリケーションを開く Windows アプリの設定の変更イベント 設定パッケージの着信 |
デスクトップ アプリケーション |
アプリケーションが閉じる |
アプリケーションが開いて閉じる |
|
デスクトップの設定 |
デスクトップの背景 |
ロック、ログオフ |
ログオン、ロック解除、リモート接続、新しいパッケージの着信通知、会社設定センターでユーザーが [今すぐ同期] をクリック、スケジュールされたタスクの実行。 |
簡単操作 (共通 - ユーザー補助、ナレーター、拡大鏡、スクリーン キーボード) |
ロック、ログオフ |
ログオン |
|
簡単操作 (シェル - オーディオ、ユーザー補助、キーボード、マウス) |
ロック、ログオフ |
ログオン、ロック解除、リモート接続、新しいパッケージの着信通知、会社設定センターでユーザーが [今すぐ同期] をクリック、スケジュールされたタスクの実行。 |
|
デスクトップの設定 |
ロック、ログオフ |
ログオン |
Windows アプリの UE-V のサポート
Windows アプリの場合、アプリ開発者が同期される設定を指定します。設定の同期が有効な Windows アプリを指定できます。
コンピューター上で設定を同期できる Windows アプリの一覧を、アプリのパッケージ ファミリ名、有効状態、および有効なソースと共に表示するには、Windows PowerShell のコマンド プロンプトから次のように入力します。Get-UevAppxPackage
注意
Windows 8 以降、ドメイン ユーザーがサインインの資格情報を自分の Microsoft アカウントにリンクしている場合、UE-V は Windows アプリ設定を同期しません。このリンクが設定を Microsoft OneDrive に同期するため、UE-V では Windows アプリ設定の同期は無効になります。
プリンターのローミングの UE-V のサポート
UE-V 2.1 SP1 ではネットワーク プリンターがデバイス間をローミングするので、ユーザーはネットワーク上の任意のデバイスにログオンしてネットワーク プリンターにアクセスできます。これには、既定値として設定されているプリンターのローミングが含まれます。
UE-V でのプリンターのローミングには次のいずれかのシナリオが必要です。
新しいデバイスにローミングするときに、プリント サーバーが必要なドライバーをダウンロードできます。
ローミング ネットワーク プリンターのドライバーが、そのネットワーク プリンターにアクセスする必要があるすべてのデバイスに事前にインストールされています。
プリンター ドライバーを Windows Update から取得できます。
注意
UE-V のプリンター ローミング機能では、両面印刷などのプリンター設定または優先設定はローミングされません。
他のアプリケーションの設定を同期する必要があるかどうかを決定する
UE-V の展開で自動的に同期される設定を検討した後、他のアプリケーションについて設定を同期するかどうかを決定します。これにより、会社全体への UE-V の展開方法が決まります。
管理者は、UE-V ソリューションに含めるデスクトップ アプリケーションを検討する際に、ユーザーがカスタマイズできる設定や、アプリケーションがその設定を保存する方法や場所についても考慮してください。一部のデスクトップ アプリケーションには、ユーザーがカスタマイズできる設定や、ユーザーが定期的にカスタマイズする設定がありません。また、複数のコンピューターや環境間で安全に同期できないデスクトップ アプリケーション設定もあります。
一般に、次の条件を満たす設定は同期できます。
ユーザーがアクセスできる場所に保存されている設定。たとえば、System32 に保存される設定や、レジストリの HKEY_CURRENT_USER (HKCU) セクションの外に保存される設定は同期しないでください。
特定のコンピューターに固有ではない設定。たとえば、ネットワーク構成やハードウェア構成は除外します。
データが破損しているリスクがないコンピューター間で同期できる設定。たとえば、データベース ファイルに保存されている設定は使用しないでください。
カスタム アプリケーションを評価するためのチェックリスト
他のアプリケーションで設定を同期する必要がある場合は、このチェックリストが対象のアプリケーションの洗い出しに役立ちます。
説明 | |
---|---|
このアプリケーションにはユーザーがカスタマイズできる設定が含まれますか。 |
|
これらの設定が同期されることはユーザーにとって重要ですか。 |
|
これらのユーザー設定は、アプリケーションの管理または設定ポリシー ソリューションで既に管理されていますか。UE-V は、アプリケーションの設定はアプリケーションの起動時に適用し、Windows の設定はログオン時、ロック解除時、またはリモート接続イベント時に適用します。ソリューションを共有する他の設定で UE-V を使用する場合、同期される設定の間でユーザー エクスペリエンスが一致しない可能性があります。 |
|
アプリケーションの設定はコンピューターに固有ですか。ハードウェアまたは特定のコンピューター構成に関連付けられているアプリケーションの基本設定やカスタマイズは、セッション間で一貫して同期されず、アプリケーションのエクスペリエンスが低下することがあります。 |
|
