トランスポート設定のプロパティの構成
適用先 : Exchange Server 2010
トランスポート設定では、すべてのハブ トランスポート サーバーが組織内で Microsoft Exchange Server 2010 を実行する方法を定義します。構成したオプションは、すべてのハブ トランスポート サーバーによって使用されます。
トランスポート サーバーに関連する他の管理タスクについては、「トランスポート サーバーの管理」を参照してください。
実行内容
- EMC を使用してグローバル トランスポート設定を構成する
- シェルを使用してグローバル トランスポート設定を構成する
EMC を使用してグローバル トランスポート設定を構成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「トランスポート構成」。
- コンソール ツリーで、[組織の構成] > [ハブ トランスポート] にアクセスします。
- 結果ウィンドウで、[グローバル設定] タブをクリックし、[トランスポート設定] をダブルクリックします。
- Exchange 組織内のすべてのハブ トランスポート サーバーに対するトランスポート制限とトランスポート収集の設定を構成するには、[全般] タブを使用します。
- [最大受信サイズ (KB)★Maximum receive size (KB)☆] このフィールドでは、組織内の受信者が受信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10,240 KB です。有効な入力の範囲は 0 ~ 2,097,151 KB です。[最大受信サイズ (KB)★Maximum receive size (KB)☆] の隣のチェック ボックスをオフにすると、組織内の受信者が受信できるメッセージ サイズは制限されません。
- [最大送信サイズ (KB)★Maximum send size (KB)☆] このフィールドでは、組織内の送信者が送信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10,240 KB です。有効な入力の範囲は 0 ~ 2,097,151 KB です。[最大送信サイズ (KB)★Maximum send size (KB)☆] の隣のチェック ボックスをオフにすると、組織内の送信者が送信できるメッセージ サイズは制限されません。
- [最大受信者数★Maximum number of recipients☆] このフィールドでは、メッセージでの受信者の最大数を指定します。既定値は 5000 です。有効な入力値の範囲は 0 ~ 2147483647 です。[最大受信者数★Maximum number of recipients☆] の隣のチェック ボックスをオフにすると、メッセージでの受信者の数は制限されません。Exchange 2010 では、展開されない配布グループは 1 人の受信者として扱われます。
- [メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)] このフィールドでは、各ストレージ グループのトランスポート収集の最大サイズを指定します。既定値は 18 MB です。このパラメーターの有効な入力の範囲は、0 ~ 2,097,151 MB です。
トランスポート収集を有効にするには、[メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)] と [最大保存期間 (日)] の値を、両方とも 0 より大きくする必要があります。 - [最大保存期間 (日)] このフィールドでは、トランスポート収集に電子メール メッセージを保持する期間を指定します。既定値は 7 日です。有効な入力値の範囲は 0 ~ 24855 日です。
トランスポート収集を有効にするには、[メールボックス データベースあたりの最大サイズ (MB)] と [最大保存期間 (日)] の値を、両方とも 0 より大きくする必要があります。 - [外部ポストマスター アドレスを指定] このフィールドには、システムが生成したメッセージの送信者として使用される電子メール アドレスと、組織外部の送信者へ送信される通知を指定します。
- [メッセージ配信] タブを使用して、Sender ID と接続フィルターの対象外となる境界ネットワークにインストールされている内部 SMTP サーバーの IP アドレスを構成します。内部の送信者が監視する配信状態通知 (DSN) コードも構成できます。これらの DNS に対応する配信不能レポート (NDR) は、ポストマスター メールボックスにコピーされます。
注 : メールボックスが Microsoft Exchange 受信者に割り当てられている場合にのみ、NDR がポストマスター メールボックスにコピーされます。既定では、Microsoft Exchange 受信者に割り当てられているメールボックスはありません。
