Blend におけるオブジェクトの移動と変換
Blend for Visual Studio では、イメージ オブジェクト、テキスト オブジェクト、およびベクトル オブジェクトの位置変更、サイズ変更、平行移動、拡大縮小、回転、傾斜、反転、中心点の変更などを簡単に行うことができます。 オブジェクトを変更するには、アートボードで変更を加えるか、[プロパティ] パネルの [レイアウト] カテゴリおよび [変換] カテゴリでプロパティを変更します。 また、[ブラシの変更] ツール を使用すると、イメージ オブジェクト、テキスト オブジェクト、およびベクトル オブジェクトのブラシ プロパティのみを変更できます。
アートボードでのオブジェクトの変更
[ツール] パネルの [選択内容] を使用してアートボード上のオブジェクトを選択すると、Blend によって、そのオブジェクトの周りにハンドルが付いた境界ボックスが表示されます。これらのハンドルを使用して、オブジェクトを変更できます。 Ctrl キーを押したまま選択することで、複数のオブジェクトを一度に選択することもできます。この場合、境界ボックスは、選択されたすべてのオブジェクトを囲むように表示されます。 ハンドルを使用する場合の簡単なヒントを以下に紹介します。オブジェクトの変換前後の外観を表す図も示します。
変更 |
変換前後のオブジェクト |
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位置変更 オブジェクトを X 軸、Y 軸、または Z 軸 (3D オブジェクトのみ) に沿って移動します。 オブジェクトの位置を変更するには、オブジェクトの上にポインターを移動し、カーソルが小さい 4 方向の矢印 に変わったら、ポインターをドラッグしてオブジェクトを移動します。 位置を変更するときに移動方向を X 平面または Y 平面に制限するには、Shift キーを押したまま操作します。 オブジェクトの位置を変更すると、[プロパティ] パネルの [レイアウト] のオブジェクトのプロパティも変わります。 位置の変更は、単にオブジェクトの最初の位置を変更するだけです。 位置を変更しても、トリガーまたはアニメーション タイムラインのオブジェクトを変更するとき以外は、オブジェクトに変換が適用されません。位置の変更によって、[プロパティ] パネルの [変換] にある [平行移動] タブのプロパティが変更されます。 詳細については、「Blend におけるオブジェクトの位置変更/変換」を参照してください。 |
アートボード上のオブジェクトの位置の変更 |
サイズ変更 オブジェクトの高さ、幅、および奥行き (3D オブジェクトのみ) を変更します。 オブジェクトのサイズを変更するには、オブジェクトの角のハンドルまたは中心点ハンドルの上にポインターを移動し、ポインターが両方向矢印 (、、、または ) に変わったら、ポインターをドラッグします。 Shift キーを押しながらサイズを変更すると、オブジェクトの縦横比を維持できます。 Alt キーを押しながら変更すると、中心点を維持できます。 オブジェクトの位置を変更すると、[プロパティ] パネルの [レイアウト] のオブジェクトのプロパティも変わります。 サイズの変更は、単にオブジェクトの最初のサイズを変更するだけです。 サイズを変更しても、トリガーまたはアニメーション タイムラインのオブジェクトを変更するとき以外は、オブジェクトに変換が適用されません。サイズの変更によって、[プロパティ] パネルの [変換] にある [拡大縮小] タブのプロパティが変更されます。 詳細については、「Blend におけるオブジェクトのサイズの変更、または拡大/縮小」を参照してください。 |
アートボード上のオブジェクトのサイズの変更 |
回転 オブジェクトを中心点を基準として回転します。 オブジェクトを回転するには、オブジェクトの角のハンドルの上にポインターを移動し、ポインターが回転ハンドル に変わったら、ポインターをドラッグしてオブジェクトを回転します。 Shift キーを押しながら回転させると、オブジェクトが 15°ずつ回転します。 中心点の位置は、オブジェクトの回転に影響します。 オブジェクトの中心点を移動するには、オブジェクトの中心にあるハンドル上にポインターを移動し、ポインターが 4 方向の矢印 に変わったら、ポインターをドラッグします。 中心点を移動すると、[プロパティ] パネルの [変換] にある [中心点] タブ のプロパティが変更されます。 オブジェクトを回転すると、[プロパティ] パネルの [変換] にある [回転] タブ のプロパティが変更されます。 回転によって、オブジェクトに変換が適用されます。 詳細については、「Blend におけるオブジェクトの回転」および「Blend におけるオブジェクトの中心点の変更」を参照してください。 |
