クラスタ連続レプリケーションのインストール
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2007-10-30
クラスタ連続レプリケーション (CCR) を展開する前に、「クラスタ連続レプリケーション」を十分に確認することをお勧めします。また、「クラスタ連続レプリケーションの計画」に示す要件をすべて満たしていることを確認してください。Windows Server 2003 への CCR 環境のインストールは、次のようないくつかのフェーズに分けられます。
- クラスタ ネットワークの形成と構成から開始し、ハードウェアのセットアップを構成します。
- 最初のノードから始めて、次に 2 番目のノードという順で、クラスタを形成します。
- ファイル共有監視を構成してセキュリティ保護を行い、クラスタ ネットワークとクラスタ ハートビート喪失のトレランスの構成を行います。
- アクティブおよびパッシブのメールボックス サーバーの役割をクラスタにインストールします。クラスタ化メールボックス サーバー (CMS) は、アクティブなメールボックス サーバーの役割のインストール中に作成されます。
注 : 次のフェーズを開始する前に、前のフェーズを完了しておくことをお勧めします。すべてのフェーズを完了した後は、CCR ソリューションを運用環境で使用する前に確認することをお勧めします。
実行する必要のある CMS のインストール後の作業がいくつかあります。
- フェールオーバー制御の設定の調整。
- トランスポート収集に関する既定の構成の調整。
- クラスタ内のノード間で CMS を移動できるかどうかの確認。
- ログ配布とシードに対する 1 つ以上の混合ネットワークの有効化。
以下では、各フェーズについて詳しく説明します。
ネットワークの形成と構成
2 ノードの CCR 環境に CMS を作成する場合は、十分な数の静的 IP アドレスが利用可能である必要があります。IP アドレスは、パブリック ネットワークとプライベート ネットワークの両方に必要で、各クラスタ ネットワークのすべての IP アドレスが同じサブネット上にある必要があります。プライベート アドレスとパブリック アドレスに関連する要件は、次のとおりです。
- プライベート アドレス 各ノードで、クラスタ プライベート ネットワークに使用するネットワーク アダプタごとに 1 つの静的 IP アドレスが必要です。パブリック ネットワークの 1 つとして同一のサブネットまたはネットワーク上で使用されていない静的 IP アドレスを使用する必要があります。ノードのプライベート IP アドレスには、10.10.10.10 と 10.10.10.11 (サブネット マスク 255.255.255.0) を使用することをお勧めします。
- パブリック アドレス 各ノードで、クラスタ パブリック ネットワークに使用するネットワーク アダプタごとに 1 つの静的 IP アドレスが必要です。また、クライアントと管理者がフェールオーバー クラスタと CMS にアクセスできるように、フェールオーバー クラスタと CMS に対しても静的 IP アドレスが必要です。プライベート ネットワークの 1 つとして同一のサブネットまたはネットワーク上で使用されていない静的 IP アドレスを使用する必要があります。
クラスタ化メールボックス サーバーのためのネットワーク ベスト プラクティス
また、ご利用のクラスタ ネットワークについて、次のベスト プラクティスに従うことをお勧めします。
わかりやすい名前を使用する クラスタを構築する際は、クラスタ ノード、クラスタ ネットワーク インターフェイス、クラスタ名、および CMS 名に対して、これらを区別できる名前を使用することができます。たとえば、他の Exchange サーバーやクライアントとの通信に使用するネットワークには、パブリックという名前を使用できます。クラスタ ノード間の通信に使用するネットワークには、プライベートという名前を使用できます。トポロジ マップを確認しなくても相互の関連付けがわかる名前を使用します。別の便利な規則は、クラスタのノードを CMS の名前と関連付けることです。たとえば、CMS と 2 つのノードに、それぞれ mbx01、mbx01-node1、mbx01-node2 という名前を使用します。
プライベート ネットワーク インターフェイスにプライベート IP アドレスを使用する プライベート ネットワーク インターフェイス用に使用することができる IP アドレスの範囲とサブネット マスクの一覧については、次の表を参照してください。
プライベート ネットワーク インターフェイス用のアドレスの範囲とサブネット マスク
ネットワーク IP アドレスの範囲 サブネット マスク プライベート 1
10.10.10.10-255
255.255.255.0
プライベート 2
10.10.10.11-255
