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送信者フィルターのプロパティの構成

適用先 : Exchange Server 2010

送信者フィルター エージェントは、エッジ トランスポート サーバーで有効になっているスパム対策エージェントです。送信者フィルターを使用して、特定の個々の送信者またはドメインからの受信メッセージをブロックできます。

ここでは、EMC またはシェルを使用して送信者フィルターを構成する方法について説明します。

Bb125179.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
送信者フィルターは、Exchange のスパム対策機能の一部です。 既定では、スパム対策機能はエッジ トランスポート サーバーでのみ利用できます。お勧めできませんが、ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にすることもできます。ハブ トランスポート サーバーでスパム対策機能を有効にする方法の詳細については、「ハブ トランスポート サーバーのスパム対策機能を有効にする」を参照してください。このトピックの手順は、エッジ トランスポート サーバーでスパム対策機能を構成するためのものですが、プロセスはハブ トランスポート サーバーと同じです。

実行内容

  • EMC を使用して送信者フィルターを構成する
  • シェルを使用して送信者フィルターを構成する

EMC を使用して送信者フィルターを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。

  1. コンソール ツリーで、[エッジ トランスポート] をクリックします。
  2. 結果ウィンドウで構成するエッジ サーバーをクリックし、作業ウィンドウで [スパム対策] タブを選択します。
  3. [送信者のフィルター] を右クリックし、[プロパティ] をクリックします。
  4. [全般] タブに、送信者フィルター機能の次の情報が表示されます。
    • [状態]   送信者フィルターが有効になっているか無効になっているかが表示されます。
    • [最終更新日時]   送信者フィルターのプロパティが最後に変更された日時が表示されます。
    • [説明]   送信者フィルターの簡単な説明が表示されます。
  5. [受信拒否リスト] タブを使用して、メッセージをブロックする電子メール アドレスまたはドメインを指定します。
    • [追加]   新しいアドレスおよびドメインを受信拒否リストに追加するには、[追加] をクリックします。表示されたダイアログ ボックスで、次のフィールドを使用して送信者を指定します。
      [個人の電子メール アドレス]   個々の送信者をブロックするには、[個人の電子メール アドレス] を選択し、ブロックする送信者の SMTP (簡易メール転送プロトコル) アドレスを入力します。たとえば、「kim@contoso.com」と入力します。
      [ドメイン]   あるドメインのすべての送信者を受信拒否リストに追加するには、[ドメイン] を選択し、contoso.com などのドメイン名をドメイン フィールドに入力します。
      [すべてのサブドメインを含む]   すべてのサブドメインをブロックするドメインに含めるには、[すべてのサブドメインを含む] を選択します。このチェック ボックスは、[ドメイン] を選択した場合にのみ有効になります。
    • [編集]   受信拒否リストに含まれる送信者のアドレスまたはドメインを変更するには、送信者のアドレスをクリックし、[編集] をクリックします。
    • [削除]   受信拒否リストに含まれる送信者のアドレスまたはドメインを削除するには、送信者のアドレスをクリックし、[削除] アイコン をクリックします。
    • [送信者情報が含まれていないメッセージをブロックする]   送信者情報が含まれていないメッセージをブロックするには、このチェック ボックスをオンにします。
  6. 受信拒否リストに含まれる送信者またはドメインが識別された場合に、以下のいずれかのアクションを行うように送信者フィルター エージェントを構成するには、[送信者のフィルターのプロパティ] の [アクション] タブを使用します。
    • [メッセージを拒否する]   メッセージを拒否し、送信側のサーバーに "554 5.1.0 Sender Denied" という SMTP セッション エラーを送信するには、[メッセージを拒否する] を選択します。[メッセージを拒否する] は、推奨される設定です。
    • [受信拒否リストに含まれる送信者であることをメッセージにスタンプして処理を続行する]   このメッセージが受信拒否リストに含まれる送信者から送信されたことを示すためにメッセージのメタデータを更新するには、この設定を選択します。このスタンプは、コンテンツ フィルター エージェントが、メッセージの SCL (Spam Confidence Level) を計算するときに使用されます。さらに、送信者評価は、メッセージの送信者に対する送信者評価レベル (SRL) を計算するときに特定のメッセージの SCL を使用します。

シェルを使用して送信者フィルターを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「スパム対策機能」。

送信者フィルターを管理するには、Set-SenderFilterConfig コマンドレットを使用します。次の例では、特定の電子メール アドレス kim@contoso.com および john@contoso.com からのメッセージをブロックするように送信者フィルター エージェントを構成します。

Set-SenderFilterConfig -BlockedSenders kim@contoso.com,john@contoso.com

次の例では、特定のドメイン fabrikam.com からのメッセージをブロックするように送信者フィルター エージェントを構成します。

Set-SenderFilterConfig -BlockedDomains fabrikam.com

次の例では、特定のドメイン northwindtraders.com およびそのすべてのサブドメインからのメッセージをブロックするように送信者フィルター エージェントを構成します。

Set-SenderFilterConfig -BlockedDomainsAndSubdomains northwindtraders.com

上記の例で示されているパラメーターを使用して指定する値は、既存の受信拒否リストに置き換えられます。既存のリストを保持するために、追加する新しい送信者と共に既存の送信者も指定できます。ただし、受信メッセージをブロックする SMTP アドレスまたはドメインが多い場合は特に、煩雑な作業になる可能性があります。代わりに、一時シェル変数を使用して、受信拒否リストにアドレスまたはドメインを追加できます。次の例では、一時変数 $Configuration を使用して、受信拒否リストに送信者 john@contoso.com およびそのドメイン tailspintoys.com を追加します。

$Configuration = Get-SenderFilterConfig
$Configuration.BlockedSenders += "john@contoso.com"
$Configuration.BlockedDomains += "tailspintoys.com"
Set-SenderFilterConfig -BlockedSenders $Configuration.BlockedSenders -BlockedDomains $Configuration.BlockedDomains

次の例では、MAIL FROM: SMTP コマンドを使用して、送信者が指定されていないメッセージをブロックするように送信者フィルター エージェントを構成する方法を示します。

Set-SenderFilterConfig -BlankSenderBlockingEnabled $true

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-SenderFilterConfig」を参照してください。