Visual Studio Designer for Windows Workflow Foundation の概要
最終更新日: 2010年4月8日
適用対象: SharePoint Foundation 2010
Visual Studio 2010 ワークフロー デザイナー では、Microsoft Visual Studio 開発環境についての開発者の知識を利用するグラフィカル インターフェイスを使用することにより迅速にワークフローを開発する手段が提供されています。
WF ワークフロー マークアップ
各 WF ワークフローは、次のファイルの組み合わせで表すことができます。
ワークフローの宣言的メタデータを含む XML つまりマークアップ
ワークフローのプロパティと動作を表すユーザー設定コードを格納するコードビハインド ファイルと組み合わせたマークアップ ファイル
宣言的ロジックとワークフローの動作の両方を格納するコード ファイル (1 つまたは複数)
マークアップ ファイルは XAML (eXtensible Application Markup Language) で記述します。XAML にはファイルが従う必要のある公開されたスキーマがあり、ファイルの拡張子は .xoml です。
XAML は公開されたスキーマなので、好みのテキスト エディタまたは XML エディタを使用して XML ファイルを作成できます。ただし、Visual Studio 2010 ワークフロー デザイナー では、ワークフローを作成して適切なマークアップ ファイルを自動的に生成するグラフィカル インターフェイスが、開発者向けに提供されています。
開発者は、宣言型メタデータとワークフローに含まれるビジネスロジックを、統合するか、または分離するかを選択できます。概念的には、WF ワークフローが採用する "コード分離" パラダイムは、ASP.NET で使用されているものと似ています。つまり、宣言型メタデータは、ビジネス ロジックをカプセル化するファイルから分離されます。したがって、ワークフローに含まれるアクティビティに対するメタデータはマークアップ ファイルに含まれますが、これらのアクティビティのプロパティと動作は別のファイルで詳細に記述されます。
コード分離を使用して作成されたワークフローの場合、情報は 2 つのファイルで保持されます。
- 先に詳しく説明したマークアップ ファイル
次の 2 種類のファイルのどちらか一方
ビジネス ロジックをカプセル化するコードを格納するコード分離ファイル。このファイルは、Microsoft Visual C# または Microsoft Visual Basic で記述できます。
ビジネス ロジックをコードではなく宣言型ルールにカプセル化するワークフロー ルール ファイル。
この方法で作成される各ワークフローは、実際には、2 つの部分クラスから構成される固有の Microsoft .NET 型であり、XOML と分離コード ファイルまたはルール ファイルによって表されます。ワークフロー プロジェクトをコンパイルすると、これら 2 つの部分クラスが .NET アセンブリに結合されます。Visual Studio 2010 ワークフロー デザイナーを使用して SharePoint Foundation 2010 に対するワークフローを作成するときは、このような方法を使用します。
コード ファイルだけで構成されるワークフローは、同じ一般的コンパイル プロセスに従います。つまり、コード ファイルが .NET 型にコンパイルされます。
さらに、マークアップ ファイルだけで構成されるワークフローをコンパイルすることもできます。ただし、これは必要ではありません。WF ランタイム エンジンは、コンパイルされていないマークアップ ワークフローを読み込んで実行できます。Microsoft SharePoint Designer 2010 のような宣言型ルールに基づくコーディング不要のワークフロー エディターを使用して SharePoint Foundation 2010 に対するワークフローを作成するときは、このような方法を使用します。