JavaScript コンソール コマンド
Visual Studio では、JavaScript コンソール ウィンドウでコマンドを使用して、メッセージを送信したり他のタスクを実行したりすることができます。 そのウィンドウの使用方法の例については、以下を参照してください。クイックスタート: コンソールを使用した JavaScript のデバッグ. このトピックの情報は、JavaScript を使用した Windows ストア アプリおよび Windows Phone ストア アプリに適用されます。 マルチデバイスのハイブリッド アプリでサポートするコンソール コマンドの詳細は、「アプリのデバッグ」を参照してください。 Internet Explorer F12 ツールのコンソールの使用については、このトピックを参照してください。
Visual Studio でデバッグしながら、閉じた JavaScript コンソール ウィンドウを再び開くには、[デバッグ] > [ウィンドウ] > [JavaScript コンソール] の順にクリックします。
注意
デバッグ セッション中にウィンドウが使用できない場合、プロジェクトのデバッグのプロパティで、デバッガーの種類が Script であることを確認してください。
コンソール オブジェクト コマンド
次の表に、JavaScript コンソール ウィンドウで使用する、またはコードからコンソールにメッセージを送信するために使用する、console オブジェクトのコマンドの構文を示します。 このオブジェクトには多数の形式があるので、必要に応じて情報メッセージとエラー メッセージを区別できます。
注意
console という名前のローカル オブジェクトとの混同を避ける必要がある場合は、長いコマンド形式である window.console.[command] を使用できます。
コマンド |
説明 |
例 |
---|---|---|
assert(expression, message) |
expression が false と評価された場合にメッセージを送信します。 |
console.assert((x == 1), "assert message: x != 1"); |
clear() |
コンソール ウィンドウからメッセージ (スクリプト エラー メッセージなど) をクリアし、コンソール ウィンドウに表示されているスクリプトもクリアします。 コンソールの入力プロンプトに入力したスクリプトはクリアされません。 |
console.clear(); |
count(title) |
カウント コマンドが呼び出された回数をコンソール ウィンドウに送信します。 title オプションにより、カウントの呼び出しはそれぞれ一意に識別されます。 コンソール ウィンドウの既存のエントリは title パラメーター (存在する場合) により識別され、カウント コマンドによって更新されます。 新しいエントリは作成されません。 要件: Visual Studio 2013 |
console.count(); console.count("inner loop"); |
debug(message) |
message をコンソール ウィンドウに送信します。 このコマンドは console.log と同じものです。 このコマンドを使用して渡されたオブジェクトは、文字列値に変換されます。 要件: Visual Studio 2013 |
console.debug("logging message"); |
dir(object) |
指定されたオブジェクトをコンソール ウィンドウに送信し、それをオブジェクトのビジュアライザーに表示します。 ビジュアライザーを使用して、コンソール ウィンドウのプロパティを検査できます。 |
console.dir(obj); |
dirxml(object) |
指定された XML ノード object をコンソール ウィンドウに送信し、それを XML ノード ツリーとして表示します。 要件: Visual Studio 2013 |
console.dirxaml(xmlNode); |
error(message) |
message をコンソール ウィンドウに送信します。 メッセージ テキストは赤で表示され、その前にエラー シンボルが付きます。 このコマンドを使用して渡されたオブジェクトは、文字列値に変換されます。 |
console.error("error message"); |
group(title) |
コンソール ウィンドウに送信されたメッセージのグループ化を開始し、オプションの title をグループ ラベルとして送信します。 グループは入れ子にでき、コンソール ウィンドウのツリー ビューに表示されます。 グループ* のコマンドを使うと、コンポーネント モデルを使用する場合などのシナリオで、コンソール ウィンドウの出力を容易に表示することができます。 要件: Visual Studio 2013 |
|
groupCollapsed(title) |
コンソール ウィンドウに送信されたメッセージのグループ化を開始し、オプションの title をグループ ラベルとして送信します。 groupCollapsed を使用して送信されたグループは、既定では折りたたまれたビューで表示されます。 グループは入れ子にでき、コンソール ウィンドウのツリー ビューに表示されます。 要件: Visual Studio 2013 |
使用法は group コマンドと同じです。 group のコマンドの例を参照してください。 |
groupEnd() |
現在のグループを終了します。 要件: Visual Studio 2013 |
group のコマンドの例を参照してください。 |
info(message) |
message をコンソール ウィンドウに送信します。 メッセージの前に情報シンボルが付きます。 |
console.info("info message"); 他の例については、このトピックで後述する「console.log 出力のフォーマット 」を参照してください。 |
log(message) |
message をコンソール ウィンドウに送信します。 オブジェクトを渡すと、このコマンドによりオブジェクトがコンソール ウィンドウに送信され、オブジェクトのビジュアライザーに表示されます。 ビジュアライザーを使用して、コンソール ウィンドウのプロパティを検査できます。 |
console.log("logging message"); |
msIsIndependentlyComposed(element) |
Web アプリで使用されます。 JavaScript を使用したストア アプリではサポートされていません。 |
サポートされていません。 |
profile(reportName) |
Web アプリで使用されます。 JavaScript を使用したストア アプリではサポートされていません。 |
