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コンテンツ フィルターのプロパティの構成

  • [アーティクル]

適用先 : Exchange Server 2010

コンテンツ フィルター エージェントがあるコンピューターで有効になっていると、そのコンピューターのどの受信コネクタを経由したメッセージであってもすべてフィルター処理されます。認証されていないソースから届いたメッセージだけがフィルター処理されます。

ここでは、Exchange エッジ トランスポート サーバー上でコンテンツ フィルターを構成する際の、EMC やシェルの使用方法について説明します。

Bb124490.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
コンテンツ フィルターは、Exchange の一連のスパム対策機能の一部です。 既定では、スパム対策機能はエッジ トランスポート サーバーでのみ利用できます。お勧めできませんが、ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にすることもできます。ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にする方法の詳細については、「ハブ トランスポート サーバーのスパム対策機能を有効にする」を参照してください。このトピックの手順は、エッジ トランスポート サーバーでスパム対策機能を構成するためのものですが、プロセスはハブ トランスポート サーバーと同じです。

実行内容

  • EMC を使用してコンテンツ フィルターを構成する
  • シェルを使用してコンテンツ フィルターを構成する
  • シェルを使用して許可または禁止する語句を構成する
  • シェルを使用して受信者と送信者の例外を構成する
  • シェルを使用して SCL のしきい値を構成する
  • シェルを使用して拒否応答を構成する
  • シェルを使用して Outlook 電子メールの消印を構成する

EMC を使用してコンテンツ フィルターを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。

  1. コンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] をクリックします。

  2. 結果ウィンドウで、構成するエッジ トランスポート サーバーをクリックし、作業ウィンドウで [スパム対策] タブを選択します。

  3. [コンテンツ フィルター] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  4. [全般] タブにコンテンツ フィルター機能に関する次のような情報が表示されます。

    • [状態]   コンテンツ フィルターが有効であるか無効であるかを示しています。
    • [最終変更日時]   コンテンツ フィルターのプロパティが変更された最終日時を示しています。
    • [説明]   コンテンツ フィルターの簡単な説明を表示しています。

  5. [カスタム単語] タブを使用して、特定の単語や語句を認識してフィルター処理するコンテンツ フィルター エージェントを構成します。コンテンツ フィルター エージェントは、指定された単語や語句を検出すると、Sender Confidence Level (送信者の信頼レベル) を調整します。SCL レベルは 0 ～ 9 の数値です。SCL レベルが高いほど、メッセージがスパムである可能性が高いことを示します。

    • [次の単語または文字列を含むメッセージをブロックしない]   語句の許可一覧に単語や語句を追加するには、このフィールドにスパム メッセージに含まれる可能性がほとんどない単語や語句を入力し、[追加] をクリックします。
      許可される語句一覧から単語や語句を削除するには、単語や語句を選択し、[削除] アイコン をクリックします。
      コンテンツ フィルター エージェントが許可する単語または語句を検出すると、そのメッセージの SCL レベルは 0 に設定されます。
    • [メッセージに上の一覧の単語または文字列が含まれる場合を除き、次の単語または文字列を含むメッセージをブロックする]   このフィールドに、スパム メッセージに含まれる可能性の高い単語や語句を入力し、[追加] をクリックして禁止する語句一覧に単語や語句を追加します。一覧から単語や語句を削除するには、単語や語句を選択し、[削除] アイコン をクリックします。
      コンテンツ フィルター エージェントがメッセージ内に禁止する語句を検出すると、そのメッセージの SCL レベルは 9 に設定されます。
      Bb124490.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
      許可される語句一覧は、禁止する語句一覧より優先されます。したがって、許可される語句一覧に含まれる語句がメッセージに含まれている場合は、そのメッセージに禁止される語句が含まれていても、SCL レベル 0 が割り当てられます。

  6. コンテンツ フィルター エージェントでメッセージを確認しない組織の受信者を最大 100 人指定するには、[例外] タブを使用します。たとえば、顧客サポート用の電子メール エイリアスがある場合に、そのアドレス宛ての受信電子メール メッセージをすべて受け付けます。

    • [次の受信者に送信されるメッセージのコンテンツにはフィルターを適用しない]   このフィールドに組織内の受信者のフル SMTP アドレスを入力し、[追加] をクリックします。
      以前に追加した受信者のアドレスを変更するには、そのアドレスを選択して [編集] をクリックします。
      以前に追加した受信者のアドレスを削除するには、そのアドレスを選択して [削除] アイコン をクリックします。

  7. [アクション] タブを使用して、コンテンツ フィルター エージェントが メッセージの SCL レベルに基づいてメッセージに対し行う操作を定義します。削除アクションの方が拒否アクションより優先され、拒否アクションの方が検疫アクションより優先されます。したがって、SCL による削除アクションのしきい値は、SCL による拒否アクションのしきい値よりも大きい値である必要があります。同じく、拒否アクションのしきい値は、SCL による検疫アクションのしきい値よりも大きい値である必要があります。

    • [SCL レベルが次の値以上のメッセージを削除する]   このオプションを選択して、削除対象となる SCL のしきい値を構成し、対応する SCL レベル ボックスで 0 ～ 9 の数字を入力または選択します。
    • [SCL レベルが次の値以上のメッセージを拒否する]   このオプションを選択して、拒否対象となる SCL のしきい値を構成し、対応する SCL レベル ボックスで 0 ～ 9 の数字を入力または選択します。
    • [SCL レベルが次の値以上のメッセージを隔離する]   このオプションを選択して、検疫対象となる SCL のしきい値を構成し、対応する SCL レベル ボックスで 0 ～ 9 の数字を入力または選択します。
      ◊ [検疫メールボックスの電子メール アドレス]   このフィールドを使用して、検疫済みのメッセージを格納するメールボックスの SMTP アドレスを入力します。