アプリケーションが設定を保存するのは、Program Files ディレクトリですか、それとも Users\[ユーザー名name]\AppData\LocalLow ディレクトリにあるファイル ディレクトリですか。これらのどちらかの場所に保存されるアプリケーション データは、通常、コンピューターに固有であるため、または同期するのに大きすぎるために、ユーザーが同期することはできません。 |
|
アプリケーションは、同期してはいけない他のアプリケーション データを含むファイルに設定を保存しますか。UE-V はファイルを 1 つの単位として同期します。設定以外のアプリケーション データを含むファイルに設定が保存される場合、この他のデータを同期するとアプリケーション エクスペリエンスが低下する可能性があります。 |
|
設定を含むファイルのサイズはどのくらいですか。設定の同期のパフォーマンスは、サイズの大きなファイルによって影響を受ける可能性があります。大きなファイルを含めると、設定同期のパフォーマンスが影響を受ける場合があります。 |
UE-V の展開を準備するときの他の考慮事項
UE-V の展開を準備するときは、次のような点にも考慮する必要があります。
UE-V 2.1 および UE-V 2.1 SP1 での資格情報の同期の管理
Windows アプリの設定の同期
カスタムの UE-V 設定場所テンプレート
意図しないユーザー設定構成の回避
パフォーマンスと容量の計画
UE-V の高可用性
UE-V 設定の同期のためにコンピューターのクロックを同期する
UE-V 2.1 および UE-V 2.1 SP1 での資格情報の同期の管理
Microsoft Outlook や Lync などの多くの企業アプリケーションは、ログイン時にユーザーにドメイン資格情報を要求します。ユーザーは、アプリケーションを開くたびに入力しなくて済むように、資格情報をディスクに保存できます。ローミング資格情報同期を有効にすると、ユーザーは 1 台のコンピューターに資格情報を保存して、環境内で使用するすべてのコンピューターで資格情報を再入力しなくて済むようにできます。ユーザーは、UE-V 2.1 および 2.1 SP1 を使用して、いくつかのドメイン資格情報を同期できます。
重要
資格情報の同期は既定では無効になっています。この機能を実装するには、展開時に資格情報の同期を明示的に有効にする必要があります。
UE-V 2.1 および 2.1 SP1 は、エンタープライズ資格情報を同期することはできますが、ローカル コンピューター上だけで使用するための資格情報のローミングは行いません。
資格情報は同期的な設定です。つまり、UE-V が同期を行った後でユーザーが初めてコンピューターにログインするときに資格情報がプロファイルに適用されます。
資格情報の同期は独自の設定場所テンプレートによって管理され、既定では無効になっています。このテンプレートは、他のテンプレートと同じ方法で有効または無効にできます。この機能のテンプレート識別子は RoamingCredentialSettings です。
重要
環境内で Active Directory 資格情報の移動を使用している場合、UE-V 資格情報の移動テンプレートは有効にしないことをお勧めします。
資格情報の同期を有効にするには、これらの方法のいずれかを使用します。
会社設定センター
PowerShell
グループ ポリシー
注意
同期中、資格情報は暗号化されます。
会社設定センター : 資格情報の同期を有効にするには、[Windows の設定] の [資格情報の設定のローミング] チェック ボックスをオンにします。無効にするにはボックスをオフにします。このチェック ボックスは、Microsoft アカウントを使用して設定を同期するようにユーザーのアカウントが構成されていない場合にのみ、会社設定センターに表示されます。
PowerShell : 資格情報の同期を有効にするには、次の PowerShell コマンドレットを使用します。
Enable-UevTemplate RoamingCredentialSettings
資格情報の同期を無効にするには、次の PowerShell コマンドレットを使用します。
Disable-UevTemplate RoamingCredentialSettings
グループ ポリシー : グループ ポリシーを使用して資格情報の同期を有効にするには、最新の MDOP ADMX テンプレートを展開する必要があります。資格情報の同期は、Windows の設定で管理されます。グループ ポリシーでこの機能を管理するには、Windows 設定の同期ポリシーを有効にします。
グループ ポリシー エディターを開き、[ユーザーの構成] - [管理用テンプレート] - [Windows コンポーネント] – [Microsoft User Experience Virtualization] に移動します。
[Windows 設定の同期] をダブルクリックします。
このポリシーを有効にすると、[資格情報のローミング] チェック ボックスをオンにすることで資格情報の同期を有効にでき、オフにすることで無効にできます。
[OK] をクリックします。
UE-V によって同期される資格情報の場所
アプリケーションによって次の場所に保存される資格情報ファイルが同期されます。
%UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\Credentials\
%UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\Crypto\
%UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\Protect\
