Windows 7 ガジェット プラットフォーム
更新日: 2009 年 4 月 28 日 ダウンロードPDC08_Windows_7_GadgetPlatform_JPN.doc (Word 形式、930 KB) 目次:
Karl Bridge 対象:Windows® 7 要約:Windows Vista のサイドバーから Windows 7 のガジェット プラットフォームへの移行に関して Windows ガジェット開発者が知っておく必要がある事柄を説明します。 法的通知:このドキュメントは暫定版であり、このソフトウェアの最終的な製品版の発売時に実質的に変更されることがあります。 1. はじめにこのドキュメントでは、Windows® 7 のガジェット プラットフォームを紹介し、これが Windows Vista® のサイドバーと比べてどのように進化しているかについて述べ、サイドバーとの違い、この新しいプラットフォームに移行する際にガジェット開発者が知っておく必要がある潜在的な問題について説明します。 Windows Vista では、サイドバーと呼ばれる新しいアプリケーション プラットフォームが導入されました。サイドバー用に開発されたアプリケーションは "ガジェット" と呼ばれました。これは、限られた機能、および他のアプリケーション、コントロール、または Web サイトやサービスから得られた情報を提供することを目的とした、XML、HTML、CSS、およびスクリプトをベースとしたミニアプリケーションです。サイドバーは、開発プラットフォームであるだけでなく、プレゼンテーション プラットフォーム (ガジェットのホストやコンテナーとして機能する、デスクトップ上の半透明のペイン) でもありました (ただし、個々のガジェットはサイドバーからデスクトップ上にドラッグ アンド ドロップすることができました)。 Windows 7 では、サイドバーを一連のガジェットの視覚的なホストとする概念は不要であると考えられました。Windows 7 のガジェットでは、Windows デスクトップとのより緊密な統合、より統合されたユーザー インターフェイス (UI) によって見た目をよりすっきりさせること、および、より強力なセキュリティが確保されたプラットフォームを実現することを目標としています。もともとガジェットは、サイドバーによって物理的に制約されているわけではなかったので、サイドバーを離れて、より包括的なガジェット プラットフォームへ移行されたのは当然のことでした。 開発者にとって、エンド ユーザーによってプラットフォームが採用されることは非常に重要です。ガジェット プラットフォームが提供する明快さ、セキュリティ、および使いやすさは、プラットフォームの普及に大いに役立ちます。 ページのトップへ 2. サイドバーが新しいガジェット プラットフォームに道を譲るときが来たWindows Vista® のサイドバーから Windows® 7 のガジェット プラットフォームへの進化は抜本的なものではありませんが、この進化によって、いくつかの重要な強化点がガジェット開発者にもたらされます。 a. ガジェットの管理ガジェットのサポートに関する強化点の 1 つ目であり最も重要なものは、ガジェットの管理に関する変更です。サイドバーをコンテナーとする概念はなくなり、Windows デスクトップがコンテナーになります (ただし、すべてのガジェットが sidebar.exe プロセスによって所有されるという点に変わりはありません)。この変更により、ガジェットの管理が簡単になるだけでなく、デスクトップの UI 全体が整理および統合され、専用のサイドバー設定やヘルプ トピックは不要になります。代わりに、デスクトップ コンテキスト メニューの "ガジェット" という 1 つのコマンドからガジェット ピッカー にアクセスすることができ、より簡単にガジェットを選択および使用できるようになります。 図 1 Windows Vista のサイドバーのコンテキスト メニュー (左) と Windows 7 のデスクトップ コンテキスト メニュー (右) の比較: ガジェットが Windows デスクトップの一部になった sidebar.exe プロセスの開始と停止によってすべてのガジェットの表示/非表示を切り替えるための新しいデスクトップ オプションが用意されています。このオプションを使用すると、プロセスが再開されたときに各ガジェットの画面上での位置や設定が復元されます。このオプションにより、ラップトップ コンピューターに省電力というメリットがもたらされ、また、コンピューターをプレゼンテーションに使用するユーザーが抱えるプライバシーについての懸念に対処することができます。 図 2 Windows 7 のデスクトップ コンテキスト メニュー: [デスクトップ ガジェットの表示] Windows 7 での、パフォーマンスに関するもう 1 つの強化点は、sidebar.exe プロセスの管理に関するものです。Windows Vista のサイドバーでは、sidebar.exe プロセスのインスタンスが複数開始されますが、Windows 7 では、開始されるインスタンスは 1 つです。しかも、この 1 つのプロセスは、デスクトップにガジェットが追加されたり、ガジェット ピッカーが起動されたり、デスクトップ上の既存のガジェットで新しいユーザー セッションが開始されたりするまでは、開始されません。(ガジェットがデスクトップに追加されることなく) ガジェット ピッカーが閉じられたり、デスクトップ上から最後のガジェットが削除されたりすると、sidebar.exe プロセスは自動的に停止します。 ページのトップへ b. ガジェットのセキュリティガジェット プラットフォームのセキュリティ モデルは Windows Vista のサイドバーのセキュリティ モデルから大幅には変化していません。次の表に、各種ガジェットがインストールされる場所を示します。
ページのトップへ c. ガジェットの UIUI についても、サイドバーのガジェットからガジェット プラットフォームへの移行で加えられた変更は、画期的な変化というよりもむしろ進化です。しかし、System.Gadget.onDock イベントと System.Gadget.onUndock イベントにいくつかの変更が加えられています。 System.Gadget.onDock イベントと System.Gadget.onUndock イベントWindows Vista のサイドバーのガジェットでは、イベント ハンドラーに onDock イベントと onUndock イベントを関連付けると、次の図に示すように、ガジェットがサイドバーにドッキングされたりサイドバーからドッキング解除されたりする際に、自動的に視覚的な切り替え効果が適用されていました。 図 3 Windows Vista サイドバーのガジェット: ドッキング イベント用およびドッキング解除イベント用のイベント ハンドラー内で定義されている視覚的な切り替えの例 (左がドッキングしている状態で右がドッキング解除されている状態) Windows 7 のガジェット プラットフォームにはサイドバーが関連付けられていないので、ドッキング イベントやドッキング解除イベントはありません。ですが、最大限の下位互換性が維持されるように、同じコードを使用して同じ視覚効果を実現できるようになっています。ドッキング イベント用またはドッキング解除イベント用のイベント ハンドラーが定義されている場合、ガジェットをポイントすると (ガジェットがフォーカスを受け取ると)、追加のアイコン ([大きいサイズ] または [小さいサイズ]) が表示されます。このアイコンをクリックすると、ドッキング イベント ([小さいサイズ] をクリックした場合) またはドッキング解除イベント ([大きいサイズ] をクリックした場合) が発生し、次の図に示すように、視覚的な切り替えが行われます。 図 4 ガジェット プラットフォームのガジェット: ドッキング イベント用およびドッキング解除イベント用のイベント ハンドラー内で定義されている視覚的な切り替えの例 (カレンダー ガジェットは左ではドッキングされており (閉じており) 右ではドッキング解除されている (開いている)) 次のコード例は、ドッキング イベント用およびドッキング解除イベント用のイベント ハンドラーを関連付けるために、 Windows Vista のサイドバーと Windows 7 のガジェット プラットフォームの両方に対して同じコードがどのように機能するかを示しています。
ページのトップへ 3. 詳細情報
Web アドレスは変更される可能性があるため、ここに記載されている Web サイトに接続できない場合があります。 |
ページのトップへ