XPath の例
このトピックでは、「XPath リファレンス」全体を通じて提示される構文例を説明します。すべての例は、「XPath 構文のサンプル XML ファイル (inventory.xml)」に基づいてます。テスト ファイル内で XPath 式を使用する方法を示す例については、このトピックの最後の「和集合の例 ( | )」を参照してください。
式 |
説明 |
---|---|
./author |
現在のコンテキスト内のすべての <author> 要素。これは、次の行の式に等しくなることに注意してください。 |
author |
現在のコンテキスト内のすべての <author> 要素。 |
first.name |
現在のコンテキスト内のすべての <first.name> 要素。 |
/bookstore |
このドキュメントのドキュメント要素 (<bookstore>)。 |
//author |
このドキュメント内のすべての <author> 要素。 |
book[/bookstore/@specialty=@style] |
ドキュメントのルートにある <bookstore> 要素の specialty 属性と同じ値の style 属性を持っているすべての <book> 要素。 |
author/first-name |
<author> 要素の子要素であるすべての <first-name> 要素。 |
bookstore//title |
<bookstore> 要素内の 1 段階以上深いレベル (任意の子孫) に含まれているすべての <title> 要素。これは、次の行の式とは異なる点に注意してください。 |
bookstore/*/title |
<bookstore> 要素の孫要素であるすべての <title> 要素。 |
bookstore//book/excerpt//emph |
<bookstore> 要素内の任意の場所にある <book> 要素の子要素 <excerpt> 内の任意の場所にあるすべての <emph> 要素。 |
.//title |
現在のコンテキスト内の 1 段階以上深いレベルにあるすべての <title> 要素。この状況は、ピリオド表記が必須である場合において、基本的に 1 回だけ発生することに注意してください。 |
author/* |
<author> 要素の子要素であるすべての要素。 |
book/*/last-name |
<book> 要素の孫要素であるすべての <last-name> 要素。 |
*/* |
現在のコンテキストのすべての孫要素です。 |
*[@specialty] |
specialty 属性を持つすべての要素。 |
@style |
現在のコンテキストの style 属性。 |
price/@exchange |
現在のコンテキスト内の <price> 要素の exchange 属性。 |
price/@exchange/total |
属性には要素の子が含まれないため、空のノード セットが返ります。この式は、XPath (XML Path Language) の文法上は使用可能ですが、厳密にいえば有効ではありません。 |
book[@style] |
現在のコンテキストの style 属性を持つすべての <book> 要素。 |
book/@style |
現在のコンテキストのすべての <book> 要素の style 属性。 |
@* |
現在の要素のコンテキストのすべての属性。 |
./first-name |
現在のコンテキスト ノード内のすべての <first-name> 要素。これは、次の行の式に等しくなることに注意してください。 |
first-name |
現在のコンテキスト ノード内のすべての <first-name> 要素。 |
author[1] |
現在のコンテキスト ノード内の最初の <author> 要素。 |
author[first-name][3] |
子要素 <first-name> を持っている 3 番目の <author> 要素。 |
my:book |
my 名前空間の <book> 要素。 |
my:* |
my 名前空間のすべての要素。 |
@my:* |
my 名前空間からのすべての要素 (これには、my 名前空間からの要素の修飾されていない属性は含まれません)。 |
インデックスは親を基準にして付けられる点に注意してください。次のデータについて考えてみましょう。
<x>
<y/>
<y/>
</x>
<x>
<y/>
<y/>
</x>
式 |
説明 |
---|---|
x/y[1] |
個々の <x> の最初の子要素 <y>。これは、次の行に示す式と同じです。 |
x/y[position() = 1] |
個々の <x> の最初の子要素 <y>。 |
(x/y)[1] |
<x> 要素の子要素 <y> の集合全体で最初の <y>。 |
x[1]/y[2] |
最初の <x> の 2 番目の子要素 <y>。 |
これ以降に示す例では、XPath のサンプル XML ファイルについて説明します。
式 |
説明 |
---|---|
book[last()] |
現在のコンテキスト ノードの最後の <book> 要素。 |
book/author[last()] |
現在のコンテキスト ノードの個々の <book> 要素の最後の子要素 <author>。 |
(book/author)[last()] |
現在のコンテキスト ノードの <book> 要素の子要素 <author> の集合全体で最後の <author> 要素。 |
book[excerpt] |
少なくとも 1 つの子要素 <excerpt> を含むすべての <book> 要素。 |
book[excerpt]/title |
少なくとも 1 つの子要素 <excerpt> を含む <book> 要素を親要素とするすべての <title> 要素。 |
book[excerpt]/author[degree] |
少なくとも 1 つの子要素 <excerpt> を含む <book> 要素の子要素であると同時に、自身が少なくとも 1 つの子要素 <degree> を持っているすべての <author> 要素。 |
book[author/degree] |
少なくとも 1 つの子要素 <degree> が含まれた <author> を子要素として持つすべての <book> 要素。 |
