リモート ドメインのプロパティの構成
適用先 : Exchange Server 2010
リモート ドメインとは、Microsoft Exchange 組織の外部にある SMTP ドメインのことです。リモート ドメイン エントリを作成して、Exchange 組織と、Active Directory フォレストの外側にあるドメインとの間でメッセージを転送するための設定を定義できます。リモート ドメインの設定は、Exchange 組織のグローバル構成設定です。
トランスポート サーバーに関連する他の管理タスクについては、「トランスポート サーバーの管理」を参照してください。
実行内容
- EMC を使用してリモート ドメインのプロパティを構成する
- シェルを使用してリモート ドメインのプロパティを構成する
EMC を使用してリモート ドメインのプロパティを構成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「リモート ドメイン」。
- コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ハブ トランスポート] にアクセスします。
- 作業ウィンドウで、右側の [リモート ドメイン] タブを選択し、構成するリモート ドメインをダブルクリックします。
- [全般] タブを使用して、リモート ドメインの受信者に送信される不在メッセージの種類を指定する設定を構成します。組織で使用できる不在メッセージの種類は、Exchange クライアントのバージョンと Exchange サーバーのバージョンによって異なります。不在メッセージは、クライアント上に設定されてサーバーによって送信されます。Exchange Server 2010 および Exchange Server 2007 では、内部ユーザーと外部ユーザーに対して異なる不在メッセージを送信できます。Microsoft Office Outlook 2007 を使用するユーザーは、内部用と外部用に異なる不在応答を設定できます。以前のバージョンの Outlook または Exchange では、内部受信者と外部受信者の両方に使用される 1 種類の不在メッセージのみサポートしています。
[全般] タブには、次のオプションが表示されます。- [ドメイン名] ドメインの名前が表示されます。
- [最終更新日時] リモート ドメインのプロパティが最後に変更された日時が表示されます。
- [すべて許可しない] このオプションを選択すると、リモート ドメインに不在メッセージは配信されません。
- [外部向けの不在メッセージのみを許可する] このオプションを選択すると、Outlook 2007 クライアントによって、または Exchange 2010 または Exchange 2007 メールボックス サーバー上に配置されたメールボックスに Microsoft Office Outlook Web App を使用することによって外部向けとして構成された不在メッセージのみ、リモート ドメインに配信されます。
- [外部向けの不在メッセージと従来のメッセージを許可する (Exchange 2003 のメールボックス、もしくは Outlook 2003 以前のクライアントから送信されたメッセージ)] このオプションを選択すると、Outlook 2007 クライアントによって、または Exchange 2010 メールボックス サーバー上に配置されたメールボックスに Outlook Web App を使用することによって外部向けとして構成された不在メッセージのみ、リモート ドメインに配信されます。Outlook 2003 以前のクライアントによって設定される不在メッセージは、クライアントのメールボックス ストアのサーバーのバージョンにかかわらず、リモート ドメインに配信されます。Exchange 2003 以前のサーバーが送信する不在メッセージは、不在メッセージの設定に使用するクライアントのバージョンにかかわらず、リモート ドメインに配信されます。
- [内部向けの不在メッセージと従来の不在メッセージを許可する (Exchange 2003 のメールボックス、もしくは Outlook 2003 以前のクライアントから送信されたメッセージ)] このオプションを選択すると、Outlook 2007 クライアントによって、または Exchange 2010 メールボックス サーバー上に配置されたメールボックスに Outlook Web App を使用することによって内部向けとして構成された不在メッセージのみ、リモート ドメインに配信されます。Outlook 2003 以前のクライアントによって設定される不在メッセージは、クライアントのメールボックス ストアのサーバーのバージョンにかかわらず、リモート ドメインに配信されます。Exchange 2003 以前のサーバーが送信する不在メッセージは、不在メッセージの設定に使用するクライアントのバージョンにかかわらず、リモート ドメインに配信されます。
- [メッセージ形式] タブを使用して、このリモート ドメインに送信されるメッセージのメッセージ ポリシー、形式、および文字セットを指定します。
メッセージ配信と形式を指定するには、[メッセージ形式のオプション] を使用します。- [自動返信を許可する] 組織内のクライアントの電子メール プログラムから自動返信されるメッセージを許可するには、このオプションを選択します。
- [自動転送を許可する] 組織内のクライアントの電子メール プログラムから自動転送されるメッセージを許可するには、このオプションを選択します。
- [配信レポートを許可する] 組織内のクライアント ソフトウェアからの開封確認メッセージを許可するには、このオプションを選択します。
- [配信不能レポートを許可する] 組織からの配信不能レポート (NDR) を許可するには、このオプションを選択します。
- [メッセージの送信者名を表示する] メッセージに送信者の表示名を表示するには、このオプションを選択します。このオプションは選択したままにすることをお勧めします。
