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アーカイブのサポート

トピックの最終更新日: 2010-02-19

このセクションでは、Office Communications Server の展開で送信されるインスタント メッセージング (IM) メッセージのアーカイブを有効にするための情報として、必要なコンポーネント、サポートされるトポロジ、推奨される展開順序、展開の前提条件、展開プロセスなどを示します。

機能コンポーネント

Office Communications Server を通して送信される IM の内容をアーカイブできるようにするには、"アーカイブ サーバー" を展開します。これは、Office Communications Server のサーバーの役割です。アーカイブ サーバーを展開するには、Office Communications Server 展開ツールを実行し、セットアップ中にアーカイブ サーバーの役割を選択します。

アーカイブ サーバーは、Microsoft SQL Server を使用するアーカイブ サーバー データベースも必要とします。このデータベースは、アーカイブ サーバーと同じコンピューターに配置することも、後ほど説明するように別のコンピューターに配置することもできます。

サポートされるトポロジ

アーカイブ サーバー機能には、次の 4 つのコンポーネントが含まれます。

  • アーカイブ エージェント。これは、すべてのフロントエンド サーバーと Standard Edition サーバーに自動的にインストールされ、アクティブ化されます。このエージェントは、アーカイブするメッセージをキャプチャし、アーカイブ サーバー上の目的のキューに送信します。エージェントは自動的にアクティブ化されますが、メッセージの実際のキャプチャは、アーカイブ サーバーが展開され、エンタープライズ プールまたは Standard Edition サーバーに関連付けられて、フォレスト レベルとプール レベルでアーカイブが有効化されるまでは行われません。
  • アーカイブ サーバー。これは、フロントエンド サーバーのアーカイブ エージェントのメッセージを読み取り、アーカイブ バックエンド データベースに書き込むサーバーの役割です。
  • アーカイブ サーバー バックエンド データベース。これは、SQL Server 上で稼動し、アーカイブされるメッセージを格納します。

アーカイブ サーバーと、アーカイブ サーバー データベースを実行するサーバーのハードウェアとソフトウェアの要件の一覧については、「サポートされるトポロジおよびインフラストラクチャの要件」のドキュメントにある「Office Communications Server の内部コンポーネントの要件」を参照してください。

各アーカイブ サーバーは、1 つ以上のエンタープライズ プールまたは Standard Edition サーバーからメッセージをアーカイブできます。アーカイブ サーバーの展開時に、メッセージをアーカイブするユーザーが所属するフロントエンド サーバーにアーカイブ サーバーを関連付けます。図 1 に、2 つの可能なアーカイブ サーバーのトポロジを示します。

図 1. アーカイブ サーバーのトポロジ

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Dd441151.note(ja-jp,office.13).gif注:
複数のアーカイブ サーバーを、別のコンピューターで実行される 1 つのアーカイブ データベースに関連付けることができます。このトポロジでは、アーカイブ サーバーの削除時間を構成して、削除を同時に実行した場合に発生する可能性のあるデータベース ロックアウトを防ぐことが重要です。削除時間の構成の詳細については、「Office Communications Server 2007 R2 の管理」(英語) のドキュメントにある「Configuring the Number of Days to be Logged by Archiving Server」(英語) を参照してください。

サポートされる配置

Office Communications Server 2007 R2 は、柔軟性のある多様な配置シナリオをサポートします。組織が小さい場合は、1 台の物理サーバーで複数のコンポーネントを実行することでハードウェア コストを削減し、スケーラビリティとパフォーマンスが必要な大規模な組織の場合は、複数のサーバーにコンポーネントを分散させることができます。スケーラビリティは、アーカイブ サーバーまたはそのデータベースを他のサーバーの役割またはデータベースと共に配置するかどうかを決定する場合に考慮する必要がある要素です。

アーカイブ サーバーは、Standard Edition サーバーと共に配置できます。Standard Edition サーバーが 1 台だけの展開の場合は、そのサーバーとアーカイブ サーバーを共存させることで、アーカイブ サーバー用に別のコンピューターを用意せずに済みます。

監視サーバーなどの他の Office Communications Server の役割と共に配置することもできます。アーカイブ サーバーと監視サーバーを一緒に配置する場合、それらのデータベースは、同じサーバーでホストすることも、別のサーバーに配置することも、異なるデータベース サーバーに分離して配置することもできます。

