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Business Data Catalog Definition Editor を使用してデータベース接続を作成する

概要 : Microsoft Office SharePoint Server 2007 の Microsoft Business Data Catalog Definition Editor ツールを使用して、Microsoft Office SharePoint Server 2007 内のビジネス データ カタログへのデータベース接続を作成する方法を説明します。(13 印刷ページ)

Jo-Anne West、Microsoft Corporation

2007 年 8 月

適用対象 : Microsoft Office SharePoint Server 2007

目次 :

  • Business Data Catalog Definition Editor の紹介

  • LOB システムの追加

  • AdventureWorksDW LOB システムの接続をテストする

  • エンティティの関連付けをテストする

  • LOB システム インスタンス メタデータのエクスポート

  • アプリケーション定義ファイルを共有サービスのプロバイダにインポートする

  • Business Data Catalog Definition Editor を使用して、既存のアプリケーション定義を修正する

  • 次の手順

  • まとめ

  • 追加情報

Business Data Catalog Definition Editor の紹介

Microsoft Office SharePoint Server 2007 のビジネス データ カタログは、基幹業務 (LOB) データを公開し、リストおよびエンタープライズ検索など、他のベースライン ポータル機能に組み込みます。このデータを自分のポータル サイトに取り込んで、エンタープライズ検索クローラが利用できるようにするには、アプリケーション定義ファイルを作成する必要があります。このファイルは、データが保存されている場所 (データベース内か、Web サービスとしてか) と、データの保存に使用されている形式 (たとえば、データ型や主キー) を指定する XML ファイルです。Business Data Catalog Definition Editor を使用して Web サービスへの接続を作成する方法の詳細については、「Business Data Catalog Definition Editor を使用して Web サービス接続を作成する」を参照してください。ビジネス データ カタログの詳細については、「ビジネス データ カタログ」を参照してください。エンタープライズ検索とビジネス データ カタログの詳細については、「ビジネス データ検索を有効にする」および「ビジネス データを検索する」を参照してください。

Microsoft Business Data Catalog Definition Editor は、ビジネス データ カタログのためのアプリケーション定義ファイルの作成を支援します。このツールは定義ファイル用の XML を自動生成するため、ユーザーは XML エディタを使用して手作業でファイルを作成する必要がありません。

この記事では、ビジネス データ カタログ用のアプリケーション定義を作成する方法と、新しい Business Data Catalog Definition Editor を使用してデータベース接続を作成する方法を説明します。ここで示す例では、Microsoft SQL Server 2005 の AdventureWorksDW サンプル データベースを使用します。生成されたファイル内のメタデータは、「Microsoft Office SharePoint Server 2007 SDK にようこそ」の「AdventureWorksDW SQL Server 2005 のサンプル」のメタデータとよく似たものになります。

システム要件

開始する前に、以下をインストールする必要があります。

  • Microsoft Office SharePoint Server 2007 Enterprise Edition。

  • AdventureWorksDW データベースがインストールされている Microsoft SQL Server 2005。

  • Microsoft Business Data Catalog Definition Editor。このツールは、SharePoint Server 2007 SDK: ソフトウェア開発キット (2007 年 8 月リリース) に含まれています。

LOB システムの追加

Microsoft SQL Server 2005 の AdventureWorksDW サンプル データベース用の LOB システムを追加することから開始します。

LOB システムを追加するには

  1. [スタート] メニューの [Microsoft Business Data Application Definition Editor] をクリックします。

  2. ツールで、[LOB システムの追加] をクリックします。

  3. [LOB システムの追加] ウィンドウで、[データベースへの接続] をクリックします。

  4. [接続の種類] の [SqlServer] を選択します。

    図 1. LOB システム データベース接続の追加

    LOB システムのデータベース接続の追加

  5. [接続文字列] に、次のテキストを入力します。

    Server=<DATABASE_SERVER_NAME>\<INSTANCE_NAME>;Database=AdventureWorksDW;Integrated Security=SSPI;
    

    <DATABASE_SERVER_NAME>\<INSTANCE_NAME> は、使用するデータベース サーバーの名前に置き換えてください。

  6. [テーブルの追加] をクリックします。

    図 2. データベースへの接続

    データベースに接続

  7. [デザイン面] に以下のテーブルをドラッグします。

    • Product

    • ProductCategory

    • ProductSubcategory

    • Reseller

  8. [DimProduct] ウィンドウの [外部キー] セクションで、[FK_DimProduct_DimProductSubcategory] を選択します。