%UserProfile%\AppData\Roaming\Microsoft\SystemCertificates\
他の場所に保存される資格情報は、UE-V によっては同期されません。
Windows アプリの設定の同期
UE-V は、次の 3 つの方法で Windows アプリの設定の同期を管理します。
Windows アプリを同期:すべての Windows アプリの同期を許可または拒否します。
Windows アプリの一覧: Windows アプリの一覧を同期します
一覧にない既定の同期動作: Windows アプリ一覧に含まれない Windows アプリの同期動作を指定します。
詳細については、Windows アプリの一覧を参照してください。
カスタムの UE-V 設定場所テンプレート
カスタム アプリケーションの設定を同期するために UE-V を展開する場合は、UE-V Generator を使用して、対象となるデスクトップ アプリケーションのカスタム設定場所テンプレートを作成します。カスタムの設定場所テンプレートを作成し、テスト環境でテストしてから、設定場所テンプレートを社内のコンピューターに展開してください。
カスタムの設定場所テンプレートは、System Center Configuration Manager などの Enterprise Software Distribution (ESD) の方法のような既存の展開インフラストラクチャ、環境設定、または UE-V 設定テンプレート カタログの構成を使用して、展開する必要があります。Configuration Manager またはグループ ポリシーを使用して展開するテンプレートは、UE-V WMI または Windows PowerShell を使用して登録する必要があります。
カスタムの設定場所テンプレートの詳細については、「カスタム アプリケーション用の UE-V 2.x の展開」を参照してください。Configuration Manager での UE-V の使用に関する詳細については、「System Center Configuration Manager 2012 による UE-V 2.x の構成」を参照してください。
意図しないユーザー設定構成の回避
UE-V は、設定の保存場所から新しいユーザー設定情報をダウンロードし、次の場合にローカル コンピューターに設定を適用します。
登録済みの UE-V テンプレートがあるアプリケーションを起動するとき。
ユーザーが自分のコンピューターにログオンするとき。
ユーザーが自分のコンピューターのロックを解除するとき。
UE-V がインストールされているリモート デスクトップ コンピューターに接続するとき。
同期コントローラー アプリケーションのスケジュールされたタスクが実行されるとき。
UE-V がコンピューター A とコンピューター B にインストールされていて、アプリケーションに適用したい設定がコンピューター A にある場合、まず、コンピューター A でそのアプリケーションを開いて終了します。コンピューター B で先にアプリケーションを開いて終了すると、コンピューター A のアプリケーション設定は、コンピューター B のアプリケーション設定に合わせて構成されます。設定は、アプリケーションごとにコンピューター間で同期されます。推奨される設定でアプリケーションを開いて閉じる操作を何度も行ううちに、コンピューター間の設定が一貫してきます。
このシナリオは、Windows 設定にも適用されます。コンピューター B の Windows 設定をコンピューター A の Windows 設定と同じにする必要がある場合、ユーザーはまずコンピューター A にログオンしてログオフする必要があります。
ユーザーが目的の設定を誤った順序で適用してしまった場合、設定が上書きされたコンピューターで、そのアプリケーションまたは Windows 構成の復元操作を実行して設定を元に戻すことができます。詳細については、「UE-V 2.x で管理用バックアップおよび復元を管理する」をご覧ください。
パフォーマンスと容量の計画
標準ディスク容量とネットワーク正常性監視に関する UE-V の要件を指定します。
UE-V は、設定パッケージの保存にサーバー メッセージ ブロック (SMB) ブロックを使用します。設定パッケージのサイズは、各アプリケーションの設定情報によって異なります。ほとんどの設定パッケージ サイズは小さいのですが、デスクトップ イメージなど、サイズが大きい可能性があるファイルを同期すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。低速のネットワークでは特に低下します。
ネットワークの遅延の問題を減らすには、ユーザーのコンピューターと同じローカル ネットワークに設定の保存場所を作成します。設定の保存場所には各ユーザーあたり 20 MB のディスク領域を使用することをお勧めします。
設定パッケージのサイズが大きいために遅延が長くなるのを防ぐため、既定では UE-V の同期が 2 秒でタイムアウトします。グループ ポリシー オブジェクトを使用して、SyncMethod=SyncProvider の設定を構成できます。
UE-V の高可用性
UE-V の設定の保存場所および設定テンプレート カタログでは、ユーザー データを書き込み可能なすべての共有に保存することができます。高可用性を確保するには次の条件に従います。
NTFS ファイル システムでストレージ ボリュームをフォーマットします。
