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マイクロソフト事例: スマートフォンから

〜スマートフォンからビジネス文書を参照、編集する〜

更新日: 2011 年 9 月 5 日

いつどんな場面でも手元にある可能性が最も高い情報機器は携帯電話でしょう。現在急速に利用者を増やしているスマートフォンは、もはや PC に匹敵する性能を持ち、多様なアプリケーションを実行できる IT プラットフォームになりました。スマートフォンを業務でも活用し、フレキシブルな作業環境の実現を望む声はさまざまな組織の現場で高まっています。

これまでの携帯電話でも、電子メールの送受信や、一部の添付文書の表示などは可能でしたが、多くの場合は個人利用が前提になっており、Office ファイルなど、本格的なビジネス文書を扱うことは困難でした。しかし Windows Phone と Exchange Server、SharePoint Server を組み合わせれば、SharePoint Server 上に公開されたビジネス文書を参照できるだけでなく、Windows Phone で標準的にインストールされる Office Mobile for Windows Phone を使い、Excel や Word、PowerPoint で作成されたビジネス文書を表示することはもちろん、これらをスマートフォンで編集して、再度 SharePoint Server にポストできます。本格的な編集作業には向きませんが、確認と承認程度であれば、どこにいても、スマートフォンさえあれば作業できます。社内に SharePoint Server が用意できない場合も、インターネット上のクラウド サービスである Office 365 を使えば、同様の共同作業環境を実現できますし、OneDrive を使用することもできます。

モバイル デバイスを企業で使用する場合、最も心配なのは紛失時の対応です。Windows Phone ではリモート ロックやリモート ワイプ (データの消去) の機能が提供されています。万一スマートフォン本体を紛失した場合には、Windows Live に用意されている「モバイル」機能を使用して、紛失したモバイル デバイスに対して、「リモート ロック」「リモート ワイプ」実行することができます。また、紛失したモバイル デバイスに対してメッセージを表示し、拾得者に連絡先を通知することも可能です。これらの機能は 2011 年末にリリース予定の System Center Configuration Manager 2012 でもサポートされる予定です。
Windows Phone では、フル機能の Exchange ActiveSync がサポートされるとともに、Outlook の機能が大幅に向上しています。Exchange ActiveSync によって社内 Exchange や Office 365 のメールやアドレス帳、予定表などが完全に同期され、オフラインでも使えるようになります。また Windows Phone は IRM (Information Rights Management) もサポートしており、IRM でアクセスが制限された文書についても、ユーザーが正しくアクセス権限を持っていれば、スマートフォンからこれらの文書を操作できます。さらに便利な機能として、Gmail や Hotmail など、Exchange 以外の電子メールやカレンダーとの同期機能にも対応している点が挙げられます。メールボックスやカレンダーの統合機能を使用することで、個別に管理されているメールボックスやカレンダーを 1 つに統合して参照することもできるため、重要な情報を見逃すことがありません。

現在開発中の Microsoft System Center Configuration Manager 2012 (SCCM 2012) では、従来は別製品だった System Center Mobile Device Manager が統合され、スマートフォンやスレート型 PC (タブレット型 PC) についても、クライアント PC やサーバーと共通のプラットフォームで統合的に管理できるようになります。具体的には、 Forefront Endpoint Protection やロールベースの管理など、クライアント PC と同等の管理を共通のインターフェイスで Windows Phone に対しても実行できるのです。また SCCM 2012 は、Windows Phone はもちろんのこと、iOS (iPhone や iPad) や Android ベースのデバイスについても統合的に管理できるようになっています。

<用語解説と導入のための資料>

■ Windows Phone

マイクロソフトが開発したスマートフォン向けのオペレーティング システムです。従来からの Windows Mobile プラットフォームを改良するのではなく、ゼロ ベースで全く新しく開発されました。ユーザー インターフェイスも一新され、タイル形式のインターフェイスを採用。この新しい UI (Windows Phone ユーザーインターフェイス UI と呼ばれます) は、次バージョンの Windows 8 のインターフェイスとしても採用される予定です。コンシューマー用途のスマートフォンとしてのさまざまな機能はもちろん、Windows Phone には、スマートフォンで Office 文書を扱えるようにする Office Mobile for Windows Phone が搭載されています。Windows Phone の標準メッセージング アプリケーションである Microsoft Outlook Mobile では、PC 版の Microsoft Outlook の操作感が再現されており、慣れ親しんだ操作でメッセージをソートしたり、検索したり、予定表を操作したりできます。もちろん、Outlook 2010 で採用されたスレッド表示も可能です。また Windows Phone は、SharePoint Server 上にある Office 文書にアクセスしたり、同期したりすることもできます。

<関連リンク>

■ Exchange Active Sync

携帯電話やスマートフォンなど、帯域幅の小さなネットワーク利用を余儀なくされるデバイスが、ストレスなく Exchange Server のデータ (電子メール、予定表、連絡先など) を同期できるようにするために開発されたプロトコルです。一度デバイス側にデータを同期すれば、オフライン時もそのままデバイスでデータの操作が可能になります。

<関連リンク>

【情報収集・提案】

【設計・導入・メンテナンス】

■ Information Rights Management (IRM)

Office 文書や電子メール メッセージに対するアクセス許可を制限できるようにする機能です。IRM で制限された文書は暗号化され、アクセス許可を受けたユーザーだけが内容にアクセスできるようになります。Windows Phone の Microsoft Outlook Mobile は、この IRM をサポートしていますので、アクセス許可の制限が、Windows Mobile ユーザーに対しても有効に機能します。

■ Microsoft Office 365

Exchange Online、SharePoint Online、Lync Online、Office デスクトップ スイートを統合した次世代のクラウド向けサービスです。社内にオンプレミスのサーバー環境を構築しなくても、インターネット上のクラウドを利用して、電子メールの送受信や予定表の共有、Web 会議などの共同作業が簡単に可能になります。Office 365 は、サブスクリプション サービス (購読型サービス) として利用できます。

■ Forefront Unified Access Gateway 2010 (UAG)

Windows Phone から社内の SharePoint に安全にアクセスするためのゲートウェイとして、 UAG を使用することができます。UAG を使用することで、インターネット上から、 Windows Phone を使用していつでも社内のリソースにアクセスすることができます。

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