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CLR ETW キーワードおよびレベル

Windows イベント トレーシング (ETW) イベントは、カテゴリとレベルによってフィルタ処理できます。 イベント キーワードCLR ETW キーワードを使用すると、イベントをカテゴリ別にフィルタ処理できます。これらは、ランタイム プロバイダーとランダウン プロバイダー用に組み合わせて使用されます。 イベント レベルは、フラグによって識別されます。

CLR ETW キーワード

これらのキーワードは、互いに組み合わせて値を生成できるフラグです。 実際にコマンド ライン ユーティリティを呼び出すときには、キーワードの名前ではなく 16 進値を使用します。

これらのキーワードの説明を次の表に示します。

  • CLR ETW ランタイム キーワード

  • CLR ETW ランダウン キーワード

  • シンボルを解決するためのキーワードの組み合わせ (ランタイム プロバイダー用)

  • シンボルを解決するためのキーワードの組み合わせ (ランダウン プロバイダー用)

CLR ETW ランタイム キーワード

CLR ETW ランタイム キーワードの名前、値、および使用目的を次の表に示します。

ランタイム キーワードの名前

目的

GCKeyword

0x00000001

ガベージ コレクション イベントの収集を有効にします。

LoaderKeyword

0x00000008

ローダー イベントの収集を有効にします。

JITKeyword

0x00000010

Just-In-Time (JIT) イベントの収集を有効にします。

NGenKeyword

0x00000020

ネイティブ イメージ メソッド (ネイティブ イメージ ジェネレーター (Ngen.exe) によって処理されるメソッド) のイベントの収集を有効にします。StartEnumerationKeyword および EndEnumerationKeyword と共に使用されます。

StartEnumerationKeyword

0x00000040

ランタイムのすべてのメソッドの列挙を有効にします。NGenKeyword と組み合わせて使用されます。

EndEnumerationKeyword

0x00000080

ランタイムで破棄されたすべてのメソッドの列挙を有効にします。JITKeyword および NGenKeyword と組み合わせて使用されます。

SecurityKeyword

0x00000400

セキュリティ イベントの収集を有効にします。

AppDomainResourceManagementKeyword

0x00000800

アプリケーション ドメイン レベルのリソース監視イベントの収集を有効にします。

JITTracingKeyword

0x00001000

JIT トレース イベントの収集を有効にします。

InteropKeyword

0x00002000

相互運用イベントの収集を有効にします。

ContentionKeyword

0x00004000

競合イベントの収集を有効にします。

ExceptionKeyword

0x00008000

例外イベントの収集を有効にします。

ThreadingKeyword

0x00010000

スレッド プール イベントの収集を有効にします。

StackKeyword

0x40000000

CLR スタック トレース イベントの収集を有効にします。

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CLR ETW ランダウン キーワード

CLR ETW ランダウン キーワードの名前、値、および使用目的を次の表に示します。

ランダウン キーワードの名前

目的

LoaderRundownKeyword

0x00000008

StartRundownKeyword および EndRundownKeyword と共に使用された場合に、ローダー イベントの収集を有効にします。

JitRundownKeyword

0x00000010

StartRundownKeyword および EndRundownKeyword と共に使用された場合に、JIT コンパイルされたメソッドの DCStart イベントと DCEnd イベントの収集を有効にします。

NGenRundownKeyword

0x00000020

StartRundownKeyword および EndRundownKeyword と共に使用された場合に、NGEN ネイティブ イメージ メソッドの DCStart イベントと DCEnd イベントの収集を有効にします。

StartRundownKeyword

0x00000040

開始ランダウンの際に行われるシステムの状態の列挙を有効にします。

EndRundownKeyword

0x00000100

終了ランダウンの際に行われるシステムの状態の列挙を有効にします。

AppDomainResourceManagementRundownKeyword

0x00000800

StartRundownKeyword または EndRundownKeyword と共に使用された場合に、AppDomain レベルのリソース監視イベントの収集を有効にします。

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シンボルを解決するためのキーワードの組み合わせ (ランタイム プロバイダー用)

キーワードとフラグ

アプリケーション ドメイン、アセンブリ、モジュールの読み込み/アンロード イベント

メソッドの読み込み/アンロード イベント (動的イベントを除く)

動的メソッドの読み込み/破棄イベント

LoaderKeyword

読み込みイベントとアンロード イベント。

なし。

なし。

JITKeyword

(StartEnumerationKeyword を追加しても何も追加されません)

なし。

読み込みイベント。

読み込みイベントとアンロード イベント。

JITKeyword +

EndEnumerationKeyword

なし。

読み込みイベントとアンロード イベント。

読み込みイベントとアンロード イベント。

NGenKeyword

なし。

なし。

該当なし。

NGenKeyword +

StartEnumerationKeyword

なし。

読み込みイベント。

該当なし。

NGenKeyword +

EndEnumerationKeyword

なし。

アンロード イベント。

該当なし。

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シンボルを解決するためのキーワードの組み合わせ (ランダウン プロバイダー用)

キーワードとフラグ

アプリケーション ドメイン、アセンブリ、モジュールの DCStart/DCEnd イベント

メソッドの DCStart/DCEnd イベント (動的メソッドのイベントを含む)

LoaderRundownKeyword +

StartRundownKeyword

DCStart イベント。

なし。

LoaderRundownKeyword +

EndRundownKeyword

DCEnd イベント。

なし。

JITKeyword +

StartRundownKeyword

なし。

DCStart イベント。

JITKeyword +

EndRundownKeyword

なし。

DCEnd イベント。

NGenKeyword +

StartRundownKeyword

なし。

DCStart イベント。

NGenKeyword +

EndRundownKeyword

なし。

DCEnd イベント。

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ETW イベント レベル

ETW イベントは、レベルでフィルター処理することもできます。 レベルを 0x5 に設定すると、すべてのレベルのイベント (キーワードによって有効にされたカテゴリに属するイベント) が発生します。 レベルを 0x2 に設定すると、0x2 以下のレベルに属するイベントのみが発生します。

レベルには、次の意味があります。

0x5 - 詳細

0x4 - 情報提供

0x3 - 警告

0x2 - エラー

0x1 - 重大

0x0 - 常に記録

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参照

概念

CLR ETW イベント

その他の技術情報

CLR ETW プロバイダー

共通言語ランタイムの ETW イベント