フェデレーション検索の概要
最終更新日: 2010年5月1日
適用対象: SharePoint Server 2010
適用先: Microsoft SharePoint Server 2010 Search および Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint
Microsoft SharePoint Server 2010 Search には、クエリを処理して検索結果を返すための方法が 2 つ用意されています。
コンテンツ クロール: この方法では、ユーザーのクエリに基づいて Search Service アプリケーションのコンテンツ インデックスから結果が返されます。コンテンツ インデックスは、Search Service アプリケーションによってクロールされたコンテンツを格納し、各コンテンツ アイテムのテキスト コンテンツとメタデータを含みます。
フェデレーション検索 : この方法では、検索サーバーによってクロールされない追加コンテンツの検索結果を表示できます。フェデレーション検索では、ローカル コンテンツ インデックスに対してクエリを実行するか、クエリを外部コンテンツ リポジトリに転送し、そのリポジトリの検索エンジンで処理することができます。その場合、リポジトリの検索エンジンが結果を検索サーバーに返します。検索サーバーは外部リポジトリから取得された結果を書式設定し、検索サーバー自体のコンテンツ インデックスから取得された結果と同じ検索結果ページに表示します。
このトピックでは、SharePoint エンタープライズ検索におけるフェデレーション検索の概要について説明します。
エンタープライズ検索におけるフェデレーション検索とコンテンツ クロールの比較
リポジトリのコンテンツ ディレクトリを直接クロールするか、フェデレーション検索を使用するかを決定するには、この 2 つの方法の違いを考慮する必要があります。どちらの方法が適切であるかは、コンテンツ リポジトリと、取得する検索結果の要件に基づいて決定する必要があります。どちらの方法にも利点があります。
SharePoint エンタープライズ検索でコンテンツをクロールする利点
Search Service アプリケーションのコンテンツ インデックスに対してクエリを行うと、次の操作を実行できます。
結果を関連性ごとに並べ替えます。
コンテンツ インデックスの更新頻度を制御する。
クロールされるメタデータを指定する。
クロールされるコンテンツに対して単一のバックアップ操作を実行する。
SharePoint エンタープライズ検索でのコンテンツ フェデレーションの利点
フェデレーション検索を使用して検索結果を返す場合の利点は次のとおりです。
コンテンツは SharePoint エンタープライズ検索によってクロールされないので、コンテンツ インデックスに対して追加機能を要求する必要がありません。
リポジトリの既存の検索エンジンを活用できます。たとえば、インターネット検索エンジンをフェデレーションで使用して Web を検索できます。
コンテンツ リポジトリの特定のコンテンツ セット用に、そのリポジトリの検索エンジンを最適化できます。これにより、コンテンツ セットの検索パフォーマンスが向上する可能性があります。
クロール対象にならないように保護されているリポジトリのうち、検索クエリによってアクセス可能なリポジトリにアクセスできます。
フェデレーション場所
フェデレーション場所は、外部コンテンツ リポジトリに対するフェデレーション検索接続を定義し、次の要素で構成されます。
場所の種類
クエリ テンプレートと [その他の結果] リンク テンプレート
トリガ
表示情報
制限
認証および証明書情報
場所の種類
SharePoint エンタープライズ検索では、以下の種類のフェデレーション場所をサポートしています。
ローカル検索インデックス ローカルの SharePoint サイト。
FAST インデックスFAST Search Server 2010 for SharePoint の場所。
**OpenSearch 1.0/1.1 **任意のリモート SharePoint サイトの結果ページに対する RSS フィード、または OpenSearch standard (英語) をサポートし、検索結果を構造化 XML 形式で返す任意の検索可能フィード (たとえば、RSS や Atom の結果)。
他のリポジトリをフェデレーションで使用できます。そのためには、検索可能 XML フィードを使用してリポジトリを公開する軽量インターフェイスを作成します。さらに、その軽量インターフェイスに接続する OpenSearch 場所を作成できます。リポジトリを検索可能 XML フィードとして公開する方法の詳細については、「SharePoint Server 2007 コネクタを構築するためのアーキテクチャ ガイダンス」を参照してください。
