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シャドウの冗長性を構成する

適用先 : Exchange Server 2010

Microsoft Exchange Server 2010 のシャドウ冗長により、メッセージ送信中の期間全体にわたって、高可用性メカニズムが提供されます。シャドウ冗長の詳細については、「シャドウ冗長について」を参照してください。シェルを使用して、組織内でシャドウ冗長を構成できます。

トランスポート サーバーに関連する他の管理タスクについては、「トランスポート サーバーの管理」を参照してください。

実行内容

  • シェルを使用してシャドウ冗長を有効または無効にする
  • シェルを使用してシャドウ冗長ハートビートを構成する
  • シェルを使用してシャドウ メッセージの最大保存期間を構成する
  • シェルを使用して受信コネクタの受信確認の最大遅延を構成する

シェルを使用してシャドウ冗長を有効または無効にする

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「シャドウ冗長」。

Dd351046.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
EMC を使用してシャドウ冗長性を有効または無効にすることはできません。

Set-TransportConfig コマンドレットの ShadowRedundancyEnabled パラメーターを使用して、組織内でシャドウ冗長を有効または無効にします。既定では、シャドウ冗長は有効になっています。

この例では、組織のシャドウ冗長を有効にしています。

Set-TransportConfig -ShadowRedundancyEnabled $true

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportConfig」を参照してください。

シェルを使用してシャドウ冗長ハートビートを構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「シャドウ冗長」。

Dd351046.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
EMC を使用してシャドウ冗長ハートビートを構成することはできません。

Set-TransportConfig コマンドレットの ShadowHearbeatTimeoutInterval および ShadowHearbeatRetryCount パラメーターを使用して、組織内でシャドウ冗長ハートビートを構成します。シャドウ冗長タイムアウト間隔の既定値は 5 分であり、シャドウ冗長ハートビートの再試行回数は 3 です。Exchange 2010 を実行している各トランスポート サーバーでは、シャドウ冗長ハートビートを使用して他の Exchange 2010 トランスポート サーバーの可用性を判断します。詳細については、「シャドウ冗長について」の「ハートビート」を参照してください。

Active Directory サイト間に信頼性の低いネットワーク接続が存在しているため、リモート サーバーが使用不可能であると判断する前にトランスポート サーバーが待機する合計時間を長くすると仮定しましょう。この作業を行うために、ハブ トランスポート サーバーで他のサーバーが使用不可能であると判断する前に接続の試行を少なくとも 5 回実行し、接続の各試行を実行する前に 6 分間待機するように変更します。その結果、障害を検出するまでの最大時間を、既定の 15 分 (5 分のタイムアウト間隔× 3 回の再試行) から 30 分 (6 分のタイムアウト間隔× 5 回の再試行) に増やしたことになります。この例では、シャドウ冗長ハートビート構成に次の変更を加えます。

  • ハートビートの再試行回数を 5 に増やします。
  • ハートビート タイムアウト間隔を 6 分に増やします。
Set-TransportConfig -ShadowHeartbeatTimeoutInterval 00:06:00 -ShadowHeartbeatRetryCount 5

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportConfig」を参照してください。

シェルを使用してシャドウ メッセージの最大保存期間を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「シャドウ冗長」。

Dd351046.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
EMC を使用してシャドウ冗長メッセージの最大保存期間を構成することはできません。

Set-TransportConfig コマンドレットの ShadowMessageAutoDiscardInterval パラメーターを使用して、組織内でシャドウ冗長メッセージの最大保存期間を構成します。既定では、シャドウ メッセージは 2 日後に自動的に破棄されます。

サーバー内のハードウェアの制限が原因で、遅延したメッセージのシャドウ コピーを保持したくないと仮定しましょう。この例では、組織のシャドウ メッセージ保持期間を 4 時間に短縮します。

Set-TransportConfig -ShadowMessageAutoDiscardInterval 04:00:00
Dd351046.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
メッセージが有効期限切れになった時点で、プライマリ サーバーはそのメッセージの破棄イベントをキューに入れ、シャドウ サーバーは破棄通知を受信した時点でシャドウ メッセージを破棄します。ShadowMessageAutoDiscardInterval パラメータで構成する値は、トランスポート サーバーで構成したメッセージ有効期限のタイムアウト間隔の値以下にする必要があります。

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-TransportConfig」を参照してください。

シェルを使用して受信コネクタの受信確認の最大遅延を構成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「トランスポートのアクセス許可」の「受信コネクタ」。

Dd351046.note(ja-jp,EXCHG.140).gif注 :
EMC を使用して、受信コネクタの受信確認の最大遅延を構成することはできません。

Set-ReceiveConnector コマンドレットの MaxAcknowledgementDelay パラメーターを使用して、シャドウ冗長をサポートしていないシステムからメッセージを受信した場合に受信コネクタが受信確認を遅延させる期間を構成します。既定では、受信コネクタで受信確認が最大 30 秒遅延されます。詳細については、「シャドウ冗長について」の「受信確認の遅延」を参照してください。

例 1

社内の Exchange インフラストラクチャを使用して SMTP メッセージを送信する専用アプリケーションを使用していると仮定しましょう。このアプリケーションによって生成されるメッセージに関するメッセージ配信レートがメッセージ配信の信頼性より重要である場合は、このアプリケーションからメッセージを受信する受信コネクタの受信確認の遅延を無効にしたい場合があります。この例では、Custom App Receive Connector という受信コネクタで受信確認の最大遅延を 0 に設定します。

Set-ReceiveConnector "Custom App Receive Connector" -MaxAcknowledgementDelay 0

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ReceiveConnector」を参照してください。

例 2

環境内ですべてのメッセージが通常は 20 秒以内に配信されるものの、パフォーマンスの要件が原因で、インターネットからメッセージを受信した後、受信確認を 15 秒以上遅延させたくないと仮定しましょう。メッセージ フローを解析した後、95% のメッセージは 15 秒以内の間隔で配信されるという結論を下しました。この例では、インターネットからの受信を行う受信コネクタで、受信確認の遅延をわずか 15 秒に構成します。このシナリオでは、環境はインターネットから受信するメッセージの 95% に対してシャドウ冗長を提供することになります。

Set-ReceiveConnector "From the Internet" -MaxAcknowledgementDelay 00:00:15.

構文およびパラメーターの詳細については、「Set-ReceiveConnector」を参照してください。