Restore-StorageGroupCopy
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1
トピックの最終更新日: 2007-09-12
クラスタ連続レプリケーション (CCR) 、ローカル連続レプリケーション (LCR)、またはスタンバイ連続レプリケーション (SCR) の各環境において、ストレージ グループ コピーのアクティブ化プロセスの一環として Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを使用します。管理者は、Mount-Database 操作を実行する前に Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを使用する必要があります。
構文
Restore-StorageGroupCopy -Identity <StorageGroupIdParameter> [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-Force <SwitchParameter>] [-ReplaceLocations <SwitchParameter>] [-StandbyMachine <String>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]
解説
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは、データベースのアクティブ コピーの障害や破損からの回復作業の一環として、Microsoft Exchange Server 2007 の管理者がデータベースのパッシブ コピーまたは SCR のターゲット データベースをマウントする際に必要になります。LCR 構成では、ボリューム マウント ポイントの使用や変更など、ファイル システムまたはボリュームの操作を通したデータの移動操作が管理者に求められます。この方法を通して、パッシブ コピーまたは SCR ターゲットに使用されるパスと、データベースのアクティブ コピーに使用されるパスとの間で名前付け規則を維持することをお勧めします。
LCR 環境において、レプリケーションを終了し、ストレージ グループおよびデータベース ファイルのパッシブ コピーが格納されているパスを指すように Active Directory ディレクトリ サービス内のこれらのオブジェクトの場所を変更して、データベースのパッシブ コピーをアクティブ化する場合は、ReplaceLocations パラメータを使用します。この処理は迅速に行われ、完了するとデータベースをマウントできるようになります。このオプションを使用しない場合、ストレージ グループのパッシブ コピーからのデータをアクティブ コピーのパスにコピーまたは移動する必要があります。ファイル システムの名前変更コマンドまたはボリューム操作を通してこれを実行できない場合、停止期間はログおよびデータベース ファイルのコピーに必要な時間に比例します。
CCR 環境では、アクティブ化されるコピーは既に別のノード上の正しい場所にあります。そのため、アクティブ化処理の一部としてログまたはデータベースの場所を変更する必要はありません。
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して、新しくアクティブになったノード上のストレージ グループのマウントに関する損失の限定を上書きできます。たとえば、AutoDatabaseMountDial をロスレスに設定すると、最後にマウントされたノードのログ ファイルのうち、1 つでもコピーおよびコピー上での再生ができなかった場合は、データベースがマウントされません。この状態では、ストレージ グループ コピーを復元してデータベースをマウントできます。
注 : |
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特定の状況では、新しくアクティブになったノード上のストレージ グループのマウントに関する損失の限定を上書きするには、前にアクティブだったノードのストレージ グループを再シードすることが必要な場合があります。損失のあった領域の 1 つ以上のログが既にデータベースに書き込まれていた場合は、再シードが必要になります。 |
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットはストレージ グループの連続レプリケーションを終了し、パッシブ コピーまたは SCR ターゲット データベースを Mount-Database コマンドレットで使用できるようにします。具体的には、Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは以下のように使用します。
- CCR 環境では、このコマンドレットは、自動マウント機能によってデータベースがマウントされず、管理者が明示的に介入してデータベースをマウントする必要がある場合に使用します。
- LCR 環境では、このコマンドレットは、LCR を無効にし、パッシブ コピーを Mount-Database コマンドレットで使用可能にするために使用します。
- SCR 環境では、このコマンドレットは、SCR を無効にし、SCR ターゲット コピーを Mount-Database コマンドレットで使用可能にするために使用します。
Restore-StorageGroupCopy コマンドレットは以下の目標のために使用できます。
ストレージ グループのデータベースをマウント可能とマークします。
ストレージ グループのデータベースをマウントすることによってデータ損失が発生する場合は、それに関するレポートを提供します。
ストレージ グループのアクティブ コピーによって生成されたすべてのログ ファイルが、パッシブ コピーのストレージ グループ ファイルの場所に存在するかどうかを確認します。存在しないログ ファイルがあった場合、そのログ ファイルのコピーが実行されます。
注 : 必要なすべてのログ ファイルが見つからず、Restore-StorageGroupCopy コマンドレットがアクティブなストレージ グループのファイルの場所からそれらを正常にコピーできない場合、データベースにはデータ損失が発生します。CCR でデータ損失がどのように管理されるかについては、「クラスタ連続レプリケーション」を参照してください。 LCR および SCR の場合、連続レプリケーションも無効化されます。
LCR の場合、データベースに損失が発生したときは、コンテンツのインデックスを再作成する必要があります。
LCR の場合、このコマンドはストレージ グループをホストしているサーバー上で実行する必要があります。
注 : CCR の場合、パッシブ コピーをアクティブ コピーにするには、最初にマウントする必要があります。マウントされてアクティブになると、そのコピーは以降のレプリケーション動作の新しいアクティブ コピーになります。
次のコードを実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。
パラメータ