共有は分散ファイル システム (DFS) レプリケーションを使用できますが、分散ファイル システム (DFSR) はサポートされていません。分散ファイル システム名前空間 (DFSN) はサポートされています。詳細については、「Microsoft’s Support Statement Around Replicated User Profile Data (レプリケート ユーザー プロファイル データに関する Microsoft のサポート方針)」を参照してください。
さらに、SYSVOL はレプリケーション用に DFSR を使用するので、SYSVOL は UE-V のデータ ファイル レプリケーションに使用できません。
「UE-V 2.x の設定保存場所の展開」で指定されているように、共有アクセス許可と NTFS アクセス制御リスト (ACL) を構成します。
ファイル サーバーのクラスタリングと共に UE-V Agent を使用して、通信障害が発生した場合にユーザー状態データのコピーへのアクセスを提供します。
設定の保存パス データ (ユーザー データ) および設定テンプレート カタログのテンプレートを、クラスター化された共有、DFSN 共有、あるいはその両方に保存できます。
UE-V 設定の同期のためにコンピューターのクロックを同期する
UE-V Agent を実行するコンピューターは、タイム サーバーを使用して、一貫した設定エクスペリエンスを維持する必要があります。UE-V はタイムスタンプを使用して、設定の保存場所から設定を同期する必要があるかどうかを判断します。コンピューターのクロックが不正確な場合、古い設定で新しい設定が上書きされることや、新しい設定が設定の保存場所に保存されないことがあります。
UE-V の前提条件およびサポート対象構成の確認
次に進む前に、UE-V を実行するための前提条件を環境が満たしていることを確認します。
オペレーティング システム | エディション | サービス パック | システム アーキテクチャ | Windows PowerShell | Microsoft .NET Framework |
---|---|---|---|---|---|
Windows 7 |
Ultimate、Enterprise、または Professional Edition |
SP1 |
32 ビットまたは 64 ビット |
Windows PowerShell 3.0 以降 |
UE-V 2.1 向けの .NET framework 4.5 以降。 UE-V 2.0 向けの .NET framework 4 以降。 |
Windows Server 2008 R2 |
Standard、Enterprise、Datacenter、または Web Server |
SP1 |
64 ビット |
Windows PowerShell 3.0 以降 |
UE-V 2.1 向けの .NET framework 4.5 以降。 UE-V 2.0 向けの .NET framework 4 以降。 |
Windows 8 およびWindows 8.1 |
Enterprise または Pro |
なし |
32 ビットまたは 64 ビット |
Windows PowerShell 3.0 以降 |
.NET Framework 4.5 以降 |
Windows 10 注意 UE-V 2.1 SP1 のみが、Windows 10 をサポートしています。 |
Enterprise または Pro |
なし |
32 ビットまたは 64 ビット |
Windows PowerShell 3.0 以降 |
.NET Framework 4.6 |
Windows Server 2012 およびWindows Server 2012 R2 |
Standard または Datacenter |
なし |
64 ビット |
Windows PowerShell 3.0 以降 |
.NET Framework 4.5 以降 |
その他
MDOP ライセンス: このテクノロジは、Microsoft Desktop Optimization Pack (MDOP) の一部です。Enterprise ユーザーは、マイクロソフト ソフトウェア アシュアランス の一環として MDOP を入手できます。マイクロソフト ソフトウェア アシュアランスと MDOP の取得の詳細については、MDOP の取得に関するページ (https://go.microsoft.com/fwlink/p/?LinkId=322049) を参照してください。
管理者資格情報: インストールするコンピューターで必要です。
注意
- UE-V Agent の Windows PowerShell UE-V 機能を使用するには .NET Framework 4 以降および Windows PowerShell 3.0 以降を有効にする必要があります。Windows PowerShell 3.0 はここでダウンロードできます。
- Windows 7 または Windows Server 2008 R2 オペレーティング システムを搭載しているコンピューターに、.NET Framework 4 または .NET Framework 4.5 をインストールします。Windows 8、Windows 8.1、および Windows Server 2012 の各オペレーティング システムには、既に .NET Framework 4.5 がインストールされています。Windows 10 オペレーティング システムには、.NET Framework 4.6 がインストールされています。