Dd441151.note(ja-jp,office.13).gif注:
アーカイブ サーバーを Standard Edition サーバーと一緒に配置する場合は、Standard Edition サーバーで通常使用される SQL Server Express Edition を使用する代わりに、SQL Server 全体をサーバーにインストールする必要があります。

アーカイブ サーバーとアーカイブ サーバー データベースは、図 2 に示すように、同じサーバーに配置することも、別のサーバーにインストールすることもできます。

図 2. アーカイブ サーバー データベースの配置

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アーカイブ サーバー データベースをホストするサーバーで、別のデータベースをホストすることもできます。次のシナリオがサポートされます。

  • 1 つ以上の他の Office Communications Server データベース (バックエンド データベース、監視サーバー データベース、応答グループ サービス データベースなど) と共に配置されたアーカイブ サーバー データベース
  • サードパーティのデータベース製品と共に配置されたアーカイブ サーバー データベース
Dd441151.note(ja-jp,office.13).gif注:
アーカイブ サーバー データベースを他のデータベースと共に配置することを考慮するときには、数名以上のユーザーのメッセージをアーカイブすると、アーカイブ サーバー データベースが必要とするディスク容量が非常に大きくなる可能性があることに注意してください。

アーカイブ サーバーの前提条件

アーカイブ サーバーを展開する前に、次のソフトウェアをインストールする必要があります。

  • アーカイブ サーバーを実行するサーバーに、Active Directory 統合が有効になっているメッセージ キューをインストールします。 ■訳文不要■
  • IM をアーカイブするユーザーをホストしている各フロントエンド サーバーおよび Standard Edition サーバーに、Active Directory 統合が有効になっているメッセージ キューをインストールします。

展開順序

少なくとも 1 つのエンタープライズ プールまたは Standard Edition サーバーを展開した後でアーカイブ サーバーを展開します。プールまたはサーバーに関するアーカイブを有効にするときに、展開したアーカイブ サーバーにプールまたは Standard Edition サーバーを関連付けるようにしてください。そうすることにより、IM メッセージの収集と格納が行われます。

コンプライアンス上の理由から、組織にとってアーカイブが重要である場合は、Office Communications Server に対してユーザーを有効にする前にアーカイブ サーバーを展開して、すべてのユーザーまたは個々のユーザーのアーカイブを有効にしてください。

拡張

アーカイブ サーバーを展開する際は、1 つ以上のフロントエンド サーバーにそれを関連付けます。その後、アーカイブ サーバーは、それらのサーバーに所属するユーザーが関係する会話から IM メッセージの内容を収集します。小規模なネットワーク環境では、1 つのアーカイブ サーバーで、展開全体の負荷を処理できます。

最適なスケーラビリティを実現するには、アーカイブ サーバーを別のサーバーの役割と共に配置しないようにします。アーカイブ サーバー自体とは別のコンピューターでアーカイブ サーバー データベースをホストしても、パフォーマンスはそれほど向上しません。

1 台のアーカイブ サーバーで最大 300,000 ユーザーがサポートされます。複数のプールの合計ユーザー数が 300,000 ユーザー未満の場合は、管理およびデータの取得を容易にするために、それらのすべてのプールを 1 台のアーカイブ サーバーに関連付けることをお勧めします。ただし、プールが物理的に異なる場所にある場合は、それぞれの場所にアーカイブ サーバーを展開した方がよい場合もあります。

アーカイブが組織にとってミッションクリティカルで、アーカイブ処理ができないとき (アーカイブ データベースへの書き込みを行うことができないときなど) にはシャットダウンするように Office Communications Server を構成する場合は、複数のアーカイブ サーバーを用意して、プールのさまざまなフロントエンド サーバーに関連付けることができます。そうすると、1 つのアーカイブ サーバーが使用できなくなっても、シャットダウンするのはそのアーカイブ サーバーに関連付けられているフロントエンド サーバーだけなので、他のフロントエンド サーバーは引き続き使用できます。

アーカイブ データベースのパフォーマンス

パフォーマンスを最適化するために、ファイルは次のように分けて 3 つの物理ディスクに格納することをお勧めします。

  • システム ファイルとメッセージ キュー ファイル (同じ物理ディスク)
  • アーカイブ サーバー データベースのデータ ファイル
  • アーカイブ サーバー データベースのログ ファイル