255.255.255.0
次の点に注意してください。
- 現在のパブリック ネットワークでネットワーク アドレス 10.x.x.x とサブネット マスク 255.255.255.0 を使用している場合は、別のプライベート ネットワーク IP アドレスとサブネット マスクを使用することをお勧めします。
- プライベート ネットワークにフォールト トレラントを備えたアダプタ、またはチーミングを利用することはお勧めしません。プライベート ネットワークで冗長性が求められる場合は、内部通信専用に設定されている複数のネットワーク アダプタを使用して、クラスタ構成におけるネットワークの優先度を定義します。このテクノロジを使用する場合は、使用しているファームウェアとドライバが最新バージョンであることを確認することが重要です。サーバー クラスタの互換性の詳細については、ネットワーク アダプタの製造元に問い合わせてください。サーバー クラスタ展開でのネットワーク アダプタのチーミングの詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 254101「ネットワーク アダプタのチーミングとサーバーのクラスタ化」を参照してください。
Microsoft Exchange Server 2007 CCR ソリューションで使用するクラスタ内にネットワークを構成するには、「クラスタ連続レプリケーションのネットワーク接続を構成する方法」で説明されている手順に従い、パブリック ネットワークとプライベート ネットワークを構成します。
フェールオーバー クラスタの形成
クラスタに 1 番目のノードを追加すると、フェールオーバー クラスタが形成されます。この処理では、固有のネットワーク名と固有のネットワーク IP アドレスがクラスタに設定されます。このネットワーク名と IP アドレスは、全体としてクラスタのネットワーク ID になり、クラスタのノードがオンラインおよびオフラインに移行すると、ノード間を移動します。通常、CMS の管理では、クラスタのネットワーク ID を使用することはあまりありません。
フェールオーバー クラスタまたは以前のバージョンの Exchange クラスタの展開を十分に理解していると、CCR 用のクラスタの展開が大きく異なっていることがわかります。クラスタ ソリューションを初めて使用する場合、展開は一般的なクラスタ構成よりも非常に簡単になります。
「クラスタ連続レプリケーション用の Windows Server 2003 フェールオーバー クラスタを作成する方法」の手順に従って、新しいクラスタを構築することができます。この手順には、グラフィカル ユーザー インターフェイスとコマンド ライン インターフェイスで、フェールオーバー クラスタを形成する手順、フェールオーバー クラスタに 2 番目のノードを追加する手順、およびマジョリティ ノード セット (MNS) クォーラムを使用するようにクラスタを構成する手順が含まれます。
注 : |
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Windows Server 2003 上の CCR には、ファイル共有監視付きの MNS クォーラムと呼ばれるクォーラム モデルが必要です。このクォーラム モデルは、Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) で必要になる Windows Server 2003 Service Pack 2 (SP2) で利用できます。ファイル共有監視付きの MNS クォーラムを RTM (release to manufacturing) 版の Exchange 2007 および Windows Server 2003 SP1 で使用するには、CCR の展開前に修正プログラムを各ノードにインストールする必要があります。この修正プログラムについては、マイクロソフト サポート技術情報の記事 921181「それが Windows Server 2003 Service Pack 1-based サーバー クラスタにファイル共有監視機能と構成可能なクラスタ ハートビート機能を追加するアップデートが入手できます。」で説明されています。修正プログラムをインストールする方法の詳細については、「マジョリティ ノード セットのファイル共有監視機能をインストールする方法」を参照してください。 |
フェールオーバー クラスタのインストール後の構成
フェールオーバー クラスタを両方のノードで形成し、MNS クォーラムで構成した後、どちらかのノードに Exchange をインストールする前に実行する必要のあるインストール後の作業がいくつかあります。MNS クォーラムのクラスタ ネットワーク、クラスタ ハートビートの喪失のトレランス、およびファイル共有監視のコンポーネントを構成する必要があります。
クラスタ ネットワークの構成