author[degree][award] |
少なくとも 1 つの子要素 <degree> を含み、少なくとも 1 つの子要素 <award> を含む、すべての <author> 要素。 |
author[degree and award] |
少なくとも 1 つの子要素 <degree> を含み、少なくとも 1 つの子要素 <award> を含む、すべての <author> 要素。 |
author[(degree or award) and publication] |
少なくとも 1 つの <degree> または <award> を含み、少なくとも 1 つの <publication> を子要素として含むすべての <author> 要素。 |
author[degree and not(publication)] |
少なくとも 1 つの子要素 <degree> を含んでいるが、子要素 <publication> を含んでいないすべての <author> 要素。 |
author[not(degree or award) and publication] |
少なくとも 1 つの子要素 <publication> を含んでいるが、子要素 <degree> も子要素 <award> も含んでいないすべての <author> 要素。 |
author[last-name = "Bob"] |
値が Bob である子要素 <last-name> を少なくとも 1 つ含むすべての <author> 要素。 |
author[last-name[1] = "Bob"] |
最初の子要素 <last-name> の値が Bob になっているすべての <author> 要素。これは、次の行の式に等しくなることに注意してください。 |
author[last-name [position()=1]= "Bob"] |
最初の子要素 <last-name> の値が Bob になっているすべての <author> 要素。 |
degree[@from != "Harvard"] |
from 属性が "Harvard" と等しくないすべての <degree> 要素。 |
author[.= "Matthew Bob"] |
値が Matthew Bob になっているすべての <author> 要素。 |
author[last-name = "Bob" and ../price > 50] |
値が Bob である子要素 <last-name> と、値が 50 を上回る兄弟要素 <price> を持っているすべての <author> 要素。 |
book[position() <= 3] |
最初の 3 冊の本 (1、2、3)。 |
author[not(last-name = "Bob")] |
値が Bob である子要素 <last-name> を持っていないすべての <author> 要素。 |
author[first-name = "Bob"] |
値が Bob である子要素 <first-name> を 1 つ以上持っているすべての <author> 要素。 |
author[* = "Bob"] |
値が Bob である任意の子要素を持っているすべての author 要素。 |
author[last-name = "Bob" and first-name = "Joe"] |
値が Bob である子要素 <last-name> と、値が Joe である子要素 <first-name> を持っているすべての <author> 要素。 |
price[@intl = "Canada"] |
持っている intl 属性が "Canada" と等しい、コンテキスト ノード内のすべての <price> 要素。 |
degree[position() < 3] |
コンテキスト ノードの子要素である最初の 2 つの <degree> 要素。 |
p/text()[2] |
コンテキスト ノード内の個々の <p> 要素内の 2 番目のテキスト ノード。 |
ancestor::book[1] |
コンテキスト ノードの最も近い祖先に当たる <book>。 |
ancestor::book[author][1] |
コンテキスト ノードの最も近い祖先に当たる <book> であり、<author> 要素を子要素として持つ <book> 要素。 |
ancestor::author[parent::book][1] |
現在のコンテキストで最も近い祖先に当たる <author> であり、<book> 要素を親として持つ <author> 要素。 |
和集合の例 ( | )
和集合演算の例を示すために、次の XPath 式を使用します。
x | y/x
次の XML ファイルで、値が green または blue であるすべての <x> 要素を選択します。
XML ファイル (data1.xml)
<?xml version='1.0'?>
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="union.xsl"?>
<root>
<x>green</x>
<y>
<x>blue</x>
<x>blue</x>
</y>
<z>
<x>red</x>
<x>red</x>
</z>
<x>green</x>
</root>
XSLT ファイル (union.xsl)
<?xml version='1.0'?>
<xsl:stylesheet version="1.0"
xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform">
<xsl:template match="root">
<xsl:for-each select="x | y/x">
<xsl:value-of select="."/>,
<xsl:if test="not(position()=last())">,</xsl:if>
</xsl:for-each>
</xsl:template>
</xsl:stylesheet>
書式付き出力
green,blue,blue,green
プロセッサ出力
<?xml version="1.0" encoding="UTF-16"?>green,blue,blue,green