サポートされていません。 |
profileEnd() |
Web アプリで使用されます。 JavaScript を使用したストア アプリではサポートされていません。 |
サポートされていません。 |
select(element) |
DOM Explorer で指定された HTML element を選択します。 要件: Visual Studio 2013 |
console.select (要素); |
time (name) |
name オプション パラメーターによって識別されるタイマーを開始します。 console.timeEnd と共に使用すると、time から timeEnd までの経過時間を計算し、name 文字列をプレフィックスとして使用して、結果 (ミリ秒単位) をコンソールに送信します。 アプリ コードのインストルメンテーションを有効にして、パフォーマンスを測定するために使用します。 要件: Visual Studio 2013 |
console.time("app start"); app.start(); console.timeEnd("app start"); |
timeEnd(name) |
name オプション パラメーターによって識別されるタイマーを停止します。 time コンソール コマンドを参照してください。 要件: Visual Studio 2013 |
console.time("app start"); app.start(); console.timeEnd("app start"); |
trace() |
スタック トレースをコンソール ウィンドウに送信します。 このトレースには、完全な呼び出し履歴と、ファイル名、行番号、列番号などの情報が含まれます。 要件: Visual Studio 2013 |
console.trace(); |
warn(message) |
message をコンソール ウィンドウに送信します。メッセージの前に警告シンボルが付きます。 このコマンドを使用して渡されたオブジェクトは、文字列値に変換されます。 |
console.warn("warning message"); |
その他のコマンド
JavaScript コンソール ウィンドウでは、以下のコマンドも使用できます。
コマンド |
説明 |
例 |
---|---|---|
$0, $1, $2, $3, $4 |
指定された要素をコンソール ウィンドウに返します。 $0 は DOM Explorer で現在選択されている要素を返し、$1 は DOM Explorer で直前に選択されていた要素を返します。同様に、最大で 4 つ前に選択されていた要素を返します。 |
$3 |
$(id) |
要素を ID で返します。 これは document.getElementById(id) のショートカット コマンドであり、id は要素の ID を表す文字列です。 |
$("contenthost") |
$$(selector) |
CSS セレクター構文を使用して、指定されたセレクターと一致する要素の配列を返します。 これは document.querySelectorAll() のショートカット コマンドです。 |
$$(".itemlist") |
cd() cd(window) |
式の評価のコンテキストを、既定であるページのトップレベル ウィンドウから指定したフレームのウィンドウに変更できます。 cd() をパラメーターの指定なしで呼び出すと、コンテキストがトップレベル ウィンドウに戻ります。 |
cd(); cd(myframe); |
select(element) |
DOM Explorer で指定された要素を選択します。 |
select(document.getElementById("element")); select($("element")); select($1); |
dir(object) |
指定されたオブジェクトのビジュアライザーを返します。 ビジュアライザーを使用して、コンソール ウィンドウのプロパティを検査できます。 |
dir(obj); |
コンソール コマンドが存在するかどうかを確認
特定のコマンドを使用する前に、それが存在するかどうかを確認できます。 この例では console.log コマンドの存在を確認します。 console.log が存在する場合には、コードはそれを呼び出します。
if (console && console.log) {
console.log("msg");
}
JavaScript コンソール ウィンドウを使ったオブジェクトの検査
JavaScript コンソール ウィンドウを使用すると、スコープ内のオブジェクトと対話できます。 コンソール ウィンドウでスコープ外のオブジェクトを検査するには、コードから console.log 、console.dir、または他のコマンドを使用します。 または、コードでブレークポイントを設定 ([ブレークポイント] > [ブレークポイントの挿入] の順にクリック) すると、コンソール ウィンドウからスコープ内のオブジェクトと対話できます。
console.log 出力のフォーマット
複数の引数を console.log に渡すと、コンソールはその引数を配列として処理し、出力を連結します。
var user = new Object();
user.first = "Fred";
user.last = "Smith";
console.log(user.first, user.last);
// Output:
// Fred Smith
console.log は出力をフォーマットする代替パターン "printf" もサポートします。 代替パターンを最初の引数に使用すると、他の引数は、使用された順番で指定されたパターンを置き換えるために使用されます。
次の代替パターンがサポートされています。
- %s - 文字列
%i - 整数
%d - 整数
%f - 浮動
%o - オブジェクト
%b - バイナリ
%x - 16 進数
%e - 指数
ここでは、console.log で代替パターンを使った例をいくつか示します。
var user = new Object();
user.first = "Fred";
user.last = "Smith";
user.age = 10.01;
console.log("Hi, %s %s!", user.first, user.last);
console.log("%s is %i years old!", user.first, user.age);
console.log("%s is %f years old!", user.first, user.age);
// Output:
// Hi, Fred Smith!
// Fred is 10 years old!
// Fred is 10.01 years old!