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ヒント: Windows Update クライアントの問題のトラブルシューティングを行う


必要な更新プログラムが自動的にインストールされていないクライアントが検出されることがあります。通常、このようなクライアントは、ソフトウェアの更新の監査で特定されます。問題の原因を特定するには、次の手順を実行します。

1. クライアントで更新プログラムが適用された最終日時を特定します。この日時を確認する方法は 2 つあります。1 つは、クライアントのレジストリを確認する方法です (これは最も信頼性が高い手法です)。もう 1 つは、Windows Server Update Services (WSUS) を使用している場合に限られますが、WSUS Web サイトのレポート ページを確認する方法です。

  • クライアントのレジストリを確認するには、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\WindowsUpdate\Auto Update\Results レジストリ キーを開きます。Detect、Download、および Install サブキーのそれぞれについて、LastSuccessTime エントリを確認して、更新プログラムが最後に検出、ダウンロード、およびインストールされた日時を特定します。
    図 1: レジストリ エディタ画面
  • WSUS サーバーを確認するには、WSUS サーバーで Update Services コンソールを起動します。[レポート] をクリックし、[コンピュータの詳細な状態] をクリックします。表示されるコンピューターの一覧で問題があるコンピューターを特定し、正常にインストールされた更新プログラムとインストールされていない更新プログラムを調査します。

2. クライアントの %SystemRoot%\WindowsUpdate.log ファイルを確認して、Windows Update クライアントで表示されたエラー メッセージを調査します。このテキスト ファイルには、Windows Update クライアントで生成された詳細な出力が記録されています (更新プログラムの検出、ダウンロード、およびインストールの試行の通知に関する情報も含まれています)。WindowsUpdate.log ファイルを使用して、クライアントが適切な更新サーバーにアクセスしているかどうかを確認できます。トラブルシューティングに必要な情報は、Microsoft サポート技術情報でエラー メッセージを検索して入手できます。

3. WSUS を使用している場合は、クライアントが WSUS サーバーに接続できることを確認します。クライアントで Web ブラウザーを起動して、http://<WSUS サーバー名>/iuident.cab にアクセスします。ファイルをダウンロードすることを求めるダイアログ ボックスが表示された場合、クライアントは WSUS サーバーに接続できているので、接続に問題はありません。[キャンセル] をクリックします。ファイルのダウンロードを求めるダイアログ ボックスが表示されない場合は、名前解決または接続に関する問題が発生しているか、WSUS が適切に構成されていない可能性があります。クライアントが WSUS サーバーと HTTP 経由で通信できない理由を特定して、問題のトラブルシューティングを進めます。

4. WSUS サーバーにアクセスできる場合は、クライアントが適切に構成されていることを確認します。Windows Update の構成にグループ ポリシーの設定を使用している場合は、ポリシーの結果セット (RSOP) ツール (Rsop.msc) を使用して、コンピューターの有効な構成を確認します。RSOP では、[コンピューターの構成]、[管理用テンプレート]、[Windows コンポーネント]、[Windows Update] を順に展開して、構成設定を確認します。

図 2: ポリシーの結果セット (RSOP) ツール 画面

5. WSUS が正しく構成されていないと思われる場合は、IIS の構成を確認します。WSUS では、IIS を使用して、大半のクライアントの自動更新を WSUS と互換性がある自動更新に自動的に更新します。この更新を行うために、WSUS のセットアップでは、WSUS をインストールしたコンピューターのポート 80 で実行されている Web サイトの下に /Selfupdate という名前の仮想ディレクトリを作成します。この仮想ディレクトリ (自己更新するツリー) には、最新の WSUS クライアントが配置されます。そのため、WSUS の Web サイトを 80 以外のポートで実行するように配置した場合も、Web サイトはポート 80 で実行されている必要があります。ポート 80 で実行している Web サイトは WSUS 専用でなくてもかまいません。実際、WSUS では、自己更新するツリーをホストする目的にのみポート 80 で実行しているサイトを使用します。自己更新するツリーが適切に動作するには、まず、Web サイトが WSUS サーバーのポート 80 で実行するように設定する必要があります。次に、WSUS サーバーのコマンド プロンプトで次のコマンドを実行します。
cscript <WSUS のインストール ドライブ>:\program files\microsoft windows server update services\setup\InstallSelfupdateOnPort80.vbs

問題を特定して、その問題を解決するための構成の変更を行ったら、クライアント コンピューターで Windows Update サービスを再起動して、変更を反映し、新しい更新サイクルを開始します。この操作は、サービス コンソールを使用するか、次の 2 つのコマンドを実行して行えます。
net stop wuauserv
net start wuauserv


6 ~ 10 分の間に Windows Update では、更新サーバーへの接続を試行します。

出典: Mitch Tulloch、Tony Northrup、Jerry Honeycutt、Ed Wilson、Windows 7 Team 共著『Windows 7 Resource Kit (英語)』(Microsoft Press、2009 年)