構造化データ

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-08-15

従来のコマンド シェルでは、あるコマンドの出力の別のコマンドへの、テキスト ストリームの形式でのリダイレクトを常にサポートしていました。この方法の欠点として、通常は、予期しない動作を防止するための何らかの種類のエンコードを使用して、テキストの解析を慎重に制御する必要がある点が挙げられます。

Exchange 管理シェルで実行するアクションはすべて、オブジェクトのコンテキスト内で行われる必要があります。Exchange 管理シェルは、オブジェクトと呼ばれる、情報の構造化された集まりを使用します。これらのオブジェクトは、アイテムを階層的なデータ ソースで表します。コマンドレットを呼び出すと、1 つ以上の厳密に型指定された構造化オブジェクトが返されます。オブジェクトは、アイテムに関する情報と、そのオブジェクトの構造に関する情報を伝達します。オブジェクトはまた、実際のアイテムの代理としても機能します。たとえば、Exchange 管理シェルからファイルにアクセスしている場合は、ファイル自体ではなく、そのファイルを表すオブジェクトを操作しています。

Exchange 管理シェルは、このオブジェクト モデルを使用して、パイプライン処理によってあるコマンドから別のコマンドに情報を渡します。Exchange 管理シェルが使用するデータは厳密な構造を備えており、オブジェクト モデルに従って解釈されるため、他のコマンド シェルでのテキスト解析によって引き起こされる問題が回避されます。

パイプライン処理の詳細については、「パイプライン処理」を参照してください。

オブジェクトの構造

オブジェクトは、オブジェクトの種類、オブジェクト メソッド、およびオブジェクトのプロパティの 3 種類のデータで構成されています。

オブジェクトの種類

オブジェクトのデータの種類は、それがどういう種類のオブジェクトであるかについての詳細情報を提供します。たとえば、メールボックスを表すオブジェクトは Mailbox オブジェクトです。ファイルを表すオブジェクトは FileInfo オブジェクトです。オブジェクトにはすべて、Exchange 管理シェルが処理できる、定義済みの個別の種類と名前空間が割り当てられています。

オブジェクト メソッド

メソッドとは、オブジェクトに対して実行できる特定のアクションが定義された一連の命令です。たとえば、Mailbox オブジェクトにはメソッド Set_EmailAddresses が含まれています。このメソッドは、Active Directory ディレクトリ サービスのメールボックスが有効なユーザーアカウントに対して、属性 ProxyAddresses の値を設定するために使用できます。

オブジェクトのプロパティ

プロパティとは、オブジェクトの特定の状態を指定するための、そのオブジェクトに関連付けられたデータです。たとえば、Mailbox オブジェクトには、前の「オブジェクト メソッド」で説明したプロパティ EmailAddresses が含まれています。このオブジェクトのプロパティは、メールボックスが有効な Active Directory ユーザー アカウントに関する実際の属性 ProxyAddresses の値を表します。これが、Mailbox オブジェクトによって表される実際のアイテムです。

オブジェクトに含まれるプロパティに関する情報には、現在の状態と各プロパティの定義が含まれます。これには、その名前と、プロパティが取りうるデータの型 (IntegerBooleanString など) が含まれます。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。