Hello World -- 最初のプログラム (C# プログラミング ガイド)
次の手順では "Hello World!" プログラムの C# バージョンを作成します。 このプログラムでは Hello World! という文字列を表示します。
基本概念の例については、「Visual C# と Visual Basic の概要」を参照してください。
注意
次の手順で参照している Visual Studio ユーザー インターフェイス要素の一部は、お使いのコンピューターでは名前や場所が異なる場合があります。これらの要素は、使用している Visual Studio のエディションや独自の設定によって決まります。詳細については、「Visual Studio での開発設定のカスタマイズ」を参照してください。
コンソール アプリケーションを作成し、実行するには
Visual Studio を起動します。
メニュー バーで [ファイル]、[新規]、[プロジェクト] の順にクリックします。
[新しいプロジェクト] ダイアログ ボックスが表示されます。
[インストール済み]、[テンプレート]、[Visual C#] の順に展開し、[コンソール アプリケーション] を選択します。
[名前] ボックスにプロジェクト名を指定し、[OK] をクリックします。
ソリューション エクスプローラーに新しいプロジェクトが表示されます。
コード エディターで Program.cs が開いていない場合は、ソリューション エクスプローラーで Program.cs のショートカット メニューを開き、[コードの表示] をクリックします。
Program.cs の内容を次のコードで置き換えます。
// A Hello World! program in C#. using System; namespace HelloWorld { class Hello { static void Main() { Console.WriteLine("Hello World!"); // Keep the console window open in debug mode. Console.WriteLine("Press any key to exit."); Console.ReadKey(); } } }
F5 キーを押してプロジェクトを実行します。 Hello World! という行を含むコマンド プロンプト ウィンドウが表示されます。
次に、このプログラムの重要な部分を調べます。
コメント
最初の行はコメントになっています。 「//」という文字があると、これ以降その行はコメントになります。
// A Hello World! program in C#.
テキスト ブロックを /* 文字と */ 文字で囲んでコメントにすることもできます。 これを次の例に示します。
/* A "Hello World!" program in C#.
This program displays the string "Hello World!" on the screen. */
Main メソッド
C# コンソール アプリケーションには、Main メソッドが必要です。このメソッドの中で制御を開始して終了します。 Main メソッドでは、オブジェクトを作成し、ほかのメソッドを実行します。
Main メソッドはクラスまたは構造体の中に存在する static (C# リファレンス) メソッドです。 前の "Hello World!" の例では、これは Hello という名前のクラスに置かれていました。 次の方法のいずれかで Main メソッドを宣言できます。
void 型を返すことができます。
static void Main() { //... }
整数を返すこともできます。
static int Main() { //... return 0; }
どちらの戻り値の型でも、次のように引数を受け取ることができます。
static void Main(string[] args) { //... }
または
static int Main(string[] args) { //... return 0; }
Main メソッドのパラメーターである args は、string の配列で、プログラムの実行時に使用したコマンド ライン引数を含みます。 C++ とは異なり、この配列には実行可能 (exe) ファイルの名前は含まれていません。
コマンド ライン引数の使い方の詳細については、「Main() とコマンド ライン引数 (C# プログラミング ガイド)」および「方法: コマンド ラインを使用してアセンブリを作成および使用する (C# および Visual Basic)」の例を参照してください。
Main メソッドの末尾で ReadKey を呼び出すと、F5 キーを押してデバッグ モードでプログラムを実行するときに、出力を読み取る前にコンソール ウィンドウが終了することを回避できます。
入出力
C# プログラムは、普通、.NET Framework のランタイム ライブラリが提供する入出力サービスを使用します。 ステートメント System.Console.WriteLine("Hello World!"); では、WriteLine メソッドを使用しています。 これは、ランタイム ライブラリの Console クラスの出力メソッドの 1 つです。 文字列パラメーターを標準出力ストリームに出力し、最後に改行を付け加えます。 別の入出力操作には、他の Console メソッドを使用できます。 using System; ディレクティブをプログラムの開始時にインクルードした場合は、完全に修飾せずに System クラスおよびメソッドを直接使用できます。 たとえば、System.Console.WriteLine の代わりに Console.WriteLine を呼び出すことができます。
using System;
Console.WriteLine("Hello World!");
入出力メソッドの詳細については、「System.IO」を参照してください。
コマンド ライン コンパイルと実行
Visual Studio 統合開発環境 (IDE: Integrated Development Environment) の代わりに、コマンド ラインを使用して "Hello World!" プログラムをコンパイルできます。
コマンド プロンプトからコンパイルおよび実行するには
前の手順のコードをテキスト エディターに貼り付け、テキスト ファイルとして保存します。 そのファイルに Hello.cs という名前を付けます。 C# のソース コード ファイルでは、.cs という拡張子を使います。
次のいずれかの手順を実行してコマンド プロンプト ウィンドウを開きます。
Windows 8 の [スタート] 画面で、「開発者コマンド プロンプト」を検索し、[VS2012 用開発者コマンド プロンプト] をタップまたは選択します。
[開発者コマンド プロンプト] ウィンドウが表示されます。
Windows 7 の [スタート] メニューを開き、Visual Studio の現在のバージョンのフォルダーを展開し、[Visual Studio ツール] のショートカット メニューを開いて、[VS2012 用開発者コマンド プロンプト] をクリックします。
[開発者コマンド プロンプト] ウィンドウが表示されます。
標準のコマンド プロンプト ウィンドウからコマンド ライン ビルドを有効にします。
「方法 : Visual Studio のコマンドラインのための環境変数を設定する」を参照してください。
コマンド プロンプト ウィンドウで、Hello.cs ファイルが格納されているフォルダーに移動します。
Hello.cs をコンパイルするには、次のコマンドを入力します。
csc Hello.cs
プログラムにコンパイル エラーがない場合、Hello.exe という名前の実行可能ファイルが作成されます。
コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力してプログラムを実行します。
Hello
C# コンパイラとオプションの詳細については、「C# コンパイラ オプション」を参照してください。
参考書籍の該当する章
『Beginning Visual C# 2010 (Visual C# 2010 の開始)』の「Writing a C# Program (C# プログラムの記述)」
参照
関連項目
概念
Main() とコマンド ライン引数 (C# プログラミング ガイド)