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混在モードのサイト統合

 

ここでは、混在モードの Exchange 組織で、Exchange Server 環境におけるサイト統合の一般的なプロセスについて説明します。このプロセスに関連する重要な情報については、「混在モードにおけるサイト統合の重要な考慮事項」を参照してください。

統合するサイトで Exchange 5.5 を実行している場合は Exchange 2003 SP1 サイト統合ツールを使用し、サービスの中断を最小限に抑えながらメールボックス、配布リスト、受信者、およびパブリック フォルダを適切に移動する必要があります。目標は、ユーザーおよび Exchange データを中央サイトに移動した後に、メールが正しく流れるようにすることです。

そのためには、リモート サイトからコンテンツを統合する前に次の操作を実行します。

  • 中央サイトに Exchange サービスを十分に処理できるサーバー リソースがあることを確認します。

  • 中央サイトのすべてのメールボックス サーバーおよびパブリック フォルダ サーバーを、Exchange 2003 SP1 にアップグレードします。

  • すべての Exchange 5.5 パブリック フォルダ サーバーに Exchange 5.5 DS/IS 整合性調整機能の修正プログラム (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=3052&kbid=836489 から入手できます) を適用します。この修正プログラムを適用することによって、サイト間の移動の後にパブリック フォルダのアクセス制御リスト (ACL) が適切に更新され、ユーザーおよびグループはパブリック フォルダに引き続きアクセスすることができます。

    important重要 :
    Exchange 5.5 DS/IS 整合性調整機能の修正プログラムは、サイト統合プロセスを開始する前に適用します。サイト統合ツールにはこの修正プログラムが必要です。
  • すべての Active Directory コネクタ (ADC) サーバーを Exchange 2003 SP1 にアップグレードします。すべてのサイトへの接続許可書が双方向であり、レプリケート元のサイトとレプリケート先のサイトにパブリック フォルダ用接続許可書があることを確認します。

    note注 :
    ディレクトリを適切に更新し、配布リストのメンバシップを適切にクリーンアップするために、ADC ツールを使用して接続許可書を構成することを強くお勧めします。

Exchange 混在モードでのサイト統合プロセスの概要は次のとおりです。

  1. サイト統合計画を作成します。各サイトごとに 3 段階のサイト統合を計画し、スケジュールを設定します。週末の間など、利用の少ない期間にレプリケーションのスケジュールを設定します。Exchange 2003 が中央サイトに展開され、Exchange 5.5 との共存を確立していることを確認します。対象となるすべての Exchange 2003 サーバーを Exchange 2003 SP1 にアップグレードします。Exchange キャッシュ モードで Outlook を使用する場合は、すべてのサイトで Outlook 2003 をインストールし、Exchange キャッシュ モードを有効にします。
  2. Exchange Server デプロイメント ツールには、メールボックス、配布リスト、カスタム受信者、およびパブリック フォルダを中央サイトに移動し、Exchange 5.5 サーバーを削除するまでのプロセスを案内する、サイト統合ツールが含まれています。このツールを使用して、サイト統合のための次のような準備作業を行います。
    • すべての ADC サーバーを Exchange 2003 SP1 にアップグレードします。
    • すべてのパブリック フォルダ サーバーに DS/IS 整合性調整機能の修正プログラムを適用します。
    • パブリック フォルダのレプリカを中央サイトに追加し、パブリック フォルダのレプリケーションが完了するまで待機します。
  3. Exchange Server デプロイメント ツールを使用して、Exchange データを中央サイトに移動します。
    • メールボックス   メールボックスを移動し、exprofre.exe を使用してユーザー プロファイルを更新することによって、リモート サイトのコンテンツを中央サイトに統合します。
    • カスタム受信者および配布リスト   Object Rehome ツールを使用して、中央サイトを反映するようにカスタム受信者および配布リストを更新します。つまり、それらを中央サイトに移動します。接続許可書が正しくセットアップされていることを確認します。
  4. Exchange Server デプロイメント ツールの手順に従ってリモート サイトを削除します。
    • PFMigrate を使用してパブリック フォルダのレプリカを削除し、Exchange 5.5 サーバーを削除する手順を実行します。
    • Object Rehome ツールを使用して、カスタム受信者および配布リストをリモート サイトから適切に削除します。
  5. 統合を計画している各サイトに対して、以上の 3 段階の手順を繰り返します。

