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コマンド プロンプトを使用した Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM のインストール

 

公開日: 2016年7月

対象: Dynamics CRM 2015

Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM のインストールは 2 つの手順で行います。 まず、セットアップを実行してファイルをコンピュータにインストールする必要があります。 次に、Microsoft Dynamics CRM構成ウィザード を実行して、アプリケーションを構成し、インストールを完了します。

重要

構成ファイルとコマンドライン パラメーターの値が異なる場合は、コマンドライン パラメーターが優先されます。

このトピックの内容

手順 1: ファイルのインストール

手順 2: XML 構成ファイルを使用した Outlook 用 CRM の構成

Outlook 用 CRM を構成するためのコマンドの例

Outlook 用 CRM の XML 構成ファイルの要素

ユーザーの資格情報は、構成ウィザードを実行するときに必要です

構成のための Outlook 用 CRM の XML 構成ファイル サンプル

手順 1: ファイルのインストール

次のコマンドにより、コマンド プロンプトで Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM セットアップを実行するときに使用できるオプションを表示できます。

Setupclient.exe [/A] [/Q] [/X] [/L or /LV "[drive:][[ path] logfilename.log]"] [/targetdir "[drive:][ path]"] [/installofflinecapability] [/disableofflinecapability] [/ignoreofflinequeue]

Outlook 用 CRM をインストールするためのコマンド例

外出先にいるときや、Microsoft Dynamics CRM Server に常時接続できないユーザーも、オフライン アクセス対応 Microsoft Office Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM によって顧客データにアクセスできます。オフライン アクセス対応 Microsoft Office Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM を自動モードでインストールするには、次のように入力します。

Setupclient /Q /l c:\clientinstalllog.txt /installofflinecapability /targetdir "c:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM Client"

オフライン アクセス対応 Microsoft Office Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM を自動モードでアンインストールするには、次のように入力します。

SetupClient /x /q

Outlook 用 CRM をインストールするためのパラメーター

パラメーター

説明

なし​​

パラメーターを指定しないと、ディスプレイの画面全体を使用して Setupclient.exe が実行されます。

installofflinecapability

オフライン機能をインストールするかどうかを指定します。 このパラメーターを使用するとき、オフライン機能とコンポーネントがインストールされます。 このパラメーターを指定しない場合、オンライン専用クライアントがインストールされます。

/targetdir <"drive:\path">

Outlook 用 Dynamics CRM ファイルがインストールされるフォルダーを指定します。

/A

Windows インストーラー パッケージを作成することによって、Outlook 用 Dynamics CRM の管理者用インストールが作成されます。 このパッケージによって、ユーザーがネットワーク共有からセットアップを実行したり、管理者ではないユーザーがグループ ポリシーの適用を受けながらセットアップを実行したりできるようになります。 このパラメーターは前に説明した /targetdir パラメーターと一緒に使用する必要があります。 このパラメーターを使用するとき、/targetdir の値はローカル コンピューター上に存在する必要はありません。 マップ ドライブまたは \\share\mscrm_client_admin などのネットワーク共有を使用できます。

重要

/targetdir パラメーターを使用してターゲット フォルダーを指定しない場合は、セットアップ によって既定のフォルダー <ドライブ:> Program Files\Microsoft Dynamics CRM に管理者用インストールがインストールされます。

たとえば、次のコマンドを使用します。

Setupclient /Q /A /targetdir "\\share\mscrm_client_admin"

/Q

自動モードでのインストールです。 このパラメーターを指定する場合、XML 形式の構成ファイルが必要です。/i パラメーターで、その XML 構成ファイルの名前を指定します。 画面にはダイアログ ボックスやエラー メッセージが表示されません。 エラー メッセージの情報を取得するには、ログ ファイル パラメーター (/L または /LV) を指定します。

/L [drive:][[path] logfilename.log]

インストール動作のログ ファイルを作成します。 ログ ファイルの名前および作成先を指定する必要がありますが、%appdata%\CRMLogs などの相対パスは使用できません。

/LV [drive:][[path] logfilename.log]