クラスタに両方のノードを追加した後、クラスタ ネットワーク コンポーネントを構成する必要があります。具体的には、クラスタ ネットワーク、クラスタ ネットワークの優先度、およびクラスタ ハートビート喪失のトレランス設定を構成する必要があります。次の表は、クラスタ ネットワークを構成するために使用できるオプションの詳細です。
クラスタ ネットワーク構成オプション
オプション | 説明 |
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クライアント アクセスのみ (パブリック ネットワーク) |
クラスタ サービスでこのネットワーク アダプタを他のクライアントとの外部通信に対してのみ使用する場合、このオプションを選択します。このネットワーク アダプタでは、ノード間通信やクラスタ データベース更新のトラフィックは発生しません。 |
内部クラスタ通信のみ (プライベート ネットワーク) |
クラスタ サービスでこのネットワークをクラスタのノード間通信およびクラスタ データベース更新のトラフィックにのみ使用する場合、このオプションを選択します。 |
すべての通信 (混合ネットワーク) |
クラスタ サービスでこのアダプタを、クラスタのノード間通信とクラスタ データベース更新のトラフィック、および外部クライアントとの通信に使用する場合、このオプションを選択します。既定では、すべてのネットワークに対してこのオプションが選択されています。 |
CCR 環境に展開される CMS には、サポートされる両方のノードに最低 2 つのネットワーク カードが必要です。CCR 環境では、1 つのネットワークをプライベート ネットワークとして構成し、他のネットワークを混合ネットワークとして構成することをお勧めします。一方をプライベート ネットワークとして構成し、もう一方をパブリック ネットワークとして構成する場合、プライベート ネットワークは CMS の単一障害点となります。
クラスタ ネットワーク コンポーネントを構成する方法の詳細については、「クラスタのネットワーク コンポーネントおよび優先度を構成する方法」を参照してください。
クラスタ ハートビート喪失のトレランス設定の構成
クラスタ通信とネットワーク優先度を構成した後で、クラスタ ハートビート喪失の特定のトレランス設定を構成することをお勧めします。これにより、クラスタ ノード間にあるネットワーク接続のクラスタ サービスの監視を短い中断に耐えるように構成します。これにより、ネットワークが短時間停止する状況で、フェールオーバーを回避できる場合があります。両方のノードで、プライベート クラスタ ネットワークと混在したクラスタ ネットワークが 10 回のハートビート喪失に対応できるよう構成することをお勧めします。この設定レベルは約 12 秒に相当します。
ハートビート喪失に対するクラスタ サービスのトレランスを構成する方法の詳細については、「How to Configure Tolerance Settings for Missed Cluster Heartbeats」を参照してください。
ファイル共有監視の構成
クラスタが形成および構成された後は、ファイル共有監視を構成する必要があります。CCR は 3 番目のコンピュータ上のファイル共有監視を使用して、クラスタ内でスプリット ブレイン現象とも呼ばれるネットワーク パーティションが発生しないようにします。CCR 内のスプリット ブレイン現象は、次の場合に発生します。
- 内部のクラスタ通信を伝達するように設計されているすべてのネットワークに障害が発生した場合。
- 両方のノードが相互にハートビート信号を受信できない場合。
- 両方のノードが、CMS をオンラインにするか、またはオンラインにしようとすることによってアクティブ ノードになる場合。
ファイル共有監視用のファイル共有は、Microsoft Windows オペレーティング システムを実行している任意のサーバーでホストできます。ただし、クラスタ ノードを含む Active Directory ディレクトリ サービス サイトでは、ハブ トランスポート サーバーを使用してホストすることをお勧めします。ハブ トランスポート サーバーを使用する場合は、Exchange 管理者に共有に対する完全な権限およびフル コントロールを与えるようにすることをお勧めします。ファイル共有監視として使用するファイル共有を構成する方法の詳細な手順については、「ファイル共有監視を構成する方法」を参照してください。
クラスタ化メールボックス サーバーのインストールおよび構成
各ノードでいくつかの手順を実行することで、クラスタにメールボックス サーバーの役割をインストールできます。クラスタが形成および検証され、さらに、クラスタがファイル共有監視を設定した MNS クォーラムを使用するよう構成された後で、最初にアクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールする必要があります。アクティブ ノードのインストール プロセスでは、メールボックス サーバーの役割をノードにインストールした後に、そのノードに CMS を作成します。
アクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2003 の CCR 環境にアクティブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法」を参照してください。
注 : |
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プライマリ ドメイン コントローラ (PDC) の役割を割り当てられたドメイン コントローラと同じ Active Directory サイトに配置されていない、Windows Server 2003 を実行しているコンピュータにアクティブ ノードをインストールする場合、最初に CMS 用の名前でコンピュータ アカウントを作成する必要があります。このコンピュータ アカウントを有効にする必要があり、このコンピュータ オブジェクトをローカルの Active Directory サイトで利用可能にする必要があります。CMS のコンピュータ アカウントが存在せず、PDC がローカル Active Directory サイトにはない場合、セットアップは続行しません。 |
アクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールした後は、最初のストレージ グループのデータベースおよびトランザクション ログの構成が計画どおりかどうかを確認することをお勧めします。2 番目のノードで作業を開始する前に、それらを移動する必要がある場合もあります。既定では、最初のストレージ グループとデータベースは %ProgramFiles%\Microsoft\Exchange Server\Mailbox\First Storage Group に配置されます。
クラスタに最初のストレージ グループを構成する方法の詳細については、「ストレージ グループとそのデータベースを移動する方法」を参照してください。
アクティブ ノードにメールボックス サーバーの役割および CMS をインストールして、最初のストレージ グループの構成を確認した後で、パッシブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールする必要があります。パッシブ ノードのインストール プロセスでは、メールボックス サーバーの役割をノードにインストールします。パッシブ ノードにメールボックス サーバーの役割をインストールする方法の詳細については、「Windows Server 2003 で CCR 環境にパッシブ クラスタ化メールボックスの役割をインストールする方法」を参照してください。
セットアップ後の作業
両方のノードにメールボックス サーバーの役割をインストールして、CMS が作成された後は、セットアップ後の作業をいくつか実行する必要があります。これには、以下の作業が含まれます。
- フェールオーバー制御の設定の調整。
- トランスポート収集に関する既定の構成の調整。
- クラスタ内のノード間で CMS を移動できるかどうかの確認。
- 連続レプリケーション処理のための複数のネットワークの有効化。
フェールオーバー制御の設定の調整
CCR には、CMS のフェールオーバー動作の制御を可能にする属性が含まれています。これらの属性は、Set-MailboxServer コマンドレットを使用して構成できます。これらの属性は、次の 2 つの決定アルゴリズムを制御できるようにするために提供されています。
- アルゴリズム 1 アルゴリズム 1 は、フェールオーバー時にデータベースをマウントするかどうかを制御します。フェールオーバー時に、データベースで失われたログが構成済みのログの量より少ないことが検出されると、データベースは自動的にマウントされます。許容される失われたログの数は、AutoDatabaseMountDial と呼ばれる値を使用して構成できます。このパラメータは、Active Directory 内では msExchDataLossForAutoDatabaseMount という名前の Exchange Server 属性で表され、ロスレス、中可用性、および高可用性という 3 つの値があります。失われたログの数は、ロスレスでは 0、中可用性では 3、および既定の高可用性では 6 です。中可用性または高可用性のシステムを構成する場合は、スペースを使用しないでください。たとえば、GoodAvailability や BestAvailability を使用します。
