オブジェクトのシリアル化
シリアル化とは、オブジェクトの状態を永続化または転送できる形式に変換するプロセスのことです。シリアル化を補完するプロセスとして逆シリアル化があり、これは、ストリームをオブジェクトに変換するプロセスです。これらのプロセスを組み合わせて使用することで、データを簡単に格納したり、転送したりできます。
.NET Framework は、次の 2 つのシリアル化技術を提供します。
- バイナリ シリアル化は、型そのものを正確に維持するため、アプリケーションを起動してから、また別の機会に起動するまでの間にオブジェクトの状態を維持する場合に役立ちます。たとえば、クリップボードを出力先としてオブジェクトをシリアル化することによって、そのオブジェクトを異なるアプリケーション間で共有できます。オブジェクトをシリアル化して、ストリーム、ディスク、メモリ、ネットワーク上などの出力先に出力できます。リモート処理では、シリアル化を使用して、オブジェクトをコンピュータやアプリケーション ドメインから別のコンピュータやアプリケーション ドメインに "値渡し" します。
- XML シリアル化は、パブリック プロパティとパブリック フィールドだけをシリアル化し、型そのものを維持するわけではありません。これは、データを使用するアプリケーションに制限を加えずに、そのデータを提供または処理する場合に有効です。XML は、オープン標準であるため、Web 経由でデータを共有する場合には有用な選択肢となります。SOAP も同様のオープン標準であるため、有用な選択肢です。
このセクションの内容
- バイナリ シリアル化
共通言語ランタイムに付属しているバイナリ シリアル化機構について説明します。 - XML シリアル化および SOAP シリアル化
共通言語ランタイムに付属している XML シリアル化機構および SOAP シリアル化機構について説明します。
関連項目
- 異なるアプリケーション ドメインのオブジェクトどうしの .NET リモート処理によるアクセス
.NET Framework でリモート通信に利用できるさまざまな通信方法について説明します。 - .NET Framework を使用したプログラミング
.NET Framework を使用したプログラミング方法について説明するトピックを示します。 - ASP.NET を使用して作成した XML Web サービスと XML Web サービス クライアント
ASP.NET を使用して作成された XML Web サービスをプログラムする方法を説明するトピックを示します。