**\[メッセージ配信\]** タブで、次の項目を構成します。
**\[組織の IP アドレスの範囲と、境界領域に展開されたサーバーの IP アドレスを入力してください。これらの IP アドレスは Sender ID と接続フィルターでは無視されます\]** この一覧を使用して、組織の境界に展開されている SMTP サーバーの IP アドレスを指定します。
- **\[追加 - IP アドレス\]** サブネット マスクを使用せずに IP アドレスを入力したり、クラスレス ドメイン間ルーティング (CIDR) 表記法を使用してサブネット マスクを指定したりするには、**\[追加\]** または **\[追加\]** の横にある下向き矢印をクリックして、**\[IP アドレス\]** を選択します。**\[内部 SMTP サーバーの IP アドレスの追加\]** ダイアログ ボックスで、直接 IP アドレスを入力するか、CIDR 表記を使用してサブネットを指定します。たとえば「192.168.1.1」と入力すると、そのホストだけが境界サーバーの一覧に追加されますが、「192.168.1.0/24」と指定すると、192.168.1.0 のクラス C サブネット全体が境界ネットワークとして指定され、ネットワーク上のサーバーからのメッセージはいずれも Sender ID や接続フィルターの対象とはなりません。
**\[追加 - IP およびマスク\]** IP アドレスまたはサブネットをドットで区切られた 10 進数表記のサブネット マスクと共に入力するには、**\[追加\]** の横にある下向き矢印をクリックし、**\[IP およびマスク\]** をクリックします。**\[内部 SMTP サーバーの追加 - IP およびマスク\]** ダイアログ ボックスで、IP アドレスとサブネット マスクを入力します。
**\[追加 - IP アドレスの範囲\]** 範囲の最初の IP アドレスと最後の IP アドレスを使用して IP アドレス範囲を指定するには、**\[追加\]** の横にある下向き矢印をクリックし、**\[IP アドレスの範囲\]** をクリックします。**\[内部 SMTP サーバーの追加 - IP アドレスの範囲\]** ダイアログ ボックスで、IP アドレスの範囲の開始アドレスと終了アドレスを指定します。
- **\[編集\]** 以前に追加した IP アドレスを変更するには、IP アドレスを選択して **\[編集\]** をクリックします。
- **\[削除\]** IP 禁止一覧から既存のエントリを削除するには、そのエントリを選択し、![\[削除\] アイコン](images/Aa998209.39ee936b-e5b5-476a-97c9-4fd660441ab7(ja-jp,EXCHG.140).gif "[削除] アイコン") をクリックします。
**\[内部の送信者を監視する配信状態通知 (DSN) コードを入力します。これらの DSN コードを含む NDR メッセージは、ポストマスターの電子メール アカウントに転送されます\]** 内部の送信者が監視する DSN コードを指定します。これらの DSN コードを持つ NDR はすべて Microsoft Exchange 受信者のメールボックスにコピーされます。以下の操作を実行できます。
- **\[追加\]** DSN コードを追加するには、3 桁の DSN コードを「**x.y.z**」のように入力し、**\[追加\]** をクリックします。
- **\[編集\]** 既存の DSN コードを編集するには、DSN コードを選択し、**\[編集\]** をクリックします。
**\[削除\]** 既存の DSN コードを削除するには、DSN コードを選択し、![\[削除\] アイコン](images/Aa998209.39ee936b-e5b5-476a-97c9-4fd660441ab7(ja-jp,EXCHG.140).gif "[削除] アイコン") をクリックします。
シェルを使用してグローバル トランスポート設定を構成する
この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「トランスポート構成」。
Set-TransportConfig コマンドレットを使用して、組織内のグローバル トランスポート設定を構成します。最も使用頻度の高いグローバル設定のプロパティのみを構成できる EMC とは異なり、Set-TransportConfig コマンドレットでは、トランスポート サーバーが機能する方法を定義するすべてのグローバル設定を構成できます。次に、このコマンドレッドの使用方法の例をいくつか紹介します。
この例では、NDR、および他のシステムが生成し組織外部の送信者に送られるメッセージの送信者として使用される電子メール アドレスとして、postmaster@contoso.com を指定しています。
Set-TransportConfig -ExternalPostmasterAddress postmaster@contoso.com
この例では、組織のシャドウ冗長を有効にしています。
Set-TransportConfig -ShadowRedundancyEnabled $true
構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportConfig」を参照してください。