クエリ テンプレートと [その他の結果] リンク テンプレート
クエリ テンプレートには、場所の Web インターフェイスを指定するパラメーター化された URL が含まれます。また、検索クエリと検索エンジンに必要なその他のすべてのパラメーターが含まれます。
クエリ テンプレートは、OpenSearch specification (英語) の URL テンプレートと同等です。構文は OpenSearch URL Template Syntax (英語) に基づきます。
[その他の結果] リンク テンプレートには、フェデレーション検索場所の検索結果を表示する HTML ページの URL が含まれます。
トリガ
トリガーは、クエリをいつ渡すかを決定するクエリ制約です。場所定義の中に指定されたトリガーのパターンと一致するクエリだけが、フェデレーション場所に転送されます。トリガーは、ユーザーのクエリを対象とする情報だけが表示されることを保証するので、フェデレーションのエクスペリエンスに不可欠です。
トリガには、以下の 3 種類があります。
常時: 常時トリガーは、クエリを常にフェデレーション場所に転送します。フェデレーション場所に対してこのトリガーを指定する場合は、その場所に追加のクエリ トラフィックを処理できるだけの帯域幅があることを確認してください。
プレフィックス: プレフィックス トリガーは、場所でクエリを一致させるためにクエリの前に付ける単語そのものを含みます。たとえば、プレフィックス トリガーとして "weather" が指定された場合、クエリ "weather New York, NY" が一致しますが、フェデレーション場所には "New York, NY" だけが転送されます。
**パターン ** : パターン トリガーは、トリガーがクエリを転送するために一致する必要がある特定の正規表現パターンを含みます。クエリの一部分だけをフェデレーション場所に転送するために、キャプチャ グループを作成できます。さらに、作成したキャプチャ グループをクエリ テンプレートで参照できます。正規表現とキャプチャ グループの詳細については、「.NET Framework Regular Expressions」を参照してください。
表示情報
表示情報は返された検索結果の表示方法を指定し、次の要素を含みます。
検索結果 XML のフォーマットと表示方法を指定する XSLT
検索結果 UI に表示するプロパティ リスト
ヒント SharePoint エンタープライズ検索は、OpenSearch フェデレーション場所に返されたすべてのプロパティを取得します。
Microsoft SharePoint Designer 2010 で結果ページを編集する場合に使用するサンプル データ
制限
場所定義の中に制約を指定して、フェデレーション場所を使用できるサイトを制限できます。
認証および証明書情報
場所定義の認証および証明書情報セクションに、フェデレーション場所の認証の種類を指定します。認証の種類は、次のいずれかとすることができます。
匿名 フェデレーション場所への接続に資格情報は必要ありません。
共通 各接続が同じ資格情報のセットを使用してフェデレーション場所に接続します。
ユーザー 検索クエリを送信したユーザーの資格情報を使用してフェデレーション場所に接続します。
共通およびユーザーの認証の種類について、次のいずれかの認証プロトコルを指定する必要があります。
基本
ダイジェスト
NTLM アプリケーション プール ID (共通の認証の種類のみ)
NTLM
Kerberos (ユーザー認証のみ)
フォーム
Cookie
重要 |
---|
フェデレーション場所がユーザー認証で構成され、その場所用のコンテンツ リポジトリがリモート サーバー上にある場合は、Kerberos 認証を使用するか、検索 Web パーツのカスタム バージョンを作成する必要があります。これらのカスタム バージョンは、ユーザーの証明書をフェデレーション場所に渡すことができるように、ユーザーの証明書を要求する UI 要素を含む必要があります。 |
関連項目
概念
SharePoint Server 2007 コネクタを構築するためのアーキテクチャ ガイダンス