UE-V 固有の特殊なランダム アクセス メモリ (RAM) 要件はありません。
同期プロバイダーを使用した設定の同期
同期プロバイダーはユーザーの既定の設定であり、次の場合にローカル キャッシュを設定保存場所と同期します。
ログオン/ログオフ
ロック/ロック解除
リモート デスクトップ接続/接続解除
アプリケーションを開く/閉じる
スケジュールされたタスクは、30 分ごとに、または特定のアプリケーションに対する特定のトリガー イベントによって、この設定の同期を管理します。詳細については、「UE-V 2.x のスケジュールされたタスクの頻度の変更」をご覧ください。
UE-V Agent は、エンタープライズ ネットワークに常に接続されているわけではないコンピューター (リモート コンピューターおよびラップトップ) およびネットワークに常時接続されているコンピューター (Windows Server を実行し、仮想デスクトップ インターフェイス (VDI) セッションをホストしているコンピューター) の、ユーザー設定を同期します。
常に使用可能な接続によるコンピューターの同期: 常にネットワークに接続されているコンピューターで UE-V を使用するときは、SyncMethod=None パラメーターを使用することによって設定を同期するように、UE-V Agent を構成する必要があります。このパラメーターは、設定保存サーバーを標準のネットワーク共有として処理します。この構成では、アプリケーション設定のインポートが遅延される場合は通知するように UE-V Agent を構成できます。
次のいずれかの方法でこの構成を有効にします。
UE-V のインストール中に、コマンド プロンプトまたはバッチ ファイルで、AgentSetup.exe にパラメーター SyncMethod = None を設定します。詳細については、「UE-V 2.x Agent の展開」を参照してください。
UE-V のインストール後に、System Center 2012 Configuration Manager の設定管理機能または MDOP ADMX テンプレートを使用して、SyncMethod = None の構成をプッシュします。
Windows PowerShell または Windows Management Instrumentation (WMI) を使用して SyncMethod = None の構成を設定してください。
注意
最後の 2 つの方法は、プールされた仮想デスクトップ インフラストラクチャ (VDI) 環境では機能しません。
設定の同期を開始するには、コンピューターを再起動する必要があります。
注意
SyncMethod = None を設定すると、設定の変更がすべてサーバーに直接保存されます。設定の保存パスへのネットワーク接続が見つからない場合、設定の変更はデバイスのキャッシュに保存され、同期プロバイダーを次に実行するときに同期されます。設定の保存パスが見つからず、ログオフするときにプールされている VDI 環境からユーザー プロファイルが削除される場合は、設定変更が失われるため、ユーザーはコンピューターが設定の保存パスに再度接続した時点で変更を再適用する必要があります。
外部同期エンジンの同期: SyncMethod=External パラメーターは、UE-V の設定がユーザー コンピューターのローカル フォルダーに書き込まれている場合は、外部同期エンジン (OneDrive for Business、Work Folders、Sharepoint、Dropbox など) を使用して、ユーザーがアクセスできる別のコンピューターに設定を適用できることを指定します。
共有 VDI セッションのサポート: UE-V 2.1 および 2.1 SP1 は、エンド ユーザー間で共有されている VDI セッションのサポートを提供します。登録して構成できる特別な VDI テンプレートにより、UE-V が非永続的 VDI セッションに対してすべての機能をそのまま維持することが保証されます。
注意
非永続的 VDI セッションに対して VDI モードを有効にしない場合は、バックアップ/リストアや前回正常起動 (LKG) などの特定の機能が動作しません。
VDI テンプレートは UE-V 2.1 および 2.1 SP1 で提供され、通常はインストール後に次の場所から使用できます。C:\Program Files\Microsoft User Experience Virtualization\Templates\VdiState.xml
UE-V Generator のサポートの前提条件
カスタムの設定場所テンプレートの作成に使用したコンピューターに UE-V Generator をインストールします。このコンピューターは、設定が同期されるアプリケーションを実行できなければなりません。この操作には、UE-V Generator ソフトウェアを実行するコンピューターの管理者グループのメンバーである必要があります。
UE-V Generator は NTFS ファイル システムを使用するコンピューターにインストールする必要があります。UE-V Generator ソフトウェアには、.NET Framework 4 が必要です。詳細については、「カスタム アプリケーション用の UE-V 2.x の展開」を参照してください。
この製品に関するその他のリソース
UE-V への提案はございますか。
こちらから提案を追加するか、提案に投票してください。UE-V の問題については、「UE-V に関する TechNet フォーラム」を利用してください。