パラメータ | 必須かどうか | 種類 | 説明 |
---|---|---|---|
Identity |
必須 |
Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.StorageGroupIdParameter |
Identity パラメータには、次のいずれかの値を指定します。
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Confirm |
省略可能 |
Boolean |
Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するためには管理者がコマンドの処理内容を確認する必要があります。既定値は $true です。 |
DomainController |
省略可能 |
Microsoft.Exchange.Data.Fqdn |
使用するドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。 |
Force |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
Force パラメータは、タスクがプログラムによって実行され、管理者の入力を求めることが不適切な場合に使用できます。コマンドレットで Force を指定しないと、管理者の入力が求められます。コマンドレットで Force が指定され、値が省略されている場合の既定値は $true です。SCR ソースを使用できない場合に、Restore-StorageGroupCopy を実行して SCR ターゲットをマウント可能にするには、Force パラメータを指定する必要があります。 |
ReplaceLocations |
省略可能 |
System.Management.Automation.SwitchParameter |
ReplaceLocations パラメータは、管理者がレプリケーションを終了してコピーのパスを運用ストレージ グループおよびデータベースの場所の属性にプッシュする場合に、LCR 構成で使用します。運用データベース オブジェクトとストレージ グループ オブジェクトのパスは、コピーにある場所に更新されます。 ReplaceLocations パラメータは CCR 環境では無効です。 |
StandbyMachine |
省略可能 |
System.String |
StandbyMachine パラメータは、復元される SCR ターゲットをホストするサーバーの名前を指定するために使用します。SCR ターゲットを復元するには、このパラメータを使用する必要があります。このパラメータが指定されない場合は、タスクは LCR または CCR のパッシブ コピーに適用されます。 |
WhatIf |
省略可能 |
Boolean |
WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。既定値は $true です。 |
エラー
エラー | 説明 |
---|---|
|
タスクは、通信にエラーが発生したか、またはクラスタが使用できないため、クラスタに接続できませんでした。 |
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サーバーが Exchange 2007 サーバーではありません。 |
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ユーザーに Exchange Server 管理者の権限がありません。 |
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ストレージ グループの指定されたサーバーは存在しません。 |
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タスクはレプリケーション対象のコンピュータ上で実行する必要があります。 |
|
指定したパラメータが存在しないか、指定した組み合わせが無効です。 |
|
これはサポートされていないレプリケーション構成です。レプリケーションが有効になっていません。 |
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ReplaceLocations パラメータが指定され、要求されたパスで運用ストレージ グループの場所を更新できませんでした。 |
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指定したコピーは正常な状態にありません。 |
|
指定したストレージ グループのデータベースのマウントは解除されていません。 |
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レプリケーションはストレージ グループを使用可能にする準備ができていません。 |
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内部エラーが発生しました。Restore-StorageGroupCopy コマンドレットで LCR のすべてのデータベースに関する情報の取得に失敗しました。 |
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バックアップが進行中であったため、内部エラーが発生しました。 |
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ストレージ グループがオンラインではないため、内部エラーが発生しました。 |
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ストレージ グループにデータベースが 1 つもありません。 |
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実行された処理と結果を詳細に示す成功のレポートです。これには、復元の際に発生したデータ損失の量も含まれます。レポートにはパスが更新されたかどうかも報告されます。また、次に何を実行するかも示します。 |
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ストレージ グループは既にマウント可能になっています。 |
例
最初のコード例は、SG1 という名前のストレージ グループの LCR を無効にし、このストレージ グループのパッシブ コピーをアクティブ化して Mount-Database 操作で使用可能にする方法を示しています。
2 つ目の例は、SG1 という名前のストレージ グループの Server2 上にある SCR ターゲットをアクティブ化し、マウント可能にする方法を示しています。
Restore-StorageGroupCopy -Identity:SG1
Restore-StorageGroupCopy -Identity:SG1 -StandbyMachine:Server2
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。