    図 3. テーブルの追加

    テーブルの追加

  9. [OK] をクリックします。

  10. [LOB システム名] ダイアログ ボックスが表示されるので、[OK] をクリックして AdventureWorksDW 接続を作成します。

AdventureWorksDW LOB システムの接続をテストする

次に、AdventureWorksDW LOB システムへの接続をテストします。

LOB システムへの接続をテストするには

  1. [メタデータ オブジェクト] ペインで [AdventureWorksDW] ノードを展開し、[エンティティ] ノードを展開します。

  2. [DimProduct] ノードを展開します。

  3. [メソッド] ノードを展開します。

  4. [FindAll_DimProducts] ノードを展開し、[インスタンス] ノードを展開します。

  5. [FindAll_DimProduct_Instance] を右クリックし、[実行] をクリックします。

    図 4. FindAll_DimProduct_Instance メソッドの実行

    FindAll_DimProduct_Instance メソッドの実行

  6. [FindAll_DimProduct_Instance の実行] ウィンドウで、[次へ] をクリックし、DimProducts テーブルの ProductKey フィールドの値が [結果] ウィンドウに表示されていることを確認します。[次へ] をクリックして、結果のページを移動します。

    図 5. [FindAll_DimProduct_Instance の実行] ウィンドウ

    [FindAll_DimProduct_Instance の実行] ウィンドウ

  7. 次の手順のために、ProductKey 値の 1 つを書き留めます。このチュートリアルでは、ProductKey 値に 212 を使用します。

  8. [メソッド] ノードで、[Find_DimProduct] ノードを展開し、[インスタンス] ノードを展開します。

  9. [Find_DimProduct_Instance] を右クリックし、[実行] をクリックします。

    図 6. Find_DimProduct_Instance メソッドの実行

    Find_DimProduct_Instance メソッドの実行

  10. "" フィールドに「212」と入力し、[実行] をクリックします。

  11. DimProduct テーブルに正しく表示されないフィールドが含まれている場合、次のようなメッセージが表示されることがあります。

    図 7. [Find_DimProduct_Instance の実行] のメッセージ

    Find_DimProduct_Instance の実行に関するメッセージ

    [OK] をクリックしてメッセージを閉じ、次に進みます。

  12. Find メソッドが正常に機能していれば、ProductKey フィールドが 212 になっているレコードが [結果] ウィンドウに表示されます。

    図 8. Find_DimProduct_Instance メソッドの結果

    Find_DimProduct_Instance メソッドの結果

エンティティの関連付けをテストする

では、LOB システムのエンティティの関連付けをテストしましょう。

エンティティの関連付けをテストするには

  1. [DimProducts] ノードの [メソッド] ノードを展開し、[FK_DimProduct_DimProductSubcategory] ノードを展開します。

  2. [インスタンス] ノードを展開します。

  3. [FK_DimProduct_DimProductSubcategory_Instance] を右クリックし、[実行] をクリックして、[FK_DimProduct_DimProductSubcategory_Instance の実行] ウィンドウを開きます。

    図 9. DimProductSubcategory Instance メソッドの実行

    DimProductSubcategory インスタンス メソッドの実行

  4. [検索] ボタンをクリックするか、"" フィールドの任意の場所をクリックして、[エンティティ インスタンスの選択] ウィンドウを開きます。

    図 10. [FK_DimProduct_DimProductSubcategory_Instance の実行] ウィンドウ

    [DimProductSubcategory インスタンスの実行] ウィンドウ

  5. [FindAll_DimProductSubcategory_Instance] を選択し、[次へ] をクリックして、結果の最初のページを表示します。

    図 11. FindAll_DimProductSubcategory_Instance の選択

    FindAll_DimProductSubcategory_Instance の選択

  6. 関連付けを取得したいレコードの行を DimProductSubcategory テーブルから選択し、[OK] をクリックします。そのレコードが結果の最初のセットに表示されていない場合は、[次へ] をクリックして結果の次のページに進みます。この例では、ProductSubcategoryKey が 31 のレコードを選択しています。

    図 12. [DimProductSubcategory_Instance の実行] ウィンドウ

    [DimProductSubcategory_Instance の実行] ウィンドウ

  7. [FK_DimProduct_DimProductSubcategory_Instance の実行] ウィンドウで [実行] をクリックして、DimProduct テーブル内の ProductSubcategoryKey フィールドが 31 になっているすべてのレコードを表示します。

    結果が返された場合は、関連付けが正しく構成されています。

LOB システム インスタンス メタデータのエクスポート

LOB システムへの接続とエンティティ、関連付け、およびメソッドが正しく構成されていることが Business Data Catalog Definition Editor で確認できたら、LOB システム インスタンスのメタデータをアプリケーション定義ファイルにエクスポートする準備は整いました。