アートボード上のオブジェクトの回転 |
傾斜 オブジェクトを X 軸、Y 軸、または Z 軸 (3D オブジェクトのみ) に沿って傾斜 (変形) させます。 オブジェクトを傾けるには、オブジェクトの中点ハンドルの上にポインターを移動し、ポインターが分割された両方向矢印 に変わったら、ポインターをドラッグします。 反対側の角または辺の位置を維持するのではなく、中心点の位置を維持する場合は、Alt キーを押しながら操作します。 オブジェクトを傾けると、[プロパティ] パネルの [変換] にある [傾き] タブ のプロパティが変更されます。 傾斜によって、オブジェクトに変換が適用されます。 詳細については、「Blend におけるオブジェクトの傾斜」を参照してください。 |
アートボード上のオブジェクトの傾斜 |
反転 オブジェクトを X 軸、Y 軸、または Z 軸 (3D オブジェクトのみ) に沿って反転します。 オブジェクトを反転するには、オブジェクトの角のハンドルまたは中点ハンドルの上にポインターを移動し、ポインターが両方向矢印 (、、、または ) に変わったら、反対側の中点または角を通り越したところに、ポインターをドラッグします。 Shift キーを押しながらサイズを変更すると、オブジェクトの縦横比を維持できます。 Alt キーを押しながら変更すると、中心点を維持できます。 オブジェクトの反転は、[プロパティ] パネルの [変換] の [反転] タブ にあるボタンを選択することによっても同じ結果が得られます。 反転によって、負数の拡大縮小値を含むオブジェクトに変換が適用されます。 詳細については、「Blend におけるオブジェクトの反転」を参照してください。 |
アートボード上のオブジェクトの反転 |
個別のプロパティ設定によるオブジェクトの変更
オブジェクトを正確に変更するには、[プロパティ] パネルの [レイアウト] または [変換] でプロパティに特定の値を入力します。 [プロパティ] パネルを使用すると、オブジェクトの高さ、幅、配置、余白の初期値や、回転、傾斜および反転の角度、拡大縮小および平行移動の値、中心点などを微調整できます。
注意
[プロパティ] パネルの [レイアウト] および [変換] のプロパティのほとんどで、Blend の数値エディターを使用できます。数値エディターをアクティブにするには、プロパティのテキスト ボックスの上にマウス ポインターを移動し、数値調整カーソル が表示されたらドラッグします。また、プロパティのテキスト ボックスをクリックし、上下の方向キーを使用して値を変更することもできます。
テキスト オブジェクトの変更
イメージ オブジェクトとベクトル オブジェクトに適用できる変更は、テキスト オブジェクトにも適用できます。
変更を適用したテキスト オブジェクト
オブジェクトの変換
変換とは、ある座標空間上の点を決められた方法で別の座標空間に対応付けることです。 たとえば、オブジェクトを平行移動する場合、オブジェクトに適用される変換によって、オブジェクトの最初の X、Y、および Z (3D オブジェクトのみ) 座標から目的の座標に移動します。 オブジェクトを拡大縮小する場合、オブジェクトに適用される変換により、オブジェクトの最初の X、Y、および Z (3D オブジェクトのみ) の値に対する拡大縮小率に基づいてサイズが変更されます。
オブジェクトを変換するには、[プロパティ] パネルの [変換] で特定の値を入力するか、アートボード上でオブジェクトの中心点、回転、傾斜角度、または反転角度を変更します。 アニメーション タイムラインまたはトリガーのオブジェクトを変更する場合は、アートボード上でオブジェクトの位置またはサイズを変更する場合でも自動的に変換が適用されます。 これによって、オブジェクトの元の値が保持されます。
変換プロパティには、3 つのカテゴリがあります。
RenderTransform レイアウト パスの完了後に、変換が適用されます。 [選択内容] ツールを使用してアートボード上のオブジェクトを変換すると、RenderTransform プロパティが変更されます。
注意
RenderTransform プロパティを使用する方がアプリケーションのパフォーマンスが高いため、オブジェクト変換に適しています。
Projection レイアウト パスの完了後に、変換が適用されます。 [Projection] は、3 次元で空間でオブジェクトが回転するような錯覚を生み出します。
