DataTable の作成と使用
DataSet は、テーブル、リレーションシップ、および制約のコレクションで構成されます。ADO.NET では、DataSet 内のテーブルを表すために DataTable オブジェクトを使用します。DataTable は、1 つのインメモリ リレーショナル データ テーブルを表します。このテーブルのデータは、そのテーブルを使用する .NET ベース アプリケーションのローカル データですが、Microsoft® SQL Server などのデータ ソースから DataAdapter を使用して取得することもできます。詳細については、「DataAdapter からの DataSet の読み込み」を参照してください。
DataTable クラスは、.NET Framework クラス ライブラリ内の System.Data 名前空間のメンバです。DataTable は、単独でも DataSet のメンバとしても作成および使用できます。また、DataTable オブジェクトは、DataView などの他の .NET Framework オブジェクトからも使用できます。DataSet 内のテーブルのコレクションには、DataSet オブジェクトの Tables プロパティを使用してアクセスします。
テーブルのスキーマ (構造) は、列と制約で表されます。DataTable のスキーマは、DataColumn、ForeignKeyConstraint、UniqueConstraint の各オブジェクトを使用して定義します。テーブル内の列は、データ ソースの列に割り当てたり、式で算出された値を格納したり、格納されている値を自動的にインクリメントしたり、主キー値を格納したりできます。
DataTable には、スキーマだけでなく、データを格納して順序付けるための行も必要です。DataRow クラスは、テーブルに格納される実際のデータを表します。DataRow およびそのプロパティとメソッドを使用して、テーブル内のデータを取得、評価、および操作できます。行内のデータがアクセスされて変更されたときは、DataRow オブジェクトは、変更後の現在の状態と変更前の状態を維持します。
テーブル間で 1 つ以上の列を関連付け、テーブル間の親子のリレーションシップを作成できます。DataTable オブジェクト間のリレーションシップを作成するには、DataRelation を使用します。DataRelation オブジェクトを使用すると、特定の行に関連付けられた子の行または親の行を返すことができます。詳細については、「テーブル間のリレーションシップの追加」を参照してください。
このセクションの内容
- DataTable の作成
DataTable を作成して DataSet に追加する方法について説明します。 - DataTable のスキーマの定義
DataColumn オブジェクトと制約の作成および使用について説明します。 - DataTable 内のデータの操作
テーブル内のデータを追加、変更、および削除する方法について説明します。DataTable イベントを使用してテーブル内のデータが変更されたかどうかを確認する方法について説明します。
関連項目
- ADO.NET を使用したデータのアクセス
ADO.NET のアーキテクチャとコンポーネントについて説明し、それらを使用して既存のデータ ソースにアクセスしたり、アプリケーション データを管理したりする方法を示します。 - DataSet の作成および使用
テーブル間のリレーションシップを作成する方法も含め、ADO.NET の DataSet について説明します。 - Constraint クラス
Constraint オブジェクトの参照情報を提供します。 - DataColumn クラス
DataColumn オブジェクトの参照情報を提供します。 - DataSet クラス
DataSet オブジェクトの参照情報を提供します。 - DataTable クラス
DataTable オブジェクトの参照情報を提供します。 - .NET Framework クラス ライブラリの概要
System 名前空間やその下位レベルの名前空間 System.Data を含む .NET Framework クラス ライブラリの概要を説明します。