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テンプレート コントロールの開発

ASP.NET には、テンプレートと呼ばれる用途の広い機能があり、これによってコントロールのデータをコントロール自体の表示とは分離できます。テンプレート コントロール自体はユーザー インターフェイス (UI) を提供しません。コントロールの UI は、ページ開発者がインライン テンプレートを使用して提供します。インライン テンプレートを使用すると、コントロールの UI をカスタマイズできます。ASP.NET のテンプレートの詳細については、「ASP.NET クイック スタート」の「.NET サンプル - ASP.NET コントロールの作成」で「Template1 サンプル」の例を参照してください。

テンプレート コントロールを開発するには

  1. System.Web.UI.INamingContainer インターフェイスを実装します。このインターフェイスは、メソッドのないマーカー インターフェイスです。これにより、コントロールの下に名前付けスコープが作成されるため、名前付けツリーの子コントロールにそれぞれ一意の識別子が付けらるようになります。

    public class TemplatedFirstControl : Control,INamingContainer 
    {...}
    
  2. ParseChildrenAttribute をコントロールに適用し、引数として true を渡します。これにより、ASP.NET ページでコントロールが宣言によって使用されるときのテンプレート プロパティ タグの解析方法をページ パーサーに示します。テンプレート プロパティの定義方法については、手順 3 で説明します。

    メモ   WebControl から派生したコントロールの場合、WebControl が既に ParseChildrenAttribute でマークされているため、この属性を適用する必要はありません。

    [ ParseChildren(ChildrenAsProperties = true)]
    public class TemplatedFirstControl : Control, INamingContainer {...}
    

    ParseChildrenAttribute の詳細については、「ParseChildrenAttribute の使用方法」を参照してください。

  3. System.Web.UI.ITemplate 型のプロパティを 1 つ以上定義します。ITemplate には、ページにインラインで組み込まれているテンプレートを使用してコントロールを作成する InstantiateIn メソッドがあります。InstantiateIn メソッドは、ASP.NET ページ フレームワークによって実装されるため、実装する必要はありません。ITemplate プロパティには、インスタンス化されたテンプレートを保持する INamingContainer コントロールを示す、System.Web.UI.TemplateContainerAttribute 型のメタデータ属性が必要です。この属性については、手順 4 で説明します。テンプレート プロパティを定義するコードを次に示します。

    [TemplateContainer(typeof(FirstTemplateContainer))]                 
     public ITemplate FirstTemplate {...}
    
  4. TemplateContainerAttribute の引数は、その内部でテンプレートをインスタンス化するコンテナ コントロールの型です。このコンテナ コントロールは、作成するテンプレート コントロールには依存しません。論理コンテナを使用する理由は、テンプレート コントロールが、さまざまなデータを使用して繰り返しインスタンス化する必要のあるテンプレートを持つことが多いためです。ルート テンプレート コントロールと異なるコンテナ コントロールを使用すると、このような複数のインスタンスを作成できます。論理コンテナは、テンプレート内の子コントロールに対する直接の INamingContainer です。この関係の詳細については、「template 宣言のあるデータ連結コントロールの開発」を参照してください。

    メモ   コンテナ コントロールの子コントロールにページ上で一意の名前を付ける必要があるため、このコンテナ コントロール自体が INamingContainer を実装する必要があります。

    public class FirstTemplateContainer : Control, INamingContainer {...}
    
  5. テンプレートに子コントロールを作成するために、CreateChildControls メソッドをオーバーライドします。オーバーライドするには、次の手順に従います。

    1. テンプレート コンテナをインスタンス化します。
    2. テンプレート プロパティの InstantiateIn メソッドを呼び出して、テンプレート コンテナを引数として渡します。ITemplate インターフェイスで宣言されている InstantiateIn メソッドが、テンプレートの要素をテンプレート コンテナの子コントロールとしてインスタンス化します。InstantiateIn メソッドは、ASP.NET ページ フレームワークによって実装されるため、実装する必要はありません。
    3. テンプレート コントロールの Controls コレクションに、テンプレート コンテナのインスタンスを追加します。

    CreateChildControls の実装を次のコード片に示します。

    private Control myTemplateContainer;
    
    protected override void CreateChildControls ()          
    {
       if (FirstTemplate != null)
       {
          myTemplateContainer = new FirstTemplateContainer(this);
             FirstTemplate.InstantiateIn(myTemplateContainer);
          Controls.Add(myTemplateContainer);
        }
        else
        {
            Controls.Add(new LiteralControl(Text + " " + DateTime));
        }
     }
    
    
  6. Control から継承した OnDataBinding メソッドをオーバーライドして、EnsureChildControls メソッドを呼び出します。これにより、ページ フレームワークがテンプレート内のデータ連結式を評価する前に、必ずテンプレートの子コントロールが作成されます。登録されているイベント ハンドラを確実に呼び出せるように、基本クラスの OnDataBinding メソッドを呼び出す必要もあります。

            protected override void OnDataBinding(EventArgs e) {
                EnsureChildControls();
                base.OnDataBinding(e);
            }
    
  7. 手順 5 で、CreateChildControls メソッド内のロジックを繰り返し実行し、コントロールの各テンプレート プロパティに対してテンプレートをインスタンス化します。

テンプレート コントロール、テンプレートの関連コンテナ コントロール、およびこのコントロールを使用するページの例については、「テンプレート コントロールのサンプル」を参照してください。

参照

テンプレート コントロールのサンプル