メタデータをエクスポートするには

  1. [メタデータ オブジェクト] ウィンドウで [AdventureWorksDW] ノードを選択し、[エクスポート] をクリックします。

    図 13. AdventureWorks LOB システムのエクスポート

    AdventureWorks LOB システムのエクスポート

  2. ファイルを AdventureWorks2005.xml という名前で保存します。

アプリケーション定義ファイルを共有サービスのプロバイダにインポートする

次は、アプリケーション定義ファイルを共有サービス プロバイダ (SSP) にインポートします。

アプリケーション定義ファイルを SSP にインポートするには

  1. [スタート] をクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Office Server]、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] の順に選択して、SharePoint 3.0 サーバーの全体管理の Web ページを開きます。

  2. 左側のナビゲーション ウィンドウで、SSP の名前をクリックします。

  3. [ビジネス データ カタログ] セクションで、[アプリケーション定義のインポート] をクリックします。

  4. [アプリケーション定義のインポート] ページが表示されるので、そこで AdventureWorks2005.xml を探して選択し、[開く] をクリックします。

  5. [インポート] をクリックします。

  6. [参照] をクリックし、ファイルを探してそれをダブルクリックします。

  7. その他のアプリケーション定義設定はすべて既定値のままにして、[インポート] をクリックします。

Business Data Catalog Definition Editor を使用して、既存のアプリケーション定義を修正する

Business Data Catalog Definition Editor にインポートして、既存のアプリケーション定義ファイルのメタデータを修正することもできます。ビジネス データ カタログで既存のアプリケーションに対するアプリケーション定義を修正する場合は、まず、SSP からアプリケーション定義に対するメタデータ ファイルをエクスポートする必要があります。

注意

ビジネス データ カタログで既存アプリケーション用のアプリケーション定義に変更を加える場合は、アプリケーション定義ファイルをインポートする前に、まずビジネス データ カタログで元のアプリケーションを削除するか、またはアプリケーションのバージョン番号を更新する必要があります。

SSP からアプリケーション定義ファイルをエクスポートするには

  1. [スタート] をクリックし、[すべてのプログラム]、[Microsoft Office Server]、[SharePoint 3.0 サーバーの全体管理] の順に選択して、SharePoint 3.0 サーバーの全体管理の Web ページを開きます。

  2. 左側のナビゲーション ウィンドウで、SSP の名前をクリックします。

  3. [ビジネス データ カタログ] セクションで、[アプリケーションの表示] をクリックします。

  4. [アプリケーション] ボックスの一覧で、アプリケーション名をクリックします。

  5. [アプリケーション定義のエクスポート] をクリックして、[アプリケーション定義のエクスポート] ページを開きます。

  6. [エクスポート] をクリックし、[保存] をクリックします。

Business Data Catalog Definition Editor にアプリケーション定義ファイルをインポートして、メタデータを修正するには

  1. [スタート] メニューの [Microsoft Business Data Catalog Application Definition Editor] をクリックします。

  2. [インポート] をクリックします。

  3. アプリケーション定義ファイルの場所を参照して、[開く] をクリックします。

    LOB システムが Business Data Catalog Definition Editor に読み込まれたら、その LOB システム インスタンスにいくつかの変更を加えることができます。以下のものを変更できます。

    • 接続文字列

    • 認証モード

    • エンティティ (追加または削除)

次の手順

これらのタスクの完了後、ユーザーがビジネス データを検索できるように、このコンテンツをクロールしてエンタープライズ検索を構成することができます。エンタープライズ検索を構成する方法については、「[ウォークスルー] AdventureWorks ビジネス データ アプリケーション サンプルの検索を構成する」を参照してください。このシナリオの検索ユーザー インターフェイスをカスタマイズする方法の詳細については、「[ウォークスルー] 検索センターにタブおよびエンタープライズ検索 Web パーツを使うカスタム検索ページを追加する」を参照してください。

まとめ

Microsoft Office SharePoint Server 2007 のビジネス データ カタログにより、ポータル サイト外でホストされている LOB データを Office SharePoint Server 2007 内のリストやエンタープライズ検索などの要素に統合することが可能になります。ビジネス データ カタログには、外部データ ソースとの接続を定義し、そのデータ ソースから取得するデータの型を指定するメタデータの入った定義ファイルが必要です。

Business Data Catalog Definition Editor を使用すると、LOB システム用の XML メタデータが自動的に生成され、ビジネス データ カタログ用のアプリケーション定義ファイルを容易に作成できます。

追加情報

ビジネス データ カタログと Office SharePoint Server 2007 の詳細については、以下のリソースを参照してください。