手順の詳細については、次の資料を参照してください。

サイト統合ツール

サイトを統合する際に、管理グループを越えて移動する必要があるメールボックス、配布リスト、連絡先、およびパブリック フォルダが数多く存在する場合があります。また、管理グループを越えた移動後には、オブジェクトの従来の Exchange 識別名 (legacyExchangeDN) が変更され、この属性に依存するサービスに影響を与えます。以下に示す Exchange 2003 SP1 の機能とツールは、これらの問題に対応しています。

  • Exchange Server デプロイメント ツール   最新バージョンの Exchange Server デプロイメント ツールを使用すると、メールボックス、配布リスト、カスタム受信者、およびパブリック フォルダを中央サイトに移動し、Exchange 5.5 サーバーを削除するまでのプロセスを実行できます。Exchange Server デプロイメント ツールの最新バージョンは、https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=21231 から入手できます。
  • Exchange 2003 SP1 のメールボックスの移動ウィザード   Exchange 2003 SP1 バージョンのメールボックスの移動ウィザードには、管理グループを越えてメールボックスを移動するためのオプションが用意されています。
    Exchange 組織が混在モードの場合、Exchange 2003 では既定により 各 Exchange 5.5 サイトに対して 1 つの管理グループと 1 つのルーティング グループを表示します。Exchange 2003 SP1 よりも前のバージョンでは、組織に Exchange 5.5 サーバーが含まれている場合、同じ管理グループに属するメールボックスしか移動できませんでした。したがって、リモートの Exchange 5.5 サイトを中央の Exchange サイトに統合するのは困難でした。
    Exchange 2003 SP1 では、Exchange システム マネージャのメールボックスの移動ウィザードまたは Active Directory ユーザーとコンピュータのメールボックスの移動ウィザードのいずれかを使用することで、管理グループを越えてメールボックスを移動できます。
  • Exchange プロファイル更新ツール   Exchange プロファイル更新ツール (exprofre.exe) は、ユーザーの Outlook プロファイルを自動的に更新するスタンドアロンの実行ファイルです。これにより、ユーザーは、メールボックスが管理グループを越えて移動された後も、再配置されたメールボックスにログオンできます。既定の Outlook プロファイルを更新して新しい情報を反映させるには、各クライアント コンピュータ上で exprofre.exe を実行する必要があります。ログオン スクリプトを使用して、このツールを実行することをお勧めします。
  • パブリック フォルダ移行ツール   Exchange 2003 サーバー上に Exchange 5.5 パブリック フォルダのレプリカを作成することをお勧めします。レプリカを作成すると、ユーザーをリモート サイトから中央サイトに移動した後も、ユーザーはパブリック フォルダに引き続きアクセスできるようになります。
    パブリック フォルダ移行ツール (PFMigrate) は、パブリック フォルダをリモートの Exchange 5.5 サーバーから中央の Exchange 2003 サーバーに移動します。PFMigrate の最新バージョンには、パブリック フォルダを管理グループを越えて移動するためのサイト統合コマンド オプション (/sc) があります。PFMigrate は、Exchange Server デプロイメント ツール (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=21231) に含まれています。
  • Object Rehome ツール   Object Rehome ツールは、配布リストおよび連絡先をリモートの Exchange 5.5 サーバーから中央の Exchange 2003 サーバーに移動します。Object Rehome ツールを使用すると、サイトの統合時に中央サイトを反映するように、配布リストおよびカスタム受信者の従来の識別名を更新できます。これらのオブジェクトを中央サイトを反映するように更新することで、リモート サイトを削除した場合でもこれらのオブジェクトは失われなくなります。
    また、Object Rehome ツールは、配布リストの展開サーバーを指定したサーバーに更新します。すべての配布リストから展開サーバーを消去する場合、配布リストが任意の展開サーバーを使用できるように、更新先の展開サーバー オプションを空白のままにしておくこともできます。Object Rehome ツールは、Exchange Server デプロイメント ツール (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=21231) に含まれています。