シェルを使用してコンテンツ フィルターを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。

Set-ContentFilterConfig、Add-ContentFilterPhrase、Remove-ContentFilterPhrase の各コマンドレットを使用して、すべての使用可能なコンテンツ フィルター設定を変更できます。次の例では、これらのコマンドレットを使用してさまざまなタスクを実行する方法を紹介します。

シェルを使用して許可または禁止する語句を構成する

Add-ContentFilterPhrase コマンドレットを使用して、許可または禁止する単語や語句を追加します。Influence パラメーター値によって、単語や語句が許可されるか禁止されるかが決定されます。たとえば、"カスタマー フィードバック" という語句を含むメッセージはすべて許可したいが、"株式情報" という語句を含むメッセージはすべて禁止したい場合は、次のコマンドを実行する必要があります。

Add-ContentFilterPhrase -Phrase "customer feedback" -Influence GoodWord
Add-ContentFilterPhrase -Phrase "stock tip" -Influence BadWord

構文およびパラメーターの詳細については、「Add-ContentFilterPhrase」を参照してください。

シェルを使用して受信者と送信者の例外を構成する

Set-ContentFilterConfig コマンドレットを使用して、受信者と送信者両方の例外を構成します。

  • 次の例では、tiffany@contoso.com という受信者の例外を作成します。この受信者宛に送信されるメッセージは、コンテンツ フィルター エージェントによってチェックされません。

    Set-ContentFilterConfig -BypassedRecipients tiffany@contoso.com

  • 次の例では、joe@fabrikam.com という送信者の例外を作成します。この送信者からのメッセージは、コンテンツ フィルター エージェントによってチェックされません。

    Set-ContentFilterConfig -BypassedSenders joe@fabrikam.com

    受信者または送信者の例外を指定する際に、複数の SMTP アドレスを入力したい場合は、各アドレスをカンマで区切ります。次に例を示します。「joe@contoso.com, jeffrey@contoso.com」のように入力します。入力できる受信者の最大数は 100 です。

  • 特定のドメインから受信するすべてのメッセージに対して、コンテンツ フィルターをバイパスすることもできます。次の例では、fabrikam.com というドメインの例外を作成します。このドメインからのメッセージは、コンテンツ フィルター エージェントによってチェックされません。

    Set-ContentFilterConfig -BypassedSenderDomains fabrikam.com

    特定のドメインおよびそのサブドメインからのメッセージのコンテンツ フィルターをバイパスするには、次の例に示すように、ワイルドカード文字 (*) を使用できます。

    Set-ContentFilterConfig -BypassedSenderDomains *.fabrikam.com

    複数の SMTP ドメインを入力する場合は、コンマを使用してドメインを区切ります。次に例を示します。「fabrikam.com,*nwtraders.com」のように入力します。指定できるドメインの最大数は 400 です。

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ContentFilterConfig」を参照してください。

シェルを使用して SCL のしきい値を構成する

Set-ContentFilterConfig コマンドレットを使用して、SCL のしきい値と操作を構成します。削除アクションの方が拒否アクションより優先され、拒否アクションの方が検疫アクションより優先されます。したがって、SCL による削除アクションのしきい値は、SCL による拒否アクションのしきい値よりも大きい値である必要があります。同じく、拒否アクションのしきい値は、SCL による検疫アクションのしきい値よりも大きい値である必要があります。

  • 次の例では、削除の操作を有効にして、対応する SCL のしきい値を 9 に設定します。

    Set-ContentFilterConfig -SCLDeleteEnabled $true -SCLDeleteThreshold 9

  • 次の例では、拒否の操作を有効にして、対応する SCL のしきい値を 8 に設定します。

    Set-ContentFilterConfig -SCLRejectEnabled $true -SCLRejectThreshold 8

  • 次の例では、検疫の操作を有効にして、対応する SCL のしきい値を 7 に設定します。

    Set-ContentFilterConfig -SCLQuarantineEnabled $true -SCLQuarantineThreshold 7

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ContentFilterConfig」を参照してください。

シェルを使用して拒否応答を構成する

拒否の操作を有効にしている場合、メッセージが拒否された場合にその送信者に対し送られる応答をカイタマイズすることもできます。次の例では、カスタマイズした拒否応答を送信するよう、コンテンツ フィルター エージェントを構成します。

Set-ContentFilterConfig -RejectionResponse "Your message was rejected because it appears to be SPAM."
Bb124490.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
拒否応答は、240 文字を超えないようにしてください。

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ContentFilterConfig」を参照してください。

シェルを使用して Outlook 電子メールの消印を構成する

[Outlook 電子メールの消印] の検証は、受信者のメッセージング システムが正当な電子メールと迷惑メールを区別するために、Microsoft Office Outlook によって送信メッセージに適用されるコンピューテーショナル検証です。消印は、Outlook 2007 以降で、はじめて使用可能になりました。消印によって、誤って正当と判断されるケースを減らすことができます。Outlook 電子メールの消印を有効にするには、次のコマンドを実行します。

Set-ContentFilterConfig -OutlookEmailPostmarkValidationEnabled $true

Outlook 電子メールの消印を無効にするには、次のコマンドを実行します。

Set-ContentFilterConfig -OutlookEmailPostmarkValidationEnabled $false

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ContentFilterConfig」を参照してください。