- [メッセージ テキストの折り返しを使用する列] 送信メッセージのメッセージ テキストで折り返しを許可するには、このオプションを選択し、テキスト ボックスに 0 ~ 132 の折り返しサイズを入力します。サイズを無制限に設定するには、フィールドを空白にします。既定値は無制限 (空白) です。
- [常に使用する] 常に Exchange リッチ テキスト形式を使用するメッセージを送信するには、このテキスト ボックスを選択します。
- [使用しない] Exchange リッチ テキスト形式を使用するメッセージを送信しないようにするには、このチェック ボックスをオンにします。
- [ユーザー設定により決定する] Outlook ユーザーによって指定された、Exchange リッチ テキスト設定を使用する電子メール メッセージを送信するには、このチェック ボックスをオンにします。
次の文字セット オプションを使用して、使用可能な文字セットを指定します。 - [MIME 文字セット] MIME 文字セットを識別するには、テキスト ボックスに文字エンコード セットを入力します。
- [非 MIME 文字セット] 非 MIME 文字セットを識別するには、テキスト ボックスに文字エンコード セットを入力します。
シェルを使用してリモート ドメインのプロパティを構成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「リモート ドメイン」。
リモート ドメインのプロパティを構成するには、Set-RemoteDomain コマンドレットを使用します。ここでは、リモート ドメインの各種プロパティを構成する方法の例を示します。
この例では、目的のドメインに不在メッセージを送信しないようにします。
Set-RemoteDomain "RemoteDomain" -AllowedOOFType None
この例では、外部向けの不在メッセージのみを許可します。
Set-RemoteDomain "RemoteDomain" -AllowedOOFType External
この例では、外部向けの不在メッセージ、および Outlook 2003 以前のクライアントによって設定されたか、Exchange 2003 以前のサーバーによって送信された不在メッセージを許可します。
Set-RemoteDomain "RemoteDomain" -AllowedOOFType ExternalLegacy
この例では、内部向けの不在メッセージ、および Outlook 2003 以前のクライアントによって設定されたか、Exchange 2003 以前のサーバーによって送信された不在メッセージを許可します。
Set-RemoteDomain "RemoteDomain" -AllowedOOFType InternalLegacy
この例では、リモート ドメインへの自動返信を許可します。既定では、この設定は無効になっています。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -AutoReplyEnabled $true
この例では、リモート ドメインへの自動転送を許可します。既定では、この設定は無効になっています。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -AutoForwardEnabled $true
この例では、リモート ドメインへの配信レポートを無効にします。既定では、この設定は有効になっています。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -DeliveryReportEnabled $false
この例では、リモート ドメインへの配信不能レポートを無効にします。既定では、この設定は有効になっています。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -NDREnabled $false
この例では、メッセージ上での送信者名の表示を無効にします。既定では、この設定は有効になっています。このオプションは有効のままにすることをお勧めします。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -DisplaySenderName $false
この例では、メッセージ テキストの折り返しを有効にし、列の幅を 76 文字に設定します。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -LineWrapSize 76
この例では、リモート ドメイン内の送信者からの会議出席依頼が別の受信者に転送されたときに、リモート ドメインに通知が送信されるようにします。既定では、この設定は無効になっています。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -MeetingForwardNotificationEnabled $true
この例では、MIME および非 MIME 文字セットの両方を西ヨーロッパ言語文字セット (ISO-8859-1) に構成します。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -CharacterSet "ISO-8859-1" -NonMimeCharacterSet "ISO-8859-1"
この例では、リモート ドメインに送信されるすべてのメッセージに Transport Neutral Encapsulation Format (TNEF) エンコードを使用するよう指定します。既定では、この設定の値は $null
であり、TNEF エンコーディングは個別のユーザー設定で制御されます。TNEF の設定は、EMC では Exchange リッチテキスト形式のオプションとして表示されます。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -TNEFEnabled $true
構文およびパラメーターの詳細については、「Set-RemoteDomain」を参照してください。