Await 演算子 (Visual Basic)
Await 演算子は、非同期のメソッドまたはラムダ式のオペランドに適用されて、待機中のタスクが完了するまでメソッドの実行を中断します。 このタスクは、進行中の作業を表します。
Await を使用するメソッドには Async 修飾子が必要です。 このようなメソッド (Async 修飾子を使用して定義され、通常 1 つ以上の Await 式を含むメソッド) を非同期メソッドと呼びます。
注意
Async キーワードおよび Await キーワードは、Visual Studio 2012 で導入されました。非同期プログラミングの概要については、「Async および Await を使用した非同期プログラミング (C# および Visual Basic)」を参照してください。
Await 演算子を適用するタスクは、通常、タスク ベースの非同期パターン (Task または Task) を実装するメソッド呼び出しの戻り値です。
次のコードでは、HttpClient メソッドの GetByteArrayAsync が getContentsTask (Task(Of Byte())) を返します。 これにより、操作が完了したときに実際のバイト配列が生成されることが保証されます。 Await 演算子が getContentsTask に適用されているため、getContentsTask が完了するまで SumPageSizesAsync の実行が中断されます。 その間、コントロールは SumPageSizesAsync の呼び出し元に戻されます。 getContentsTask が終了すると、Await 式がバイト配列に評価されます。
Private Async Function SumPageSizesAsync() As Task
' To use the HttpClient type in desktop apps, you must include a using directive and add a
' reference for the System.Net.Http namespace.
Dim client As HttpClient = New HttpClient()
' . . .
Dim getContentsTask As Task(Of Byte()) = client.GetByteArrayAsync(url)
Dim urlContents As Byte() = Await getContentsTask
' Equivalently, now that you see how it works, you can write the same thing in a single line.
'Dim urlContents As Byte() = Await client.GetByteArrayAsync(url)
' . . .
End Function
重要
コード例全体については、「チュートリアル: Async と Await を使用した Web へのアクセス (C# および Visual Basic)」を参照してください。Microsoft Web サイトで開発者コード サンプル からサンプルをダウンロードできます。この例は AsyncWalkthrough_HttpClient プロジェクトにあります。
Task(Of TResult) を返すメソッド呼び出しの結果に Await が適用されている場合、Await 式の型は TResult になります。 Task を返すメソッド呼び出しの結果に Await が適用されている場合、Await 式は値を返しません。 この違いを次の例に示します。
' Await used with a method that returns a Task(Of TResult).
Dim result As TResult = Await AsyncMethodThatReturnsTaskTResult()
' Await used with a method that returns a Task.
Await AsyncMethodThatReturnsTask()
Await 式またはステートメントは、自身が実行されているスレッドをブロックするのではなく、 非同期メソッドの残りの部分が待機中のタスクの継続として Await 式の後に登録されるようにします。 これによって、コントロールは非同期のメソッドの呼び出し元に戻されます。 タスクが完了すると、継続が呼び出され、中断したところから非同期メソッドの実行が再開されます。
Await 式は、Async 修飾子で修飾されたすぐ外側のメソッドまたはラムダ式の本体でのみ使用できます。 Await という用語がキーワードとして機能するのはこのコンテキストだけです。 他の場所では、識別子として解釈されます。 非同期のメソッドまたはラムダ式に含まれるクエリ式、Try…Catch…Finally ステートメントの catch ブロックまたは finally ブロック、For ループまたは For Each ループのループ コントロール変数式、および SyncLock ステートメントの本体で Await 式を使用することはできません。
例外
大半の非同期メソッドは、Task または Task を返します。 返されるタスクのプロパティには、タスクが完了しているかどうか、非同期メソッドで例外または取り消しが発生したかどうか、最終結果など、その状態および履歴に関する情報が含まれます。 Await 演算子は、これらのプロパティにアクセスします。
タスクを返す非同期メソッドを待機しているときにそのメソッドで例外が発生した場合、Await 演算子はその例外を再スローします。
タスクを返す非同期メソッドを待機しているときにそのメソッドがキャンセルされた場合、Await 演算子は OperationCanceledException を再スローします。
障害の発生した状態にある単一のタスクで、複数の例外が反映される場合があります。たとえば、タスクは Task.WhenAll の呼び出しの結果になることがあります。 このようなタスクを待機すると、await 操作によって 1 つの例外のみが再スローされます。 ただし、どの例外が再スローされるかを予測することはできません。
非同期メソッドのエラー処理の例については、「Try...Catch...Finally ステートメント (Visual Basic)」を参照してください。
使用例
次に示す Windows フォームの例では、WaitAsynchronouslyAsync という非同期メソッドで Await が使用されています。 このメソッドの動作と WaitSynchronously の動作の違いを確認します。 WaitSynchronously には Await 演算子がないため、定義で Async 修飾子が使用されていて、本体で Thread.Sleep が呼び出されているにもかかわらず、同期的に実行されます。
Private Async Sub Button1_Click(sender As Object, e As EventArgs) Handles Button1.Click
' Call the method that runs asynchronously.
Dim result As String = Await WaitAsynchronouslyAsync()
' Call the method that runs synchronously.
'Dim result As String = Await WaitSynchronously()
' Display the result.
TextBox1.Text &= result
End Sub
' The following method runs asynchronously. The UI thread is not
' blocked during the delay. You can move or resize the Form1 window
' while Task.Delay is running.
Public Async Function WaitAsynchronouslyAsync() As Task(Of String)
Await Task.Delay(10000)
Return "Finished"
End Function
' The following method runs synchronously, despite the use of Async.
' You cannot move or resize the Form1 window while Thread.Sleep
' is running because the UI thread is blocked.
Public Async Function WaitSynchronously() As Task(Of String)
' Import System.Threading for the Sleep method.
Thread.Sleep(10000)
Return "Finished"
End Function
参照
処理手順
チュートリアル: Async と Await を使用した Web へのアクセス (C# および Visual Basic)