アーカイブ サーバー データベースを他のデータベースと同じサーバーに配置する場合、アーカイブ サーバー データベースは、他のデータベースとは別のインスタンスで実行するようにしてください。さらに、パフォーマンスを最適化するには、アーカイブ サーバー データベースのデータ ファイルとログ ファイルを別々の物理ディスクに格納する必要があります。アーカイブ サーバー データベースを他のデータベースと共に配置する場合は、その前にパフォーマンスへの影響を十分に評価するようにしてください。

アーカイブ データベースのサイズ

Office Communications Server のユーザー モデル (ユーザー モデルの詳細については「計画とアーキテクチャ」のドキュメントの「処理能力の計画」を参照) に基づくと、アーカイブ データベースのユーザー 1 人あたりの 1 日の増加量は 75.5 KB です。データベース サイズの見積もりには次の式を使用します。

Database size = (DB growth per user per day) * (Number of users) * (Number of days)

たとえば、50,000 人のユーザーの 15 日分のアーカイブ データベースのデータは 75.5*50000*15 で、合計すると 54 GB になります。組織の IM の使用状況がユーザー モデルと大きく異なる場合は、データベースの 1 日あたりの予想増加量を調整してください。

この式の結果と、組織の法令順守の必要性や、アーカイブ データベース サーバーの使用可能なディスク領域に関する情報に基づいて、データベースにデータを保持する日数を決めることができます。既定では、データを保持する日数を設定するまでアーカイブ データは削除されません。

アーカイブ サーバー展開プロセス

アーカイブ サーバーを展開する前に、システム インフラストラクチャおよびアーカイブ サーバーをインストールするサーバーが、「サポートされるトポロジおよびインフラストラクチャの要件」のドキュメントにある「Office Communications Server の内部コンポーネントの要件」に記載されている要件を満たしていることを確認する必要があります。環境の準備が整ったら、アーカイブ サーバー ファイルをインストールして、サーバーをアクティブ化し、サービスを開始して、メッセージのアーカイブを行うユーザーが所属するサーバーとアーカイブ サーバーを関連付けます。表 1 に必要なステップの概要を示します。「内部ユーザー アクセス用の Office Communications Server 2007 R2 の展開」のドキュメントにある「アーカイブ サーバーの展開」を参照してください。

表 1. アーカイブ サーバー展開プロセス

フェーズ ステップ アクセス許可 ドキュメント

必要なソフトウェアをインストールします。

次のコンポーネントをインストールします。

  • メッセージ キューを、アーカイブ サーバーとなるサーバーにインストールします。
  • メッセージ キューを、すべてのフロントエンド サーバーと、アーカイブ サーバーで IM を収集するユーザーが所属する Standard Edition サーバーにインストールします。
  • アーカイブ サーバー データベースを格納するサーバーに SQL Server をインストールします。

ローカルの Administrators グループのメンバーであるドメイン ユーザー

「アーカイブ サーバーの展開」のドキュメントの「アーカイブ サーバーのインストールの前提条件

アーカイブ サーバーをインストールしてアクティブ化します。

  1. アーカイブ サーバーのファイルをインストールします。
  2. アーカイブ サービスをアクティブ化します。

Administrators グループ

Domain Admins または RTCUniversalServerAdmins グループ

アーカイブ サーバーのファイルのインストール

「アーカイブ サーバーの展開」のドキュメントの
アーカイブ サーバーのアクティブ化

アーカイブ サーバーの関連付けを設定します。

新しいアーカイブ サーバーをフロントエンド サーバーに関連付けます。

RTCUniversalUserAdmins グループ

「アーカイブ サーバーの展開」のドキュメントの「アーカイブ サーバーとフロントエンド サーバーの関連付け

ユーザーのアーカイブ設定を構成します。

フォレストとプールでアーカイブを有効化します。一部のユーザーについてのみアーカイブを有効化する場合は、それらのユーザーのユーザー アカウントを構成してアーカイブを有効化する必要があります。

RTCUniversalUserAdmins グループ

「アーカイブ サーバーの展開」のドキュメントの「ユーザーのアーカイブ設定の構成

アーカイブ サービスを開始します。

アーカイブ サーバーでアーカイブ サービスを開始します。

RTCUniversalUserAdmins グループ

「アーカイブ サーバーの展開」のドキュメントの「アーカイブ サービスの開始