Microsoft SharePoint Foundation の物理オブジェクト

[アーティクル]
06/15/2015

最終更新日: 2010年3月13日

適用対象: SharePoint Foundation 2010

この記事の内容
概要
ファーム
サーバー

このトピックでは、Microsoft SharePoint Foundation の物理的エンティティの階層について説明します。これらのエンティティは、SharePoint Foundation オブジェクトモデルの物理オブジェクト階層の上位クラスによってモデル化されます。SharePoint Foundation 展開のコンテンツおよびサービスエンティティに関する基礎的な情報については、「[バックグラウンド] Microsoft SharePoint Foundation のコンテンツエンティティ」および「バックグラウンド: Microsoft SharePoint Foundation のサービスエンティティ」を参照してください。

概要

物理オブジェクト階層のクラスは、実際の物理オブジェクト、またはコンテキストによって物理オブジェクトまたは非物理オブジェクトのどちらかであると見なされるオブジェクトであるエンティティを表します。

ファーム

SPFarm クラスで表される SharePoint Foundation サーバーファームは、1 台以上のフロントエンドサーバー、1 台以上のアプリケーションサーバー (含まない場合もあり)、および専用のデータベースサーバーかいずれかのアプリケーションサーバー (シングルサーバー展開の場合はそのサーバー) でホストされている SQL Server を含む物理サーバーのクラスターです。また、データベースは、サーバーのミラークラスターでホストすることができます。このサーバーは、SharePoint Foundation に対して 1 台のサーバーとして示されます。厳密には、SharePoint Foundation 展開は常にファームでホストされます。これは、"ファーム" にコンピューターが 1 台しかなく、そのコンピューターに展開全体が含まれている場合も同様です。

複数のフロントエンドサーバーがある場合、負荷は分散されます。つまり、負荷分散用のソフトウェア (またはハードウェア) によって、クライアントコンピューターからの着信ネットワーク接続が、ファーム内の、そのとき最も負荷の軽いフロントエンドコンピューターに送信されます。このため、クライアント接続を提供する負荷は複数のサーバー、つまり複数のプロセッサ、ハードドライブ、および他の周辺機器に分散されます。こうすることにより、クライアントのパフォーマンスは大幅に向上します。さらに、負荷を分散することの利点として、1 台のサーバーがクラッシュしても、他のサーバーが着信接続をすべて処理できるという点が挙げられます。処理の速度が低下する可能性はありますが、処理が完全に停止することはありません。

クライアントコンピューターは、特定のアプリケーション、ファイル、データベース、または Web サイトページとの対話を試みます。このため、クライアントが接続する可能性があるすべてのコンピューターは同様に設定する必要があります。クライアントにとっては、どの物理サーバーに接続を試みているのかは関係なく、通常はそれを認識することもありません。外部ネットワークには、ファームは 1 台のサーバーとして示されます。

コンピューターの設定をすべて同じにする最も簡単な方法は、すべてのコンピューターに同じアプリケーションをインストールして、必要なファイル、データベース、Web サイトページのコピーを、同じでディレクトリパスに配置することです。ただし、サーバーに存在するファイル、データベースなどにクライアントが変更を加えるたびに、その変更をすべてのサーバーに反映する必要があるため、この方法は実用的であるとは言えません。サーバーの同期を維持するには、変更を反映する間、ファームで着信接続をブロックする必要があります。このため、パフォーマンスが低下し、ファームを使用する利点が失われます。実際に、均等に使用されている SharePoint Foundation 展開でも、ほぼ継続的に変更を反映する状態になります。

この問題を回避するには、ファーム内の一部のサーバーに、データベースのホストなどの特別なタスクを指定します。クライアントが接続するフロントエンドサーバーにはデータベースはコピーされませんが、これらのサーバーは同じ接続文字列とネットワークアドレスを使用してデータベースにアクセスするため、設定が同じになります。

次に、SharePoint Foundation ファームの特性をいくつか示します。

各 SharePoint Foundation ファームには、ファーム、そのサーバー、およびファームの他の重要な子クラスに関する情報を格納する構成データベースがあります。
ファームは、SharePoint Foundation ソリューションがインストールされるオブジェクトモデルのレベルです。これらのソリューションは、ファームからサーバーおよび SharePoint Foundation Web アプリケーションに展開することができます。
ファームは、SharePoint Foundation 機能をアクティブ化できる 4 つのレベルのうちの 1 つです。他のレベルは Web サイト、サイトコレクション、および Web アプリケーションです。

エンタープライズには、SharePoint Foundation をホストするファームを複数含めることができます。たとえば、Microsoft SharePoint Server に加えて、SharePoint Foundation などの拡張グループ作業サーバーソフトウェアがインストールされている場合、そのソフトウェアでは、インターネット用コンテンツのためのファームライセンスとイントラネットコンテンツのためのファームライセンスが必要になることがあります。

サーバー

SharePoint Foundation ファーム内の物理サーバーには IP アドレスとロールがあります。SharePoint Foundation 内のサーバーには、次の 3 つのロールのいずれかが割り当てられます。

単一サーバー : その名前が示すとおり、それがファーム内の唯一のサーバーである場合に、このロールが割り当てられます。
フロントエンドサーバー : このロールは複数のサーバーに割り当てることができます。フロントエンドサーバーは、クライアントコンピューターからの HTTP 要求を受け入れます。このサーバーは要求に応えてコンテンツを提供します。このため、このサーバーでは、コンテンツ発行 Web アプリケーションを実行する必要があります。
アプリケーションサーバー : フロントエンドサーバーまたは単一サーバーとして機能していない SharePoint Foundation サーバー (例外については、次の項を参照) には、アプリケーションサーバーのロールが割り当てられます。このサーバーでは、フロントエンドサーバーのプロセッサ、ハードディスク、または他のハードウェアリソースに大きな負荷をかけているため、その負荷を軽くする必要がある特殊な SharePoint Foundation Web サービスまたは Windows サービスが実行されます。SharePoint Foundation は、その負荷がアプリケーションサーバーに頻繁に分散される一部のサービスに付属しています。開発者は、SharePoint Foundation オブジェクトモデルを使用して、他のサービスを SharePoint Foundation 展開の一部として開発および実行することができます。

箇条書きの最後の項目で触れた例外とは、SQL Server データベースをホストするサーバーです。このデータベースは、任意のアプリケーションサーバーに配置することができます。ただし、SharePoint Foundation 展開の規模が大きいためマルチサーバーファームが必要である場合は、通常、データベース独自のサーバーが必要になります。また、サーバーのミラークラスターが必要になることもあります。データベースが独自の専用サーバー (またはクラスター) 上にある場合、SharePoint Foundation はそのサーバーにインストールされません。サーバーはファームの構成データベース内で識別され、Windows SharePoint Services データベースサービスと呼ばれるサービスを実行するファームに表示されます。ただし、これは、データベースサーバーで実行されている SQL Server サービスのエイリアスに過ぎません。通常、この専用サーバーには SharePoint Foundation がインストールされず、ファーム内におけるロールも割り当てられません。

複数のアプリケーションサーバーで、指定された Web サービスまたは Windows サービスを実行できます。たとえば、複数のサーバーで検索サービスを実行できます。サーバーごとに、サービスのインスタンスを含めることができます。

次の方法で共有

Microsoft SharePoint Foundation の物理オブジェクト

概要

ファーム

サーバー

関連項目

参照

概念

その他の技術情報

その他のリソース