- アルゴリズム 2 アルゴリズム 2 を使用すると、オフラインにするよりも、古いデータを使用してオンラインにすることの方が重要かどうかを判断できます。アルゴリズム 1 に基づいてデータベースをマウントできなかった場合は、2 回目のチェックを行う時間を設定できます。待機する時間は、ForcedDatabaseMountAfter 属性によって構成されます。値は時間単位で、既定値は無制限です。
重要 : ForcedDatabaseMountAfter の値に達すると、ストレージ グループのコピーが 1 ログ分遅れているか、10 ログ分遅れているか、1,000 ログ分遅れているかに関係なくデータベースがマウントされ、この結果、相当なデータ損失が発生する場合があります。このため、サービス レベル契約 (SLA) が、発生する可能性のあるデータ損失量の最大値を保証している場合は、このパラメータを使用しないようにします。
フェールオーバーのチューニングの詳細については、「クラスタ連続レプリケーションのフェールオーバーとマウントの設定をチューニングする方法」を参照してください。
トランスポート収集の調整
トランスポート収集は、ハブ トランスポート サーバーの役割の機能で、予定されていない停止の後で最近配信されたメールを送信します。CCR やローカル連続レプリケーション (LCR) を使用する場合は、トランスポート収集を常にオンにする必要があります。トランスポート収集は、ストレージ グループごとに使用できる記憶域の容量を設定し、メールをトランスポート収集内で保持する時間を設定することによって、組織全体で有効にすることができます。
ハブ トランスポート サーバーは、次の場所の CMS に最近配信されたメールのキューを保持します。ロスレスではないフェールオーバーが起こったときは、CCR は自動的にサイト内のすべてのハブ トランスポート サーバーにトランスポート収集キューからのメールを再送信するよう要求します。インフォメーション ストアは自動的に複製を削除し、失われたメールを配信します。Exchange 管理コンソールを使用するか、Exchange 管理シェルの Set-TransportConfig コマンドレットを使用すると、ストレージ グループ レベルで適用されるトランスポート収集の既定の構成設定を変更できます。
MaxDumpsterSizePerStorageGroup パラメータを構成することをお勧めします。このパラメータは、ストレージ グループごとにトランスポート収集キューの最大サイズを、送信できる最大メッセージ サイズの 1.5 倍のサイズまでで指定します。たとえば、メッセージの最大サイズが 10 MB の場合、MaxDumpsterSizePerStorageGroup パラメータは、15 MB の値に設定します。また、MaxDumpsterTime パラメータを構成することもお勧めします。このパラメータは、電子メール メッセージがトランスポート収集キュー内で保持される期間を 7.00:00:00 (7 日間) までで指定します。これは、停止が延長されても電子メール メッセージを失うことのない、十分な時間です。トランスポート収集機能を使用する場合、トランスポート収集キューをホストするには、ハブ トランスポート サーバー上に追加のディスク領域が必要です。必要な記憶域の容量は、MaxDumpsterSizePerStorageGroup の値と、ハブ トランスポート サーバーが含まれている Active Directory サイトの CCR 環境内および LCR が有効なすべてのストレージ グループ内のすべての CMS 上にあるストレージ グループの数を乗算した値にほぼ等しくなります。
トランスポート収集を有効化して構成する方法の詳細については、「トランスポート収集を構成する方法」を参照してください。
CCR ソリューションの確認
CCR ソリューションのインストールを完了した後、または大幅な構成の変更を行った後には、CMS の稼働状態、および両方のノードが CMS をサポートするように正しく構成されていることを確認することをお勧めします。
CMS の稼働状態を確認する方法として、Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットと Get-ClusteredMailboxServerStatus コマンドレットを実行することをお勧めします。
- Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットは、各ストレージ グループの現在のレプリケーションの状態情報を表示します。CCR 環境内にあるストレージ グループの状態を表示する方法の詳細については、「Exchange 管理シェルを使用してクラスタ連続レプリケーション コピーの状態を表示する方法」を参照してください。
- Get-ClusteredMailboxServerStatus コマンドレットは、CMS の基本的な動作状態を表示します。CMS の基本的な動作状態を取得する手順の詳細については、「クラスタ化メールボックス サーバーの状態を表示する方法」を参照してください。
