SAP プロパティを SharePoint Server にインポートする (Duet Enterprise)

 

適用先: Duet Enterprise for Microsoft SharePoint and SAP

トピックの最終更新日: 2016-11-29

この記事では、SAP プロパティを SAP システムから Microsoft SharePoint Server 2010 ユーザー プロファイル ストアにインポートする方法について説明します。

Duet Enterprise for Microsoft SharePoint and SAP では、SAP プロパティは、SharePoint Server 2010 のユーザー プロパティに自動的にはマップされません。この記事の手順に従って、SAP からインポートする必要がある各プロパティを SharePoint Server のプロパティにマップする必要があります。

この記事の前提事項は次のとおりです。

• SharePoint 管理者は、User Profile Synchronization Service を開始し、SharePoint Server ファームによって使用されるユーザー アカウントを含む Active Directory ドメイン サービス (AD DS) のサービスに対するプロファイル同期接続を作成します。これらの手順を実行する方法については、「プロファイルの同期を構成する (SharePoint Server 2010)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202966&clcid=0x411) を参照してください。

• SharePoint 管理者は、AD DS サービスと SharePoint ユーザー プロファイル ストアを同期します。AD DS と SharePoint Server の間でユーザー プロファイル情報を同期するには、「定期的ではないプロファイルの同期を実行する (SharePoint Server 2010)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=201163&clcid=0x411) の手順を実行します。

この記事の内容

• はじめに

• 必要条件

• 手順

• プロパティのインポートを確認する

はじめに

この記事の手順を実行する前に、「プロファイルとロールを同期する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205815&clcid=0x411) の説明に従って、Duet Enterprise for Microsoft SharePoint and SAP のロールの同期を構成および実行することをお勧めします。ロールの同期を有効にした後で、SAP ロールを使用して、個別のユーザーまたは SharePoint グループにアクセス許可を付与せずに、プロパティのポリシー設定を構成できます (サーバーの全体管理の [ユーザー プロファイル プロパティの編集] ページ)。

この記事の手順を完了するには、まず、SAP システムからインポートするプロパティを特定する必要があります。また、インポートしたプロパティをマップする SharePoint Server 2010 ユーザー プロファイル ストアのプロパティを特定する必要もあります。

注意

プロパティをマップする手順とは別に、新しいプロパティをユーザー プロファイル ストアに作成できます。また、両方の作業を同時に行うこともできます。この記事では、SharePoint ユーザー プロファイル ストアにまだカスタム プロパティが存在していないことを前提としています。

プロファイルを計画する方法の詳細については、「ユーザー プロファイルを計画する (SharePoint Server 2010)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=214369&clcid=0x411) を参照してください。

必要条件

プロファイルの同期を構成する場合、このセクションで説明する情報と、既に一部が構成された SharePoint Server 2010 ファームが必要になります。このセクションのサブセクションでは、この記事の「手順」セクションに進むための必要条件について説明します。

このセクションの内容

• アカウントにアクセス許可を付与する

• ファームを構成する

アカウントにアクセス許可を付与する

ファーム アカウントは、プロファイルの同期処理中に、SharePoint Server を実行するサーバーと SAP システム間のトランザクションを認証します。プロファイルの同期を構成するには、ファーム アカウントを SAP 管理者に提供します。SAP 管理者は、そのファーム アカウントに、SAP システムに対する適切なアクセス許可を付与する必要があります。

ヒント

ファーム アカウントには、同期する SAP 内の各オブジェクトに対するアクセス許可を付与する必要があります。

展開ワークシート (https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=205392&clcid=0x411) を使用している場合、ファーム アカウントは、ワークシートの表 1 の "ファーム アカウント" 行に入力します。

SAP システムに対する適切なアクセス許可がファーム アカウントに付与されていない場合でも、構成手順を途中まで進めないとアクセス許可が正しくないことに気付かない可能性があります。

注意

アクセス許可が正しくないことは、プロファイルの同期を構成するときに発生するエラーの最も一般的な原因です。

ファーム アカウント

ファーム アカウントは、SharePoint Server がその構成データベースに接続するときに使用するアカウントです。このアカウントは、SharePoint Server をインストールして構成するときに指定されています。

