新機能: Business Connectivity Services
最終更新日: 2010年7月21日
適用対象: SharePoint Foundation 2010
この記事の内容
外部システムへの書き戻し
使い慣れた UI
接続オプションの拡充
拡張可能なプロバイダー モデル
バッチ一括操作のサポート
BLOB の読み取り
複合型の読み取りと書き戻し
ライフ サイクル管理
拡張された API セットと拡張性
Microsoft Business Connectivity Services (BCS) (旧称、ビジネス データ カタログ) は、基幹業務 (LOB) システム、Web サービス、データベース、および他の外部システム上の外部データに対して、Microsoft SharePoint 2010 内からの読み取り/書き込みアクセスを可能にします。SharePoint 2010 には、共にオンラインまたはオフラインのどちらでも外部データを直接利用できる製品機能があります。開発者は、豊富な機能のセットにアクセスし、Microsoft Visual Studio 2010、Microsoft SharePoint Designer 2010 などの使い慣れたツールを使用して、迅速にソリューションを構築できます。
Business Connectivity Services は、各種の機能、サービス、およびツールで SharePoint アプリケーションの機能と UI を拡張します。拡張された機能と UI によって、外部のデータやサービスとの緊密な統合を実現するソリューションを効率よく開発できるようになります。これは、パワー ユーザー、開発者および各部署の IT 担当者が外部システムの資産を統合化し、さまざまな種類のアプリケーションで外部データとのやり取りを行うことを可能にします。Business Connectivity Services の機能セットによって、スケーラビリティと強力なセキュリティを備えたソリューションの迅速な開発と展開を実現できます。
Business Connectivity Services が持つ機能の一部を以下に紹介します。
外部システムへの書き戻し
Business Connectivity Services を使用して、Microsoft Office アプリケーションまたは SharePoint サイトから外部システムのデータに対する作成、読み込み、更新、削除、クエリの各操作を実行できます (対象の外部システムが当該操作をサポートし、Business Data Connectivity (BDC) service 内で適切にモデル化されている場合)。
使い慣れた UI
外部のデータやサービスに対する SharePoint の動作 (リスト、Web パーツ、プロファイル ページなど) は、外部コンテンツ タイプによって指定されます。このため、さまざまな (多くの場合は独自の) ユーザー インターフェイスをユーザーが習得する必要はなく、使い慣れた環境で作業を進めることができます。
接続オプションの拡充
BDC の中心機能は次の種類の外部システムへの接続をサポートすることです。
データベース
Web および Windows Communication Foundation (WCF) サービス
Microsoft .NET Connectivity Assembly
カスタム データ ソース
拡張可能なプロバイダー モデル
BDC で提供されていた各種データ ソース用コネクタに加えて、BDC では、新しい外部システムのタイプ用コネクタのプラグインを開発者が作成できるプラグ可能なフレームワークが提供されています。これによって、新しいデータ ソース タイプに BDC 経由でアクセスできるようになります。
バッチ一括操作のサポート
Office SharePoint Server 2007 の BDC では、検索などで単一アイテムの操作のみがサポートされていました。BDC でバッチ一括操作がサポートされるようになったことで、1 回の呼び出しで複数のアイテムを読み取ることができ、バックエンドへのラウンド トリップが大幅に削減されます。
BLOB の読み取り
BDC でバイナリ ラージ オブジェクト (BLOB) データがサポートされるようになりました。このことは、外部システムからの BLOB データをストリーミング処理する際に有用です。
複合型の読み取りと書き戻し
BDC のフィールド名にドット記法を使用できるようになり、複合型の読み取りと書き込みが可能になりました。
ライフ サイクル管理
Business Connectivity Services では、宣言またはコードの記述によって、モデルと Office 2010 アプリケーション成果物の作成を容易にするためのツール セットが用意されています。SharePoint Designer 2010 を使用すると、外部組織のニーズを満たす複合ソリューションをコードを記述せずに迅速に作成できます。また、Visual Studio を使用すると、構造化された LOB システムをカバーする高度なワークフローとデータ、構造化されていない SharePoint アプリケーションや Microsoft Office アプリケーション、および Web 2.0 サービスを実装したソリューションを作成したり、そうしたソリューションに拡張できます。
拡張された API セットと拡張性
開発者は BDC ランタイム オブジェクト モデルを使用して、ステレオタイプ化された API を構成要素として使用することで汎用アプリケーションを記述できます。このような汎用アプリケーションは、既存の外部システムやこれから構築される外部システムなど、任意の外部システムに対して動作が保証されます。
また、特定の抽象エンティティ モデル (アプリケーションで公開されるフィールド、およびそのフィールドのタイプ) を前提とした特定用途のアプリケーションを記述することもできます。
また, .NET Assembly Connector、カスタム コネクタ、およびプラグ可能な Secure Store プロバイダーによって、ソフトウェア開発者に役立つ充実した拡張性メカニズムが実現されています。