両方のノードで CMS をオンラインにできるかどうかを確認する場合は、Move-ClusteredMailboxServer コマンドレットを使用して CMS を各ノードに移動することをお勧めします。
連続レプリケーション処理のための複数のネットワークの有効化
Exchange 2007 の RTM 版では、ログ ファイルのコピーとシードはすべてパブリック ネットワーク経由で行われます。Exchange 2007 SP1 では、混合ネットワークとして構成されたすべての冗長クラスタ ネットワークで連続レプリケーション処理を有効にできます。この処理には、ストレージ グループのシードと再シード、およびログ配布が含まれます。
Exchange 2007 SP1 では、混合ネットワークとして指定されたクラスタ ネットワークのみで、連続レプリケーションを有効にできます。混合ネットワークとは、クラスタ (ノード間通信) およびクライアント アクセス トラフィックの両方の目的に構成されているクラスタ ネットワークのことです。クラスタ アクセス用に構成されており、クライアント アクセス用には構成されていないクラスタ ネットワーク (プライベート ネットワークとも呼ばれます) では、連続レプリケーションを有効にできません。
混合ネットワークを介したログ配布のサポートは、Enable-ContinuousReplicationHostName コマンドレットを使用して構成します。また、この機能をオフにするには、Disable-ContinuousReplicationHostName コマンドレットを使用します。管理者は、CCR 環境に CMS が存在するようになった後、クラスタの両方のノードで Enable-ContinuousReplicationHostName を実行し、2 つの IP アドレスとホスト名を指定することができます。この指定後、構成が正常に完了し、混合ネットワークが機能していることが確認されると、システムによってログのコピー用の混合ネットワークがランダムに選択されます。
連続レプリケーション処理用にクラスタ ネットワークを有効にする手順の詳細については、「Windows Server 2003 でログ配布とシード用に冗長クラスタ ネットワークを有効にする方法」を参照してください。
注 : |
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Enable-ContinuousReplicationHostName コマンドレットを実行するたびに、ホスト名、IP アドレス、およびフェールオーバー クラスタに作成されるクラスタ グループに加え、CMS が含まれる Active Directory ドメインにコンピュータ アカウントも作成することになります。既定では、Windows Server 2003 で、ドメイン管理者特権が委任されておらず、コンピュータ オブジェクト作成およびコンピュータ オブジェクト削除のアクセス制御エントリ (ACE) が与えられていないユーザーが追加できるコンピュータ アカウントの最大数は 10 個です。Enable-ContinuousReplicationHostName コマンドレットと Disable-ContinuousReplicationHostName コマンドレットを頻繁に実行し、ドメイン管理者特権または前述の ACE を持っていない Exchange 管理者は、すぐに 10 個のアカウント制限に達する可能性があります。この問題については回避策の情報が提供されており、マイクロソフト サポート技術情報の記事 307532「コンピュータ オブジェクト変更時のクラスタ サービス アカウントのトラブルシューティング方法」で説明されています。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の記事 251335「ドメイン ユーザーがワークステーションまたはサーバーをドメインに参加させられない」を参照してください。 |
CCR 環境でのシードおよび再シードは、Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して行われます。Exchange 2007 SP1 では、このコマンドレットは拡張され、DataHostNames という新しいパラメータが含まれています。このパラメータは、シードまたは再シードに使用するネットワークを指定するために使用されます。値は、完全修飾ドメイン名 (FQDN) またはホスト名のいずれかの名前による複数の値のリストです。この中のいずれかの名前にはパッシブ ノードを指定する必要があります。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。