注意

ファーム アカウントとファーム管理者のアカウントは同じではありません。ファーム アカウントを確認するには、サーバーの全体管理で [サービス アカウントの構成]、[ファーム アカウント] の順にクリックします。

ファーム アカウントには次の特性が必要です。

• アカウントは、User Profile Synchronization Service が実行されているアプリケーション サーバーにローカルでログオンできる必要があります。

  User Profile Synchronization Service が実行されているアプリケーション サーバーの管理者は、サーバーにログオンするためのアクセス許可を付与できます。

• アカウントには、同期する SAP システム内の各オブジェクトに対するアクセス権が付与されている必要があります。

外部コンテンツ タイプ

SAP プロファイル ストアからプロパティをインポートするには、SAP システムのアイテムを表す外部コンテンツ タイプが必要です。Duet Enterprise には、多くの外部コンテンツ タイプが用意されています。インポートするアイテムの外部コンテンツ タイプが存在しない場合は、作成する必要があります。外部コンテンツ タイプを作成する方法の詳細については、「[方法] 外部コンテンツ タイプを作成する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=202149&clcid=0x411) を参照してください。

手順

SAP システムからプロパティをインポートする手順には、3 つの必須フェーズと 1 つのオプション フェーズがあります。次の手順は、記載されている順序で実行する必要があります。

• 手順 1: プロファイルの同期接続を作成する

• 手順 2: (オプション) 同期接続の除外フィルターを定義する

• 手順 3: ユーザー プロファイルのプロパティを作成してマップする

• 手順 4: プロファイルの同期を開始する

注意

この手順を実行するには、ファーム管理者か User Profile Service アプリケーションの管理者のどちらか、またはその両方である必要があります。User Profile Service アプリケーションの管理者で、ファーム管理者でない場合は、[プロファイル サービスの管理] ページを使用して各手順を開始します。

手順 1: プロファイルの同期接続を作成する

このフェーズでは、プロファイル同期接続を作成し、その接続で使用する外部コンテンツ タイプを選択します。プロパティのインポートに使用する外部コンテンツ タイプごとに、個別のプロファイル同期接続を作成する必要があります。

プロファイルの同期接続を作成するには

1. サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

2. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Services アプリケーションをクリックします。

3. [プロファイル サービスの管理] ページの [同期] セクションで、[同期接続の構成] をクリックします。

4. [同期接続] ページで、[新しい接続の作成] をクリックします。

5. [新しい同期接続の追加] ページで、[接続名] ボックスに同期接続の名前を入力します。

   たとえば、「Duet Enterprise Employee Properties」と入力します。

6. [種類] ボックスの一覧で、[Business Data Connectivity] を選択します。

7. [接続の設定] セクションで、[外部コンテンツ タイプを選択します] ピッカーをクリックします。

8. [外部コンテンツ タイプの選択] ダイアログ ボックスで、この接続に使用する外部コンテンツ タイプを選択し、[OK] をクリックします。

   たとえば、"Employee" 外部データ ソースに関連付けられている "Employee" 外部コンテンツ タイプを選択します。

   注意

   Employee 外部コンテンツ タイプは、Duet Enterprise に用意されています。

9. [このプロファイル プロパティで特定されたアイテムを返す] ボックスの一覧で、[AccountName] を選択します。

   注意

   AccountName プロファイル プロパティは、Duet Enterprise に用意されている "Employee" 外部コンテンツ タイプを使用するときに選択します。手順 8. で別の外部コンテンツ タイプを選択した場合は、使用するプロパティが異なることがあります。

10. [OK] をクリックします。

    作成した同期接続が、[同期接続] ページに表示されます。

手順 2: (オプション) 同期接続の除外フィルターを定義する

このオプションのフェーズでは、同期から除外するプロファイルを示す同期接続のフィルターを定義します。たとえば、無効のアカウントを除外するフィルターを定義できます。

同期接続の除外フィルターを定義するには

1. サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

2. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Service アプリケーションの名前をクリックします。

3. [プロファイル サービスの管理] ページの [同期] セクションで、[同期接続の構成] をクリックします。

4. [同期接続] ページで、プロファイルの同期の接続フィルターを構成する接続を右クリックし、[接続のフィルターの編集] をクリックします。

5. [接続のフィルターの編集] ページの [ユーザーの除外フィルター] セクションで、同期フィルターを適用するユーザー プロパティを [属性] ボックスの一覧から選択します。