インストール動作の詳細ログ ファイルを作成します。 ログ ファイルの名前および作成先を指定する必要がありますが、%appdata%\CRMLogs などの相対パスは使用できません。

disableofflinecapability

このパラメーターを指定すると、アプリケーションで [オフラインにする] ボタンが非表示になるように Outlook 用 Dynamics CRM が構成されます。 このボタンを使用すると、ユーザーはオフライン機能付きの Outlook 用 Dynamics CRM に簡単に切り替えられます。

ignoreofflinequeue

このパラメーターを指定すると、セットアップ は、アップグレード中にオフライン キューに残る可能性があるアイテムの同期を試行しません。

/X

Outlook 用 Dynamics CRM をアンインストールします。 これは、アプリケーションが既にインストールされているときのみに使用できるメンテナンス モード オプションです。

インストールのための Outlook 用 CRM の XML 構成ファイル サンプル

次の構成ファイルのサンプルでは、Program Files フォルダーへのオフライン アクセス機能を与えずに Outlook 用 Dynamics CRM をインストールします。

注意

インストールおよび構成の両方の要素を含む同じファイルを使用できます。セットアップ および 構成ウィザード は、処理に関係しない要素は無視します。

<Deployments>
<TargetDir>c:\program files\Microsoft Dynamics CRM\Client</TargetDir>
<InstallOfflineCapability>false</InstallOfflineCapability>
</Deployments>

手順 2: XML 構成ファイルを使用した Outlook 用 CRM の構成

Outlook 用 Dynamics CRM をインストールしたら、構成する必要があります。 これには、コマンド プロンプトで Outlook 用 Dynamics CRM構成ウィザード を実行します。構成ウィザード ファイルには Microsoft.Crm.Application.Outlook.ConfigWizard.exe という名前が付けられ、Outlook 用 Dynamics CRM がインストールされる Client\ConfigWizard フォルダーに配置されます。 既定では、フォルダーは C:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM です。

注意

Outlook 用 Dynamics CRMを実行するユーザーの資格情報は、Microsoft Dynamics CRM での認証に使用されます。 そのため、Outlook 用 Dynamics CRM の自動構成を行うには、構成ウィザードをユーザーのコンテキストで実行する必要があります (ユーザー呼び出しのバッチ ファイルの実行またはログオン スクリプト内のワンタイム エントリとするなど)。 詳細については、「ユーザーの資格情報は、構成ウィザードを実行するときに必要です」を参照してください。 Microsoft グループ ポリシーを使用して Outlook 用 Dynamics CRM を展開するには、「グループ ポリシーを使用した Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM の展開」を参照してください。

構成ファイルのパスが指定されない場合、構成ウィザード は既定の構成ファイル (default_client_config.xml) を非移動ユーザー プロファイル フォルダー ((%localappdata%\Microsoft\MSCRM\) で探します。 非移動ユーザー プロファイル フォルダーにファイルがない場合、構成ウィザードは Outlook 用 Dynamics CRM がインストールされたフォルダーを探します。 既定では、Outlook 用 Dynamics CRM は C:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM フォルダーにインストールされます。

構成ファイルが他のアプリケーションで使用される移動ユーザー ロケーション (AppData\Roaming\Microsoft\MSCRM\) にある場合は受け入れられません。

Outlook 用 CRM を構成するためのコマンドの例

次のコマンドは、config_client.xml という名前のファイルを使用して自動モードで オフライン アクセス対応 Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM を構成し、clientinstall.log という名前のログ ファイルを出力します。

Microsoft.Crm.Application.Outlook.ConfigWizard.exe /Q /i c:\config_client.xml /xa /l c:\clientinstall.log

Q 自動モード構成パラメーターを使用する場合は、XML 形式の構成ファイルが必要です。 画面にはダイアログ ボックスやエラー メッセージが表示されません。 エラー メッセージの情報を取得するには、ログ ファイル パラメーター (/L) または詳細ログ (/LV) を指定します。

重要

Windows の保管サービス内に保管された有効なユーザーの資格情報は、自動モードで 構成ウィザード を実行するときに必要となります。詳細 :ユーザーの資格情報は、構成ウィザードを実行するときに必要です

