セッション
このセッションのサンプルでは、セッションを必要とするコントラクトを実装する方法を示します。セッションは、複数の操作を実行するためのコンテキストを提供します。これにより、サービスは特定のセッションに状態を関連付けることができ、後続の操作はその前の操作の状態を使用できます。このサンプルは、電卓サービスを実装する「入門サンプル」に基づいています。ICalculator
コントラクトは、一連の算術演算を実行して実行結果を保持できるように変更されました。この機能は ICalculatorSession
コントラクトによって定義されます。サービスは、複数のサービス操作が呼び出されて計算を実行する際に、クライアントの状態を保持します。クライアントは Result()
を呼び出して現在の結果を取得したり、Clear()
を呼び出してその結果をクリアし、0 にすることができます。
この例では、クライアントはコンソール アプリケーション (.exe) で、サービスはインターネット インフォメーション サービス (IIS) によってホストされます。
注 : |
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このサンプルのセットアップ手順とビルド手順については、このトピックの最後を参照してください。 |
コントラクトの SessionMode を Required
に設定すると、コントラクトが特定のバインディングを介して公開される場合に、そのバインディングはセッションをサポートします。バインディングがセッションをサポートしない場合は、例外がスローされます。ICalculatorSession
インターフェイスは、1 つまたは複数の操作が呼び出されるように定義されており、これによって実行結果が変更されます。次のサンプル コードを参照してください。
[ServiceContract(Namespace="http://Microsoft.ServiceModel.Samples", SessionMode=SessionMode.Required)]
public interface ICalculatorSession
{
[OperationContract(IsOneWay=true)]
void Clear();
[OperationContract(IsOneWay = true)]
void AddTo(double n);
[OperationContract(IsOneWay = true)]
void SubtractFrom(double n);
[OperationContract(IsOneWay = true)]
void MultiplyBy(double n);
[OperationContract(IsOneWay = true)]
void DivideBy(double n);
[OperationContract]
double Result();
}
サービスは、PerSession の InstanceContextMode を使用して、指定されたサービス インスタンスのコンテキストを各入力セッションにバインドします。これにより、サービスは、ローカルのメンバ変数内に各セッションの実行結果を保持できます。
[ServiceBehavior(InstanceContextMode=InstanceContextMode.PerSession)]
public class CalculatorService : ICalculatorSession
{
double result = 0.0D;
public void Clear()
{ result = 0.0D; }
public void AddTo(double n)
{ result += n; }
public void SubtractFrom(double n)
{ result -= n; }
public void MultiplyBy(double n)
{ result *= n; }
public void DivideBy(double n)
{ result /= n; }
public double Result()
{ return result; }
}
このサンプルを実行すると、クライアントはサーバーに対していくつかの要求を行い、その後、その要求がクライアント コンソール ウィンドウに表示されます。クライアントをシャットダウンするには、クライアント ウィンドウで Enter キーを押します。
(((0 + 100) - 50) * 17.65) / 2 = 441.25
Press <ENTER> to terminate client.
サンプルを設定、ビルド、および実行するには
「Windows Communication Foundation サンプルの 1 回限りのセットアップの手順」が実行済みであることを確認します。
ソリューションの C# 版または Visual Basic .NET 版をビルドするには、「Windows Communication Foundation サンプルのビルド」の手順に従います。
単一コンピューター構成か複数コンピューター構成かに応じて、「Running the Windows Communication Foundation Samples」の手順に従います。
注 : |
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サンプルは、既にコンピューターにインストールされている場合があります。続行する前に、次の (既定の) ディレクトリを確認してください。
<InstallDrive>:\WF_WCF_Samples
このディレクトリが存在しない場合は、「.NET Framework 4 向けの Windows Communication Foundation (WCF) および Windows Workflow Foundation (WF) のサンプル」にアクセスして、Windows Communication Foundation (WCF) および WF のサンプルをすべてダウンロードしてください。このサンプルは、次のディレクトリに格納されます。
<InstallDrive>:\WF_WCF_Samples\WCF\Basic\Contract\Service\Session
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