詳細については、「Blend におけるシミュレートされた 3D スペースでのオブジェクトの変換」を参照してください。 [Projection] は、Microsoft Silverlight プロジェクトのみで使用できます。
LayoutTransform レイアウト中にメモリ内で変換が適用された後、画面にアプリケーションが表示されます。 子オブジェクトに適用される変換に親オブジェクトを整合させる必要がある場合は、LayoutTransform プロパティを使用します。 レイアウト変換は、Windows Presentation Foundation (WPF) プロジェクトのみで使用できます。
オブジェクトに適用されたブラシの変換
[ブラシの変更] ツール は、ブラシの RelativeTransform プロパティ (グラデーション ブラシとタイル ブラシの RelativeTransform など) を変更します。 ブラシの RelativeTransform プロパティに変換を適用すると、ブラシの出力が領域にマップされる前に変換がブラシに適用されます。
[ブラシの変更] ツールは、[ブラシ] パネルで選択されているブラシを変更し、アートボード上で選択されているオブジェトに適用します。
オブジェクトに適用されているブラシの変換をアートボード上で直接変更するには、[プロパティ] パネルでブラシのプロパティを選択してから、[ツール] パネルの [ブラシの変更] を選択します。
ヒント
アートボード上でオブジェクトを選択した状態で B キーを押すと、[ブラシの変更] ツールが選択されます。
オブジェクトの周囲には、ガイド (青い境界線) が表示されます。 [ブラシの変更] ツールでオブジェクトを選択した状態で、次のようにしてオブジェクトを変更できます。
ブラシを移動するには、オブジェクト内でドラッグします。 この操作は、[プロパティ] パネルの [RelativeTransform] ボックスの [平行移動] タブの設定に相当します。
ブラシを回転させるには、オブジェクトの輪郭線の角の外側にポインターを置いて、ポインターが回転ハンドル に変化したらドラッグします。 この操作は、[プロパティ] パネルの [RelativeTransform] ボックスの [回転] タブの設定に相当します。
タイル ブラシまたは放射状グラデーション ブラシのサイズを変更するには、オブジェクトの中点ハンドルまたは角のハンドルにポインターを置き、ドラッグします。 この操作は、[プロパティ] パネルの [RelativeTransform] ボックスの [拡大縮小] タブの設定に相当します。
ブラシを傾けるには、中点ハンドルの外側にポインターを置いて、ポインターが傾斜ハンドル に変化したらドラッグします。 この操作は、[プロパティ] パネルの [RelativeTransform] ボックスの [傾斜] タブの設定に相当します。
変換を反転させることもできます。 [プロパティ] パネルで、[ブラシ] カテゴリの [詳細プロパティの表示] をクリックします。 [RelativeTransform] ボックスで [反転] タブをクリックし、[X 軸に沿って反転] または [Y 軸に沿って反転] をクリックします。
ブラシの変更の詳細については、「Blend でオブジェクトをレイアウト コンテナーに編成する」および「Blend でグラデーション ブラシまたはタイル ブラシを変更する」を参照してください。
クリッピング
オブジェクトを変換するとき、オブジェクトの一部が切り取られ、境界ボックスの外側が部分が表示されなくなることがあります。 切り取りの問題を解決するには、次の方法で行います。
[プロパティ] パネルの [外観] で、[ClipToBounds ] プロパティのチェック ボックスをオフにします。
[プロパティ] パネルの [変換] で、[RenderTransform] カテゴリではなく、[LayoutTransform] カテゴリのプロパティを使用します。 これは、表示ブラシを変換するときに特に有効です。
変換を適用する前、または、アニメーション タイムラインまたはトリガーのオブジェクトを変更する前に、[プロパティ] パネルの [レイアウト] のプロパティを使用して、既定のタイムラインのオブジェクトを変更します。 これにより、変換が適用される前に、境界ボックスのサイズと位置が変更されます。
図形またはパスを使用してオブジェクトを切り取る場合、クリッピング マスクを作成することができます。 詳細については、「クリッピング パスの適用、変更、または削除」を参照してください。