/i [ドライブ:] [[パス] 構成ファイル名.xml]] というコマンド ライン パラメーターで、Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM セットアップ に必要な情報を提供します。 この情報は、各インストール画面で必要な情報と同じです。XML 要素は米国英語である必要があり、特殊文字および拡張文字は使用できません。XML 要素がローカライズされている XML 構成ファイルは正常に動作しません。 各 XML 要素の説明と XML ファイルのサンプルを次に示します。

/xa パラメーターを /q パラメーターと共に使用すると、Outlook 用 Dynamics CRM で構成されているすべての組織が削除されます。

/R パラメーターを使用すると、構成ウィザード ユーザー インターフェイスを表示しないで、進行ダイアログ ボックスのみを表示することができます。 このパラメーターには、ローカル ユーザーの AppData またはクライアントのインストール フォルダーに置く必要がある、Default_Client_Config.xml という名前の有効な XMLセットアップ ファイルが必要です。

Outlook 用 CRM の XML 構成ファイルの要素

Element

説明

<Deployments> </Deployments>

構成ファイルは、ルート要素として <Deployment> を使用する、有効な XML ファイルである必要があります。

<InstallOfflineCapability>true/false</InstallOfflineCapability>

Outlook 用 Dynamics CRM のインストールの種類を指定します。true を指定すると オフライン アクセス対応 Outlook 用 Microsoft Dynamics CRM 機能がインストールされます。

<TargetDir>drive:\path</TargetDirectory>

Outlook 用 Dynamics CRM ファイルがインストールされるフォルダーを指定します。

<Deployment> </Deployment>

以下のすべての要素の親要素です。

<DiscoveryUrl>https://website:portnumber</DiscoveryUrl>

Microsoft Dynamics CRM検出 Web サービス の URL を指定します。

Microsoft Dynamics CRM Serverの設置型展開では、サポートされるバインディングは HTTPS または HTTP です。検出 Web サービスが既定のポート 80 (HTTP) または 443 (HTTPS) 以外のポートを使用する場合は、ポート番号を指定する必要があります。 これが Microsoft Dynamics CRM Server のフル サーバー展開である場合、検出 Web サービス の URL は Web アプリケーションの URL と同じです (http://crmserver など)。

Microsoft Dynamics CRM Online では、https://orgname.crm.dynamics.com などの組織の完全な URL、またはオンライン環境および場所に応じ、https://disco.crm.dynamics.com のフォームの探索サービス URL を使用します。URLs の一覧は、MSDN: 探索サービスを参照してください。

<Organizations> </Organizations>

以下の <Organization> 要素の親要素です。

<Organization FriendlyName="組織のわかりやすい名前" IsPrimary="true"/"false">OrganizationName</Organization>

クライアントから接続する接続先の組織の名前を指定します。

FriendlyName。Outlook の組織名以外の別の表示名を指定します。

IsPrimary。Outlook 用 Dynamics CRM で同期対象の組織として構成される組織を指定します。

注意

OrganizationName では大文字と小文字が区別されます。

<CEIPNotification>true/false</CEIPNotification>

Outlook 用 Dynamics CRM に “カスタマー エクスペリエンス向上プログラムに参加します” 通知バナーを表示するかどうかを指定します。 既定の設定は true で、通知バナーが表示されます。false を指定すると、通知バナーが Outlook 用 Dynamics CRM に表示されません。詳細 :Microsoft カスタマー エクスペリエンス向上プログラム

ユーザーの資格情報は、構成ウィザードを実行するときに必要です

構成ウィザード にはユーザーの資格情報が必要です。 自動構成中に、/Q を Microsoft.Crm.Application.Outlook.ConfigWizard.exe ファイルと共に使用すると、構成ウィザード は Windows の保管サービス内のユーザー資格情報を検索します。構成ウィザード が資格情報を検索できないか、資格情報が指定された形式ではない場合、構成は完了せず、エラーが構成ログ ファイルに記録されます。構成ウィザード が、ユーザー UPN またはパスワードの XML 構成ファイルへの追加をサポートしていないことに注意してください。 コマンド スクリプトから Windows の保管サービスにユーザー資格情報を追加する方法については、ブログ記事「CRM 2011 の Outlook クライアント用 CRM の自動構成は有効な環境を要求」を参照してください。 Windows の保管サービスおよび資格情報マネージャーの詳細については、「資格情報マネージャーとは」を参照してください。

