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Windows ロケールから生成されたカルチャ

.NET Framework のグローバリゼーション サポートにより、Windows ロケールに対応するカルチャが .NET Framework に存在しない場合は、自動的に作成されます。

生成されるカルチャ

Windows にはロケールのセットが付属しています。これらは .NET Framework のカルチャに対応するもので、テキストの並べ替え方法、データの書式設定方法、数値および通貨の表示形式などのカルチャ固有の情報を指定します。 また、Windows では、ELK (Enabled Languages Kit) と呼ばれる機能をサポートしています。この機能により、オペレーティング システムの新しいリリースを入手しなくても、新しいロケールを追加できます。 そのため、アプリケーションでは .NET Framework のカルチャと一致しないロケールを Windows に追加できます。

.NET Framework には存在せず、Windows には対応するロケールが存在するカルチャに対して、アプリケーションが CultureInfo オブジェクトを作成しようとすると、.NET Framework では Windows ロケールに基づいて自動的に新しいカルチャが作成されます。 新しいカルチャは、アプリケーションがその名前または識別子を指定すると作成され、.NET Framework の他のカルチャと同様に使用できます。

生成されたカルチャの名前は、その ISO 639 言語コード、および ISO 3166 国/地域コードから成ります。オプションで、記述される言語の ISO 15924 スクリプト タグが含まれることもあります。 たとえば、ボスニア-ヘルツェゴビナで使用され、ラテン文字で記述されるボスニア語を使用したカルチャの名前は、bs-Latn-BA です。 名前および識別子を持つサポートされているカルチャの全一覧については、Go Global Developer Center の NLS 情報ページ(https://msdn.microsoft.com/en-us/goglobal/bb896001.aspx) を参照してください。

パフォーマンスに関する考慮事項

Windows ロケールから生成されたカルチャは、そのカルチャについて CultureInfo コンストラクターが初めて呼び出されたときに作成されます。この作成プロセスは時間がかかります。 ただし、以降のカルチャ オブジェクトは、パフォーマンスが低下することなく作成されます。

カルチャのシリアル化および逆シリアル化は、CultureInfo オブジェクトのバイナリ表現を作成し、そのバイナリ表現を使用して元の CultureInfo オブジェクトを再構成するプロセスです。 アプリケーションでは、あるコンピューターでシリアル化したカルチャを別のコンピューターで逆シリアル化できます。 ただし、あるコンピューターでアプリケーションが ELK ロケールから派生したカルチャをシリアル化した場合、同じ ELK ロケールがインストールされていない別のコンピューターでバイナリ表現を逆シリアル化すると、例外がスローされます。

既定値

Windows ロケールからのデータは、そのロケールから作成された CultureInfo オブジェクトの対応するプロパティの作成に使用されます。 対応するロケール データがない場合は、プロパティは既定値で作成されます。

多くの CultureInfo メソッドおよび一部のプロパティの戻り値は、カルチャ固有のデータに依存します。 Windows ロケールが生成されたカルチャについてカルチャ固有のデータを提供しない場合、データは既定のカルチャから派生します。 通常は、既定のカルチャはインバリアント カルチャです。

.NET Framework カルチャをサポートする CultureInfoRegionInfoNumberFormatInfoCompareInfoTextInfo、および Calendar クラスの、プロパティの既定値およびメソッドの既定のカルチャを次の表に示します。

CultureInfo

メンバー

既定値

IsNeutralCulture

false。Windows には中立的なカルチャがないため。

Parent

インバリアント カルチャ。Windows には中立的なカルチャがないため。

GetConsoleFallbackUICulture

インバリアント カルチャ。

RegionInfo

メンバー

既定値

GeoId

Windows 2000 ではゼロ。Windows XP 以降からは継承。

DateTimeFormatInfo

メンバー

既定値

GetAbbreviatedEraName

インバリアント カルチャ。

GetEra

インバリアント カルチャ。

GetEraName

インバリアント カルチャ。

MonthDayPattern

インバリアント カルチャ。

NativeCalendarName

インバリアント カルチャ。

NumberFormatInfo

メンバー

既定値

NaNSymbol

インバリアント カルチャ。

NegativeInfinitySymbol

インバリアント カルチャ。

PercentDecimalDigits

インバリアント カルチャ。

PercentDecimalSeparator

インバリアント カルチャ。

PercentGroupSeparator

インバリアント カルチャ。

PercentGroupSizes

インバリアント カルチャ。

PercentNegativePattern

インバリアント カルチャ。

PercentPositivePattern

インバリアント カルチャ。

PercentSymbol

インバリアント カルチャ。

PerMilleSymbol

インバリアント カルチャ。

PositiveInfinitySymbol

インバリアント カルチャ。

CompareInfo

メンバー

既定値

IndexOf

(なし)

IsPrefix

(なし)

IsSuffix

(なし)

LastIndexOf

(なし)

TextInfo

メンバー

既定値

ToTitleCase

Windows ロケールの ANSI コード ページがトルコ語でない限り、en-US カルチャと同じ結果です。 この場合、既定値は tr-TR カルチャと同じ結果です。

Calendar

メンバー

既定値

すべて

InvariantCulture によって返されるカレンダーの対応するメンバー。

最新の ELK バージョンのカルチャ名

アプリケーションは、CultureInfo コンストラクターでカルチャのカルチャ名またはカルチャ識別子を指定することによって、カルチャを作成します。 ELK バージョン 1 および 2 に付属する Windows カルチャを次に示します。 名前および識別子を持つサポートされているカルチャの全一覧については、Go Global Developer Center の NLS 情報ページ(https://msdn.microsoft.com/en-us/goglobal/bb896001.aspx) を参照してください。

  • ベンガル語 (インド)

  • ボスニア語 (キリル、ボスニア-ヘルツェゴビナ)

  • ボスニア語 (ラテン、ボスニア-ヘルツェゴビナ)

  • クロアチア語 (ボスニア-ヘルツェゴヴィナ)

  • ダリ語 (アフガニスタン)

  • フィリピン語 (フィリピン)

  • イヌクティトット語 (ラテン、カナダ)

  • アイルランド語 (アイルランド)

  • コサ語 (南アフリカ)

  • ズールー語 (南アフリカ)

  • ルクセンブルク語 (ルクセンブルク)

  • マレーシア語 (インド)

  • マルタ語 (マルタ)

  • マオリ語 (ニュージーランド)

  • マプドゥングン語 (チリ)

  • モホーク語 (カナダ)

  • ネパール語 (ネパール)

  • パシュトウ語 (アフガニスタン)

  • ケチュア語 (ボリビア)

  • ケチュア語 (エクアドル)

  • ケチュア語 (ペルー)

  • ロマンシュ語 (スイス)

  • イナリ サーミ語 (フィンランド)

  • ルレ サーミ語 (ノルウェー)

  • ルレ サーミ語 (スウェーデン)

  • 北サーミ語 (フィンランド)

  • 北サーミ語 (ノルウェー)

  • 北サーミ語 (スウェーデン)

  • スコルト サーミ語 (フィンランド)

  • 南サーミ語 (ノルウェー)

  • 南サーミ語 (スウェーデン)

  • セルビア語 (キリル、ボスニア-ヘルツェゴビナ)

  • セルビア語 (ラテン、ボスニア-ヘルツェゴビナ)

  • セント サ レボア語 (南アフリカ)

  • セツワナ語 (南アフリカ)

  • 上ソルブ語 (ドイツ)

  • ウェールズ語 (英国)

参照

処理手順

方法: カスタム カルチャを作成する

参照

CultureInfo

CultureAndRegionInfoBuilder