ユニファイド メッセージング ハント グループについて
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-07-21
ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージング (UM) ハント グループと、ユニファイド メッセージングをサポートするために UM ハント グループを Exchange 2007 組織に実装する方法について説明します。
ハント グループとは
ハント グループは、ユーザーによって共有される構内交換機 (PBX) リソースのグループ、IP PBX リソースのグループ、または内線番号のグループを表すために使用される用語です。ハント グループは、特定のビジネス単位で発着信される呼び出しを効率的に配信するために使用されます。たとえば、1 台の PBX または IP PBX を、営業部の 10 個の内線番号を処理するように構成することができます。10 個の営業の内線番号が、1 つのハント グループとして構成されます。ハント グループは、PBX または IP PBX において、着信呼び出しを受け取ったときに空いてる回線、内線、またはチャネルを効率的に検出するために使用されます。
テレフォニー ネットワークにおいて、ハント グループは、1 つの論理的な単位としてグループ化された内線番号のセットであると定義されます。PBX または IP PBX は、着信呼び出しを受信すると、定義されているハント グループや内線グループを使用して、呼び出しの受け付けが可能か、空いた状態にある回線や内線、チャネルを "ハント" します。
PBX や IP PBX では、空いている回線や内線、またはチャンネルをどのように特定するかを定義した複数のアルゴリズムや手法が使用されています。それらには、次のものがあります。
- ラウンド ロビン
- 最もアイドル時間が長い
- 最小の番号から開始
PBX または IP PBX にハント グループを作成して定義すると、着信呼び出しの受信時に、電話をした呼び出し元がビジー信号を受け取る可能性を最小限にすることができます。
パイロット番号
テレフォニー ネットワークでは、1 つまたは複数のハント グループを使用するように PBX や IP PBX を構成できます。PBX または IP PBX 上に作成されるハント グループには、それぞれパイロット番号が関連付けられている必要があります。PBX または IP PBX は、パイロット番号を使用してハント グループを見つけ出した後、着信呼び出しが受信された内線電話番号を特定します。定義されたパイロット番号がないと、PBX や IP PBX は、どこで着信呼び出しが受信されたかを特定できません。
パイロット番号は、PBX または IP PBX 内のハント グループのアドレスまたは場所です。パイロット番号は通常、"空の" 内線番号として定義されるか、内線番号のハント グループに属し、個人や電話が関連付けられていない 1 つの内線番号として定義されます。たとえば、PBX または IP PBX で、内線番号 4100、4101、4102、4103、4104、および 4105 を含むハント グループが構成されており、このハント グループのパイロット番号が内線 4100 として構成されているとします。PBX または IP PBX は、内線番号 4100 で呼び出しを受信すると、次に使用できる内線番号を探して呼び出しの配信先を決定します。この場合、PBX または IP PBX は、内線番号 4101、4102、4103、4104、および 4105 を確認します。
パイロット番号を使用すると、ビジー信号をなくして、利用可能な回路に着信呼び出しをルーティングするのに役立ちます。PBX または IP PBX のパイロット番号は、Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージングで使用する場合、送信先として使用されます。着信呼び出しが応答されない場合や回線がビジー状態の場合、呼び出しは Exchange Server 2007 ユニファイド メッセージング サーバーに正しくルーティングされます。
テレフォニーの概念の詳細については、「テレフォニーの概念とコンポーネントの概要」を参照してください。
UM ハント グループ
ユニファイド メッセージングのハント グループは、ユニファイド メッセージング システムの動作にとって重要です。UM ハント グループは、既存の PBX または IP PBX のハント グループを示す論理的な表現です。UM ハント グループは、UM IP ゲートウェイと UM ダイヤル プランの間の接続またはリンクとして機能します。そのため、1 つの UM ハント グループを、少なくとも 1 つの UM IP ゲートウェイおよび 1 つの UM ダイヤル プランに関連付ける必要があります。
ユニファイド メッセージング ハント グループは、着信呼び出しが受信された PBX または IP PBX ハント グループを特定するために使用されます。PBX または IP PBX でハント グループに定義するパイロット番号は、UM ハント グループ内でも定義する必要があります。パイロット番号は、メッセージのセッション開始プロトコル (SIP) 信号メッセージ情報を通して着信呼び出しに対して提示された情報を照合するために使用されます。パイロット番号を使用すると、ユニファイド メッセージング サーバーで呼び出しを正しくルーティングできるように、正しいダイヤル プランを使用して呼び出しを解釈できます。ハント グループがないと、ユニファイド メッセージング サーバーは着信呼び出しの発信元や場所を識別することができません。ユニファイド メッセージングのハント グループで定義されているパイロット番号と正しく一致しない着信呼び出しは応答されず、着信呼び出しのルーティングが失敗するため、UM ハント グループを正しく構成することは非常に重要です。
ユニファイド メッセージング ハント グループを作成すると、UM ダイヤル プラン内で指定されているすべてのユニファイド メッセージング サーバーが、IP ゲートウェイと通信できるようになります。ユニファイド メッセージングのハント グループを削除すると、関連付けられていた IP ゲートウェイは、指定されたパイロット番号による呼び出しへのサービスの提供を行わなくなります。残っている UM ハント グループがなくなると、IP ゲートウェイは着信呼び出しを処理できなくなります。
IP ゲートウェイの詳細については、「ユニファイド メッセージング IP ゲートウェイについて」を参照してください。
詳細情報
- ハント グループを管理する方法の詳細については、「ユニファイド メッセージング ハント グループの管理」を参照してください。
- Exchange 2007 ユニファイド メッセージング サーバーを展開する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。