構成のための Outlook 用 CRM の XML 構成ファイル サンプル

次の構成ファイルのサンプルでは、Contoso という名前のプライマリ組織、および、crmserver という名前の Microsoft Dynamics CRM Server 上にある AdventureWorksCycle という名前の別の組織に接続するように Outlook 用 Dynamics CRM を構成しています。

注意

インストールおよび構成の両方の要素を含む同じファイルを使用できます。セットアップ および 構成ウィザード は、処理に関係しない要素は無視します。

サンプルの Default_Client_Config.xml ファイル

<Deployments>
<Deployment>
<DiscoveryUrl>http://crmserver</DiscoveryUrl>
<Organizations>
<Organization IsPrimary='true'>Constoso</Organization>
<Organization>AdventureWorksCycle</Organization>
</Organizations>
<CEIPNotification>false</CEIPNotification>
</Deployment>
</Deployments>

注意

前述のサンプルでは、ユーザーがアクセスできる 2 つの別々の組織を指定し、“カスタマー エクスペリエンス向上プログラムに参加します” 通知バナーを表示しないように Outlook 用 Dynamics CRM を構成しています。Organizationの要素の値には、特殊な文字またはスペースを含めることはできません。Microsoft Dynamics CRM (設置型) の場合、Get-CrmOrganization Windows PowerShell コマンドレットを実行するか、展開マネージャー の [組織] 領域の [名前] で組織の一意の名前を見つけることができます。

スクリプトを使用して Outlook 用 CRM を構成する

  1. Outlook 用 Dynamics CRM のユーザーのために構成の設定を自動的に更新するスクリプトを記述します。 次のような行を使用して、<servername> として指定されたコンピューターに格納された新しい構成ファイルに基づき、基本的な構成の操作を実行できます。

    次のスクリプトでは、既定のクライアント構成ファイルが上書きされ、以前に構成した組織が削除され、ユーザー資格情報が Windows 保管サービスに追加され、新しい組織がインストールされます。

    copy /y \\<servername>\share\Default_Client_Config.xml "c:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM\Default_Client_Config.xml"
    "C:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM\Client\ConfigWizard\Microsoft.Crm.Application.Outlook.ConfigWizard.exe" /q /xa
    cmdkey /generic:Microsoft_CRM_https://contoso.crm.dynamics.com/ /user:user@contoso.com /password{password_goes_here}
    "C:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM\Client\ConfigWizard\Microsoft.Crm.Application.Outlook.ConfigWizard.exe" /q /i 
    "C:\Program Files\Microsoft Dynamics CRM\Default_Client_Config.xml"
    

    ヒント

    Microsoft System Center 2012 構成マネージャー などを使用して、スクリプトをログオン スクリプトとして実行するか、特定の時刻に強制的に実行することを検討してください。

    このスクリプトには、クライアント コンピューターが構成済みであるかどうかを判断する検出ロジックを含めることもできます。 構成済みである場合は、操作を行わずにスプリプトを終了できます。

    サンプルの Default_Client_Config.xml ファイル

    <Deployment>
    <DiscoveryUrl>http://CrmDiscoveryUrl</DiscoveryUrl>
    <Organizations>
    <Organization IsPrimary='true'>Organization1</Organization>
    </Organizations>
    </Deployment>
    
  2. サーバーが変更された組織内の各クライアント コンピューターでスクリプトを実行します。 スクリプトはさまざまな方法で実行できます。たとえば、Active Directory ユーザーとコンピューター (ADUC) のユーザー プロパティ ダイアログ ボックスの [プロファイル] タブを使用する方法や、グループ ポリシー オブジェクト (GPO) を使用する方法があります。

関連項目

Outlook 用 CRM のセットアップ
コマンド プロンプトを使用した Microsoft Dynamics CRM Server のインストール
Outlook 用 CRM

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