6. すべてのフィルター条件を満たすことを要求するには [すべてを適用 (AND)] を選択し、1 つのフィルター条件のみを満たすことを要求するには [いずれかを適用 (OR)] を選択します。このプロパティ用にフィルター パラメーターを構成してから、[追加] をクリックします。

7. プロファイルの同期の接続フィルターの追加が終了したときに、[OK] をクリックします。

手順 3: ユーザー プロファイルのプロパティを作成してマップする

この手順を実行し、SAP プロパティをマップする SharePoint ユーザー プロファイル ストアに 1 つ以上のプロパティを作成します。次に、SAP プロパティ (アイテムとも呼ばれます) を SharePoint ユーザー プロパティにマップします。ほとんどの場合、これは一対一のマッピングになります。たとえば、1 つの SAP プロパティが、SharePoint ユーザー プロファイル ストアの 1 つのプロパティにマップされます。

ユーザー プロファイル ストアにプロパティが存在しない場合は、最初に作成する必要があります。この手順は、SAP プロパティのマップ先のユーザー プロファイル ストアにプロパティがまだないことを前提としています。この手順を実行して、必要なプロパティを作成し、マップしてください。

次の表に、よくマップされる SAP プロパティの一覧を示します。各 SAP プロパティが、Duet Enterprise に用意されている "Employee" 外部コンテンツ タイプに関連付けられています。SharePoint ユーザー プロファイルで特定のプロパティを作成する場合は、"SharePoint ユーザー プロパティ名" 列に示されている名前を使用することをお勧めします。ただし、使用する名前は、ここで示す名前と正確に一致する必要はありません。

表 1 - よくマップされるプロパティ

SharePoint ユーザー プロパティ名	SAP 属性 (プロパティ)	説明
SAP 従業員 ID	EmployeeIDDesp	従業員の一意の ID
SAP 職位 ID	IwemporgpositionCode	従業員の職位 ID
SAP 職位の説明	IwemporgpositionCodeText	従業員の職位または役職
雇用開始日	IwemporgstartDate	従業員が雇用された日付
誕生日	IwempbasbirthDate	誕生日

プロパティを作成してマップするには

1. サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

2. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Service アプリケーションの名前をクリックします。

3. [プロファイル サービスの管理] ページの [人] セクションで、[ユーザー プロパティの管理] をクリックします。

4. [新しいプロパティ] をクリックします。

5. [ユーザー プロファイル プロパティの追加] ページの [プロパティの設定] セクションで、次の操作を行います。

   1. [名前] ボックスに、新しいプロパティの名前を入力します。

   2. [表示名] ボックスに、新しいプロパティに表示されるようにする名前を入力します。

      たとえば、「SAP 従業員 ID」と入力します。

   3. [種類] ボックスの一覧からこのプロパティの種類を選択するか、文字列の既定値をそのまま使用します。

   4. オプションで、このプロパティの長さを入力するか、既定値をそのまま使用します。

6. [新しいマッピングの追加] セクションまでスクロールし、[ソースへのデータ接続] の一覧から、前の手順で作成した同期接続を選択します。

7. [属性] の一覧から、インポートする SAP プロパティを選択します。

   注意

   この一覧には、選択したソース データ接続に関連付けられている属性 (アイテムとも呼ばれます) のみが表示されています。たとえば、SAP 従業員 ID のプロパティをマップする場合は、EmployeeIDDesp 属性を選択します。

8. [方向] の一覧で [インポート] が選択されていることを確認します。

   注意

   Business Data Connectivity Service 接続を使用している場合は、インポート方向のみがサポートされます。方向が [インポート] の場合、SAP システムの属性値が SharePoint Server にインポートされ、その値を使用して SharePoint Server 2010 プロパティの値が設定されます。

9. [追加] をクリックし、プロパティ マッピングを追加します。

   作成したプロパティ マッピングが、[ユーザー プロファイル プロパティの追加] ページの [同期のためのプロパティ マッピング] セクションに表示されます。

10. [OK] をクリックします。

11. 他のプロパティを作成しマップする場合は、手順 4. ～ 10. を繰り返します。よく作成およびマップされる他のユーザー プロパティについては、表 1 を参照してください。それ以外の場合は、手順 12. に進みます。

