送信者評価のプロパティの構成
適用先 : Exchange Server 2010
送信者評価は、送信者の特徴に従ってメッセージをブロックするのに使用できるスパム対策機能です。送信者評価機能は、たとえば、スパムや、送信者が送信したスパムではないメッセージの量など、送信者および過去の SMTP の相互動作を継続的に監視します。送信者評価は、送信者に関するデータに基づいて、受信メッセージに対して行う処理がある場合にどの処理を行うかを判断します。
ここでは、EMC またはシェルを使用して、送信者評価を構成する方法を説明します。
注 : |
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送信者評価は Exchange におけるスパム対策機能スイートの一部です。 既定では、スパム対策機能はエッジ トランスポート サーバーでのみ利用できます。お勧めできませんが、ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にすることもできます。ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にする方法の詳細については、「ハブ トランスポート サーバーのスパム対策機能を有効にする」を参照してください。このトピックの手順は、エッジ トランスポート サーバーでスパム対策機能を構成するためのものですが、プロセスはハブ トランスポート サーバーと同じです。 |
実行内容
- EMC を使用した送信者評価の構成
- シェルを使用した送信者評価の構成
EMC を使用した送信者評価の構成
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。
- コンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] をクリックします。
- 結果ウィンドウで構成するエッジ サーバーをクリックし、作業ウィンドウで [スパム対策] タブを選択します。
- [送信者評価] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
- [全般] タブには、送信者評価機能に関する以下の情報が表示されます。
- [状態] 送信者評価機能が有効、または無効であるかを表示します。
- [最終変更日時] 送信者評価プロパティが最後に変更された日時を表示します。
- [説明] 送信者評価機能の簡単な説明を表示します。
- オープン プロキシ サーバーの検出を有効または無効にするには、[送信者の信頼度] タブを使用します。オープン プロキシ サーバーのテストは、送信者評価が送信者評価レベルを計算するために評価する特性の 1 つです。SRL は、0 ~ 9 の数字で、送信者がスパム発信者または悪意のあるユーザーである確率を予測したものです。有効になっている場合、送信者評価は、そのコンピューターのすべての受信コネクタを介して入ってくる外部メッセージをすべてフィルター処理します。送信者評価は、プロキシ サーバーがオープン プロキシ サーバーであると確認すると、SRL レベルを適切に調整します。既定では、オープン プロキシ サーバーの検出は有効になっています。
- [送信者の信頼レベルを決定する際にオープン プロキシ テストを実行する] [レベル] オープン プロキシ サーバーの検出を無効にするには、このチェック ボックスをオフにします。オープン プロキシ サーバーの検出を有効にするには、このチェック ボックスをオンにします。
- SRL の送信者ブロックのしきい値を設定するには、[操作] タブを使用します。SRL による禁止のしきい値は、送信者評価で送信者を拒否するために超える必要がある SRL の値を定義します。既定では、SRL 値は 7 です。SRL 値を調整する前に、既定のレベルでその効果を確認する必要があります。
- [送信者評価レベルによる禁止のしきい値] スライダーをドラッグして、SRL ブロックしきい値を設定します。
- [しきい値アクション] SRL 禁止しきい値を超えた場合に IP 禁止一覧に送信者を入れておく時間を入力または選択します。値は 0 ~ 48 時間の間である必要があります。
シェルを使用した送信者評価の構成
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。
組織の送信者評価オプションを構成するには Set-SenderReputationConfig コマンドレットを使用します。
以下の例では、送信者の信頼度を判断するため、オープン プロキシ テストを実行するように送信者評価を構成します。
Set-SenderReputationConfig -OpenProxyDetectionEnabled $true
以下の例では、オープン プロキシ テストに合格しなかったホストの IP アドレスを、IP 禁止一覧に追加するように送信者評価を構成します。このパラメーターを使用する場合、OpenProxyDetectionEnabled パラメーターも $true
に設定する必要があります。
Set-SenderReputationConfig -SenderBlockingEnabled $true -OpenProxyDetectionEnabled $true
以下の例では、SRL 禁止しきい値を 6 に設定し、違反送信者を IP 禁止一覧に 36 時間追加するように送信者評価を構成します。
Set-SenderReputationConfig -SrlBlockThreshold 6 -SenderBlockingPeriod 36
構文およびパラメーターの詳細については、「Set-SenderReputationConfig」を参照してください。