Microsoft Scripting Runtime オブジェクト ライブラリ
Microsoft Office 2000/Visual Basic プログラマーズ ガイド |
Office 2000 アプリケーションをインストールする際、同時にインストールされるライブラリの中には Microsoft Scripting Runtime オブジェクト ライブラリが含まれます。このオブジェクト ライブラリには VBA またはスクリプトの有用なオブジェクトが含まれているため、別なライブラリとして提供されています。
Scripting Runtime ライブラリに含まれるオブジェクトを使用すると、ファイル システムにすばやくアクセスして、以前のバージョンよりも簡単にテキスト ファイルの読み取りおよび書き込みを実行できます。
既定では、このライブラリへの参照が設定されていないため、参照を使用する場合は各自で設定する必要があります。[ツール] メニューから表示する [参照設定] ダイアログ ボックスに [Microsoft Scripting Runtime] が表示されていない場合は、C:\Windows\System サブフォルダで Scrrun.dll を検索します。
Scripting Runtime オブジェクト ライブラリの最上位オブジェクトは、Dictionary オブジェクトと FileSystemObject オブジェクトです。Dictionary オブジェクトを使用するには、Dictionary 型のオブジェクト変数を作成し、その変数を Dictionary オブジェクトの新しいインスタンスに設定します。
Dim dctDict As Dictionary
Set dctDict = New Dictionary
Scripting Runtime ライブラリに含まれる別のオブジェクトをコードで使用するには、まず FileSystemObject 型の変数を作成します。次に、New キーワードを使用して、次に示すように FileSystemObject の新しいインスタンスを作成します。
Dim fsoSysObj As FileSystemObject
Set fsoSysObj = New FileSystemObject
次に、FileSystemObject を参照する変数を使用して、Drive、Folder、File、および TextStream の各オブジェクトで作業することができます。
次の表には、Scripting Runtime に含まれるオブジェクトの説明が示されています。
オブジェクト | コレクション | 説明 |
Dictionary | 最上位のオブジェクト。VBA の Collection オブジェクトに類似しています。 | |
Drive | Drives | システム上のドライブ、またはドライブのコレクション。 |
File | Files | ファイル システム内のファイル、またはファイルのコレクション。 |
FileSystemObject | 最上位のオブジェクト。このオブジェクトを使用して、ファイル システム内のドライブ、フォルダ、およびファイルにアクセスします。 | |
Folder | Folders | ファイル システム内のフォルダ、またはフォルダのコレクション。 |
TextStream | テキスト ファイルから読み取られたテキスト、テキスト ファイルに書き込まれたテキスト、または追加されたテキストのストリーム。 |