12. 新しいプロパティの作成とマッピングが完了したときに、[ユーザー プロパティの管理] ページを閉じます。

手順 4: プロファイルの同期を開始する

この手順を使用して、プロファイル接続を作成したすべての外部システムと SharePoint Server 2010 との間でプロファイル情報を同期します。

プロファイルの同期を開始するには

1. サーバーの全体管理 Web サイトの [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

2. [サービス アプリケーションの管理] ページで、User Profile Service アプリケーションの名前をクリックします。

3. [プロファイル サービスの管理] ページの [同期] セクションで、[プロファイルの同期の開始] をクリックします。

4. [プロファイルの同期の開始] ページで、初めて同期する場合、あるいは最後に同期してから同期接続またはプロパティ マッピングを追加あるいは変更した場合は [完全同期の開始] を選択します。最後に同期してから変更された情報だけを同期する場合は、[増分同期] を選択します。

5. [OK] をクリックします。

   [プロファイル サービスの管理] ページが表示されます。

   注意

   完全同期は終了するまでに時間がかかる可能性があります。[プロファイル サービスの管理] ページを更新すると、同期ジョブの進行状況をページの右側で確認できます。プロファイルの同期は複数の段階で構成されており、プロファイルはすぐにはインポートされません。同期処理が進行しても [プロファイル サービスの管理] ページは自動的に更新されません。

プロパティのインポートを確認する

少なくとも、前にマップして同期した SAP プロパティの値は SharePoint ユーザー プロファイル ストアに存在していなければなりません。個人用サイトが SharePoint Server ファームに対して構成されている場合は、作成、マップ、および同期したプロパティが個人用サイトにも表示される可能性があります。作成した新しいプロパティが個人用サイトに表示されるかどうかは、そのサイトの構成方法によって異なります。個人用サイトの詳細については、「個人用サイトを計画する (SharePoint Server 2010)」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262500.aspx) を参照してください。

このセクションの手順を使用すると、マップしたプロパティが SharePoint ユーザー プロファイル ストアにインポートされたことを確認できます。次の手順は、記載されている順序で実行することをお勧めします。

このセクションの内容

• プロパティがユーザー プロファイル ストアにインポートされたことを確認するには

• 個人用サイトにプロパティを表示するには

注意

次の手順を実行するには、ファーム管理者である必要があります。

プロパティがユーザー プロファイル ストアにインポートされたことを確認するには

1. サーバーの全体管理のサイド リンク バーで、[アプリケーション構成の管理] をクリックします。

2. [アプリケーション構成の管理] ページの [サービス アプリケーション] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

3. [名前] 列で、User Profile Service アプリケーションの名前をクリックします。

4. [プロファイル サービスの管理] ページの [人] セクションで、[ユーザー プロファイルの管理] をクリックします。

5. [プロファイルの検索] ボックスにユーザー名を入力し、[検索] をクリックします。

6. [アカウント名] 列で表示するプロファイルをポイントし、表示されたドロップダウン リストで [個人用プロファイルの編集] をクリックします。

7. [ユーザー プロファイルの編集] ページで、作成およびおマップしたプロパティの値が存在することを確認します。存在しない場合、その値は SAP システムからインポートされていません。

8. [キャンセルして戻る] をクリックし、[ユーザー プロファイルの編集] ページを閉じます。

マップされたプロパティの値がユーザー プロファイル ストアに表示されることを確認した後に、オプションで、その値が個人用サイトに自動的に表示されるかどうかを確認できます。

個人用サイトにプロパティを表示するには

1. ブラウザーで個人用サイト ページに移動します。

   注意

   プロファイルが存在するユーザーとして [個人用サイト] ページにログインする必要があります。

2. [個人用サイト] ページで、[個人用プロファイル] をクリックします。

3. [詳細情報] をクリックします。

4. 作成した新しいプロパティとその値が表示されるかどうかを確認します。ユーザー プロファイル ストアに存在するのに、[詳細情報] セクションに表示されない場合、個人用サイトにプロパティが表示されるようにするには、個人用サイトの構成が必要である可能性があります。詳細については、「個人用サイトを計画する (SharePoint Server 2010)」(https://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc262500.aspx) を参照してください。